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「決まらなかった月は?」歩合が中心なら、「最低保障6ヶ月」では法律の保障給になりません

2026.09.22読了 約14分
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こんにちは、株式会社Jingasの濱名です。

今日は、売買仲介の給与設計のなかで、後回しにされやすいところのお話をしたいです。テーマは、歩合が決まらなかった月のお金。

こういうこと、ありませんか。

  • 求人票に「最低保障あり」と書いてはいるが、何ヶ月出すのか、いくらなのかを聞かれると即答できない
  • 面接で年収の上限は熱く話せるのに、下限を聞かれると「まあ、そこはやり方次第で」と濁してしまう

離職が起きる時期の構造は入社3ヶ月で辞める不動産営業に書きました。この記事は、お金の下限をどう設計するかに絞ります。しかもこの部分は、法律が最低線を決めている領域です。

歩合給にも最低賃金はかかります。歩合が中心なら「最低保障6ヶ月」では保障給になりません

歩合給にも最低賃金はかかります。判定は、固定給と歩合を時間あたりに直した合計と、都道府県の最低賃金の比較です。出来高払制で使用するなら、労働基準法第27条の保障給も期間の定めなく要ります。6ヶ月で終わる保障は、この保障給になりません。

歩合で営業を雇う会社が守る線は3本あり、そこに会社が任意で乗せる上乗せが1本加わります。

線根拠金額期間守らなかったとき
最低賃金最低賃金法 第4条都道府県ごとの時間額(毎年改定)ずっと不足部分は無効で最低賃金額とみなされる。罰金50万円以下(同法 第40条)
保障給労働基準法 第27条(出来高払制で使用する場合)労働時間に応じた一定額(額の定めなし)条文に期間の定めなし罰金30万円以下(同法 第120条)
割増賃金労働基準法 第37条歩合部分は0.25倍(月60時間超は0.5倍)ずっと拘禁刑6月以下または罰金30万円以下(同法 第119条)
立ち上がり期の上乗せ法律の義務はない会社が決める会社が決める―

※出典:e-Gov法令検索 最低賃金法・労働基準法(2026年10月時点の条文)。

歩合給の最低賃金は、どう計算しますか?

最低賃金は時間額なので、月給も歩合も時間額に直して比べます(最低賃金法施行規則 第2条)。

歩合給は、何時間で割りますか?

その月の総労働時間で割ります(同条第1項第5号)。残業した時間も分母に入るので、歩合が同じ額なら、長く働いた月ほど時間あたりの額は下がります。

固定給と歩合給を併用しているときの計算方法

固定給は「月の固定給÷月の所定労働時間」(月によって所定労働時間が違うなら、1年間の1ヶ月平均所定労働時間で割る。同法施行規則 第2条第1項第3号)、歩合給は「その月の歩合給÷その月の総労働時間」で時間額にして、2つを合計する。その合計が地域別最低賃金以上なら足ります。

鳥取労働局「タクシー、トラック運転者の最低賃金について」にも、この合算の方法が計算例つきで載っています。金額は古い時期の例ですが、合算の方法は同じです。

固定給のない完全歩合なら、歩合のみで計算します。歩合が月20万円・総労働190時間なら約1,053円で、東京都の1,280円を下回ります。成約ゼロの月は0円です。

計算例:成約ゼロの月に、最低賃金を割る固定給

東京都の会社で、固定給18万円、所定160時間、総労働190時間とします。歩合が3万円出た月は、1,125円(18万円÷160時間)に約158円(3万円÷190時間)を足して約1,283円。成約ゼロの月は1,125円のままです。

東京都の最低賃金は令和8年10月1日から1,280円。歩合の月は上回りますが、**成約ゼロの月は1時間あたり155円、160時間分で24,800円足りません。**点検は、成約ゼロの月の数字でやってください。

※説明用の例です。割増賃金は計算から外しています。

最低賃金に入る賃金・入らない賃金は?

次のものは除いて計算します(最低賃金法 第4条第3項、同法施行規則 第1条、各地域別最低賃金の決定)。

  • 臨時に支払われる賃金、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超える労働、所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(割増分を含む全額)
  • 午後10時から午前5時までの労働に対する賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
  • 精皆勤手当、通勤手当、家族手当

毎月支払われる歩合給は計算に入ります。一方で、インセンティブを四半期や半期ごとにまとめて払っている会社は、その分が計算から外れる。この場合は、毎月の固定給のみで最低賃金を超えている必要があります。

決まらなかった月こそ、法律の線が表に出てくるところなんですよね。

令和8年度の最低賃金はいくらで、いつから上がりますか?

令和8年度の地域別最低賃金は全国加重平均1,177円で、前年度から56円上がりました。発効日は都道府県ごとに違い、10月1日から12月2日までばらついています。

都道府県最低賃金発効日固定給の下限(所定160時間)固定給の下限(所定170時間)
東京1,280円10月1日204,800円217,600円
大阪1,231円10月1日196,960円209,270円
愛知1,195円10月1日191,200円203,150円
静岡1,154円10月15日184,640円196,180円
福岡1,114円10月4日178,240円189,380円
全国加重平均1,177円―188,320円200,090円

※出典:厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」(答申額・発効日。発効日はすべて令和8年)。固定給の下限は「最低賃金×所定労働時間」で計算した、成約ゼロの月でも最低賃金を割らない目安で、手当・固定残業代は含めない額です。ほかの都道府県は地域別最低賃金の全国一覧で確認できます。

業種別の特定最低賃金も受ける場合は、高いほうが適用されます(最低賃金法 第6条)。

この表は法律の下限です。求人の見え方については、私がnoteで書いた給与設計の基準で、月給29.5万円を下回ると求人サイトのフィルタから漏れます。インセンティブも、「月給25万+インセンティブ」を「月給28万+仲介手数料10%(入社2年目平均520万)」に直すと読み手が計算できます。この28万円は基準より低いので、出せるなら29.5万円以上に寄せたいところです(不動産営業の年収・歩合、「損しない」見せ方)。

最低賃金や残業代を払っていなかったら、どうなりますか?

最低賃金に届かない賃金の定めは、その部分が無効になり、最低賃金と同じ定めをしたものとみなされます(最低賃金法 第4条第2項)。本人が同意していても、差額を払う義務が残ります。

賃金の請求権の時効は、当分の間3年です(労働基準法 第115条、附則第143条第3項)。残業代(第37条)の未払いは、裁判所が未払金と同じ額の付加金の支払いを命じることができます(同法 第114条)。

試用期間中は、最低賃金を下げてもいいですか?

会社の判断では下げられません。減額できるのは都道府県労働局長の許可を受けた場合で(最低賃金法 第7条第2号)、試用期間中の人の減額率の上限は100分の20です(同法施行規則 第5条)。

労働基準法27条の保障給とは? 最低賃金とは別の義務です

出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。(労働基準法 第27条)

読むところは4つです。

  1. 「しなければならない」=義務です。出来高払制で使用するなら、保障なしの設計は選べません
  2. 「労働時間に応じ」=働いた時間に応じた保障です
  3. 金額が書いてありません。決めるのは会社です
  4. 期間も書いてありません。出来高払制で使っている間、ずっと続きます

保障給は、どういう形で決めればいいですか?

条文の形に沿うなら、保障給は時間あたりの額で決めます。大阪府「労働相談ポイント解説 18 賃金の考え方(最低賃金含む)」も、出来高払制の賃金では「仕事の量(出来高)に対する基本単価の額及び労働時間に応じた保障給の額」を明示する、と整理しています。

たとえば保障の時間額を1,600円と決め、「その月の賃金(固定給+その月に支給した歩合。割増賃金は除く)が、その月の総労働時間×1,600円を下回る月は差額を払う」と書く。割増賃金は、これとは別に払います。月額の固定給を置いていれば第27条を満たすと言えるかは、条文と通達の原文では確かめられなかったので、ここでは断定しません。

労働条件通知書の賃金欄(労働基準法 第15条、同法施行規則 第5条第1項第3号)には、たとえばこう書きます。

  • 基本賃金:月給30万円(所定160時間)/出来高払制の基本単価:担当した取引の仲介手数料の15%
  • 保障給:1時間あたり1,600円(固定給とその月に支給した歩合の合計が、その月の総労働時間×1,600円を下回る月は差額を支給)

保障給の目安「平均賃金の6割」は、通達に書いてありますか?

書いてありません。厚生労働省の通達データベースで、第27条の通達(昭和22年9月13日 発基第17号)の本文を確認しました。第27条関係は次の1文です。

本条は労働者の責にもとづかない事由によつて、実収賃金が低下することを防ぐ主旨であるから、労働者に対し、常に通常の実収賃金を余りへだたらない程度の収入が保障されるやうに保障給の額を定めるやうに指導すること。

大阪府の資料も、保障給の額について「法令の規定はない」としたうえで、休業手当との均衡から平均賃金の100分の60程度という目安を紹介しています。

通達として「6割以上」が書かれているのは、自動車運転者についての通達(平成元年 基発第93号)です。厚生労働省資料「賃金に関する労働基準関係法令等について」(平成20年度の最低賃金額を載せた厚生労働省資料。国土交通省サイト掲載)は「固定的給与と併せて通常の賃金の6割以上の賃金が保障されるよう保障給を定める」と紹介しています。対象はタクシーやトラックの運転者で、不動産営業に向けた数字ではありません。

なので私は、通達の文言そのものを基準に置くことをおすすめしています。自社の営業が平均して月にいくら受け取っているかを出し、保障の額と並べる。その距離が「余りへだたらない」と言えるかを見てください。平均月収58万円の会社が保障を月18万円と書いていたら、一度立ち止まって考えたい距離です。

金額も期間も会社に任されているぶん、決め方そのものが問われるんですよね、、。

固定給が多い会社にも、保障給は要りますか?

第27条が当たるのは「請負制で使用する」場合です。固定給が賃金の大部分なら当たらない、という整理を紹介する解説があり、「固定給が概ね6割以上」という目安も出回っています。ただ、その根拠とされる通達(昭和63年3月14日 基発第150号)の本文を、私は厚生労働省のサイトで確かめられませんでした。

なので数字で線は引きません。出来高払制で使用するなら第27条の保障給が要る、が出発点です。固定給の比重が大きく請負制に当たらないと言えるかは、去年の賃金台帳で固定給と歩合の合計を出してから考える。迷ったら、賃金規程を持って所轄の労働基準監督署に確認してください。

歩合給にも残業代はかかりますか?

かかります。根拠は労働基準法施行規則 第19条第1項第6号で、歩合給の総額をその期間の総労働時間数で割った額が、割増賃金の計算の基礎になります。毎月の歩合給は、割増の基礎から外してよい賃金(同法 第37条第5項、同法施行規則 第21条)に入っていません。

歩合部分の割増が0.25倍になる理由

歩合はその期間の総労働時間に対する対価なので、「1」にあたる部分はすでに歩合として払われている、という考え方です。固定給部分は1.25倍、歩合給部分は0.25倍。鳥取労働局の資料の計算例も、歩合の時間外と深夜をこの形で計算しています。

月60時間を超えた時間外(5割以上、同法 第37条第1項ただし書)と法定休日(3割5分以上、割増賃金令)も、深夜の0.25倍と同じ考え方で計算します。歩合部分はそれぞれ0.5倍・0.35倍です。

歩合給の残業代の計算例

固定給30万円(所定160時間)、歩合20万円、総労働時間200時間、時間外40時間とします。固定給部分は1,875円×1.25=2,343.75円、歩合給部分は1,000円×0.25=250円。時間外手当は(2,343.75円+250円)×40時間=103,750円です。

※説明用の例です。端数処理は自社の規程に合わせてください。

固定残業代を入れる場合に求人票へ書く3点は、労働条件通知書の書き方の固定残業代の節にまとめています。

歩合から残業代を差し引く設計は使えますか?

使えないと考えてください。最高裁 令和2年3月30日 第一小法廷判決(国際自動車事件、平成30(受)908)は、売上高等の一定割合から残業手当等に相当する額を差し引いて歩合給を計算する賃金規則について、残業手当等の額がそのまま歩合給の減額につながり、歩合給が0円となることもあるなどの事情の下では、第37条の割増賃金が支払われたとはいえない、と判断しました。理由として、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別できないことを挙げています。

下限は2階建てで設計してください(設計の手順)

1階:時間額の保障給の決め方

出来高払制で使用する会社なら、1階は第27条の保障給=時間あたりの保障です。次の2つを確かめます。

  • 保障の時間額が、自社の都道府県の最新の最低賃金を上回る(上の早見表)
  • 保障の時間額×所定時間を自社の営業職の平均月収と並べて、「余りへだたらない」と言える

3つ目で手が止まったら、そこが今の設計の課題です。

2階:立ち上がり期の上乗せの決め方

こちらは会社の投資判断で、法律の義務はありません。

まず、直近2年に入社した営業について、入社日から初回の成約までの月数を並べます。経験者と未経験者は分けてください。この月数が、上乗せを出す最低の長さになります。

次に、終わる月と、終わったあとに何が残るかを決め、求人票と条件通知の両方に書く。人材紹介を使えば売買仲介で1人あたり約150万円かかるので(不動産営業の採用は1人いくらかかるのか)、上乗せも採用費の一部として見ると判断しやすくなります。

「最低保障6ヶ月」の求人票で揉める種になるNG例

保障を出している会社でも、書き方で揉める種が残ります。

NG①:1階と2階が分かれていない。「最低保障6ヶ月」の一言で終わっていると、7ヶ月目に下限がゼロになるように読めます。1階(時間あたりの保障)があるのに伝わらず、損をするのは会社です。

**NG②:上乗せ期間中の歩合の扱いが書いていない。**上乗せとは別に歩合も払う(併給)のか、歩合の分を上乗せから差し引く(相殺)のかで、手取りが変わります。会社と本人の理解が食い違ったままだと、最初の成約の月にその差が表に出ます。

NG③:「保障」と「固定給」を混ぜて書く。「月給25万円(保障含む)」では、25万円がずっと続くのか分かりません。額と期間が読み取れず、職業安定法第5条の3の明示として不十分になりえます。

NG④:上乗せ額を年収例に混ぜる。「初年度想定年収500万円(保障期間含む)」は2年目に再現しない数字です。

歩合の求人票の書き方:Before/After

Before(NG)

  • 月給25万円〜100万円/インセンティブあり/最低保障あり
  • 年収例:入社1年目 620万円

入社時に確実に受け取れるのは下限の25万円なのに、そう読めません。保障は額も期間もなく、年収例は上振れの人の数字です。

After(OK)/歩合が中心の会社の記入例

  • 固定給:月30万円(所定160時間)
  • 保障給:1時間あたり1,600円。固定給とその月に支給した歩合の合計(割増賃金は除く)が、その月の総労働時間×1,600円を下回る月は差額を支給。割増賃金は別途支払います。期間の限定はありません
  • インセンティブ:仲介手数料の15%(成約の翌々月に支給)
  • 年収の実績レンジ:入社2年目の在籍者平均で700万円

検算します。歩合ゼロで総労働190時間の月は、30万円が30.4万円(190時間×1,600円)を下回るので差額4,000円。歩合ゼロでも180時間なら28.8万円で、差額は出ません。1,600円は東京都の1,280円を上回ります。

保障の時間額を固定給÷所定時間(1,875円)より高くすると、歩合の一部が差額の計算で相殺され、実質の下限が上がる。たとえば2,250円なら、160時間の月の保障は36万円で、歩合4万円の月も差額2万円です。その設計にするなら、NG②のとおり歩合との関係(併給か相殺か)を書いてください。

実績の月あたり約58万円との距離をどう詰めるかは、経営判断そのものです。

After(OK)/固定給が中心の会社の記入例

  • 月給32万円(固定給。所定160時間で時間額2,000円=東京都の最低賃金を上回る)+仲介手数料の10%
  • 立ち上がり期の上乗せ:入社から6ヶ月間、月5万円。7ヶ月目からは月給32万円+インセンティブで、月給は下がりません

この形で第27条が当たるかは、賃金台帳で固定給と歩合の比率を見て判断し、迷えば労働基準監督署に確認してください。

※2つとも数字は説明用です。自社の実績に置き換えてください。

求人票の型は売買仲介の求人票テンプレ3型、給与欄以外の抜けは求人票セルフ添削チェッカーで確かめられます。

面接で下限の話は、どう出せばいいですか?

求人票と同じで、面接でも下限と歩合の計算と実績を、会社の側から先に並べます。下限を伏せたまま「うちで頑張れますか」と聞くのは、初対面のお見合いで「私と結婚するメリットは?」と聞くようなものなんですよね、、。言い方の例はこうです。

立ち上がりの話を先にさせてください。うちの過去2年だと、初回の成約まで平均で◯ヶ月です。保障は1時間あたり◯円で、何年目でも下がりません。最初の6ヶ月は月◯万円を上乗せし、◯月に終わります。

家族構成や住宅の状況を尋ねるのは、公正な採用選考の考え方から適切ではありません(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。条件を提示する場の進め方はオファー面談で条件を伝えるときの進め方にまとめています。

なお、私たちが運用している不動産営業の求人では、媒体を替えずに求人票の2ヶ所(業務内容のタイトルと、入社後の活躍イメージ)を直して応募が増えました。給与欄の話とは別の直しです(不動産営業の採用ページ、作り方より「1枚に何を書くか」です)。

チェックリスト:歩合給と最低賃金・保障給の設計

  • 固定給÷所定労働時間が、令和8年度の最低賃金を上回っているか(手当を除き、発効日前に見直す)
  • 去年の賃金台帳で固定給と歩合の比率を出し、第27条が当たるかを判断したか
  • 「固定給とその月に支給した歩合の合計が、総労働時間×保障の時間額を下回る月は差額を払う」と賃金規程と労働条件通知書に書いたか
  • 求人票の月給が、求人サイトのフィルタから漏れない29.5万円以上か
  • 保障(1階)と立ち上がり期の上乗せ(2階)を、別の制度として分けて書いているか
  • 上乗せの期間が、自社の初回成約までの平均月数より短くないか
  • 上乗せ期間中の歩合が、併給か相殺かを書いているか
  • 歩合部分の割増(0.25倍、月60時間超は0.5倍)を毎月計算しているか
  • 四半期・半期払いのインセンティブがあるなら、固定給のみで最低賃金を超えているか

まずは最初の3つ。ここが埋まると、残りの項目も判断しやすくなります。

よくある質問

Q. 完全歩合制(フルコミッション)にできますか?

雇用契約である以上、成約ゼロの月に賃金ゼロの設計は取れません。最低賃金法が適用され、出来高払制で使用するなら第27条の保障給も要ります。

Q. 業務委託契約にすれば、最低賃金は関係なくなりますか?

労働基準法の「労働者」は、事業に使用され、賃金を支払われる者です(同法 第9条)。実態として会社の指揮命令を受けて働いているなら、契約書の名前にかかわらず労働者として扱われます。安易に切り替えないほうがいいです。

Q. 最低賃金が上がったら、固定給も上げないといけませんか?

固定給を所定労働時間で割った額が新しい最低賃金を下回るなら、上げる必要があります。歩合が出る月に届いていても、成約ゼロの月に下回るなら同じです。

Q. 上乗せの期間は何ヶ月が相場ですか?

相場より、自社で初回の成約までにかかっている月数で決めてください。立ち上がりが平均5ヶ月なのに上乗せが3ヶ月なら、4ヶ月目と5ヶ月目は上乗せなしで成約を待つことになります。

Q. 管理職・店長の求人で、下限しか書かないとどう読まれますか?

管理職・店長クラスの採用では、「月給30万〜」のように下限しか書かない書き方は分かりにくい、と代表の渡辺は話しています。私がnoteで書いた給与設計の基準②は「固定とインセンティブのバランスを明示する」です。下限は、歩合の計算根拠と並べて書いてください。

おわりに

読んでくださって、ありがとうございました。

法律が会社に置いているのは、最低賃金と、歩合で使うなら労働時間に応じた保障です。金額も期間も条文にないので、そこから先は会社が決めて、求人票と面接で先に伝える番です。

今日はまず、固定給を所定労働時間で割って、令和8年度の最低賃金と比べるところから始めてみてください。

売買仲介の採用を通しで見直したい方は売買仲介 営業の採用 完全ガイド、求人票を直したい方は応募が来る求人票の作り方からどうぞ。歩合の設計と求人票を一緒に見直したい方は、採用代行の無料相談でお話を聞かせてください。


濱名勇輝/元・不動産特化の人材紹介エージェント(株式会社Jingas COO)。エージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担当。採用の現場を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきました。

濱
濱名 勇輝
元・不動産特化の人材紹介エージェント/株式会社Jingas COO

不動産に特化した人材紹介のエージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担ってきました。採用を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきた立場で、「なぜ応募が来ないのか」「なぜ決まらないのか」を、きれいごと抜きで書いています。

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