不動産・建設の「採用」だけを、現場の目線で。 元・不動産特化の人材紹介エージェントが執筆
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施工管理の求人票、休日欄に「4週8閉所」とだけ書いて損をしていませんか

2026.09.16読了 約13分

こんにちは、株式会社Jingasの濱名です。

今日は、施工管理の求人票でいちばんよく読まれていて、いちばん雑に書かれている場所、休日欄のお話をしたいです。

こんな求人、見たことありませんか。

  • 休日・休暇:4週8閉所、年末年始、夏季休暇

自社の求人票を開いて、今まさにこう書いてある会社も多いと思います。しかもこれ、悪気があって書いているわけではないんですよね。むしろ逆で、現場をちゃんと閉めている会社ほど、この5文字で済ませてしまう。頑張っている事実があるから、書けば伝わると思ってしまう。

でも、応募は増えない。

理由は、意地悪でもなんでもなくて、構造の問題です。「4週8閉所」は、現場が閉まっている日数の話であって、応募しようとしている本人が休める日数の話ではないからです。

先に結論:休日欄には「現場が閉まる日」と「その人が休める日」を、分けて書く

先に答えを言います。

施工管理の求人票の休日欄は、2階建てで書いてください。

  1. 現場の話:現場が閉まるのは4週で何日か。土日か、日曜だけか。祝日はどうなっているか
  2. その人の話:去年、その現場にいた社員の年間休日は実績で何日だったか。閉所日に出たとき、その分はどうやって戻しているか

ほとんどの求人票は、1だけ書いて終わっています。そして経験者が本当に知りたいのは、2のほうです。

ここを分けて書いた求人票は、それだけで他社と違って見えます。難しいことは一つもなくて、すでに社内にある事実を、そのまま2行に分けて書くだけです。

なぜ分けるのか。国も、業界団体も、最初から別々に数えているから

「そんな細かい話、求職者は気にしていないのでは」と思われるかもしれません。

ところが、この区別は現場の肌感覚の話ではなく、制度としてはっきり分かれています。

国土交通省が休日確保の考え方を整理した資料に、目指すべき休日の形態が3つ並んでいます(港湾工事の工期設定をめぐる検討資料ですが、休日の形態の整理としていちばん明快なので引用します)。

  • 週休2日:1週間のうち土日祝日(又は当週中の振替日)の2日以上について建設現場等を閉所すること
  • 4週8閉所:4週間のうち当該期間に含まれる土日祝日に相当する日数分について建設現場等を閉所すること
  • 4週8休:建設現場等の閉所によらず、交代勤務体制等により、就業者個人ベースで週休2日(4週8休)を確保すること

(出典:国土交通省「休日確保の考え方について」)

読んでいただくと分かるとおり、上の2つは建設現場等を閉所することと書いてあります。数えている対象が現場なんです。3つ目だけが就業者個人ベース、つまり数えている対象が人になっている。

国の側も、最初から「現場を閉めること」と「人が休めること」を別の指標として置いている、ということです。

閉所日に人が出ていても、閉所日として数えられる

もう少し踏み込みます。

日本建設業連合会、いわゆる日建連は、会員企業の現場の閉所状況を半年ごとに調べています。その調査で使われている閉所の定義が、これです。

  • 閉所定義:主たる作業を実施していない状況を指す(例えば、機器のメンテナンス作業のみを行う日、材料の搬出入のみを行う日、保安担当者のみが出勤する日などは閉所日としてカウント)

(出典:一般社団法人日本建設業連合会「週休二日実現行動計画 2025年度上半期フォローアップ報告書」2025年12月19日)

保安担当者のみが出勤する日も、閉所日としてカウントされます。

同じ港湾局が出している試行工事の資料には、もう一歩踏み込んだ整理があります。休日は現場閉所単位での確認を基本としつつ、現場特性により受発注者協議のうえ個人単位での確認とすることができる、とされたうえで、閉所日に品質確保や安全確保にかかる軽微な作業などでやむを得ず少数の出勤者が生じた場合は、その出勤者について4週8休が確保されていれば閉所したものとみなす、という整理です(出典:国土交通省港湾局「休日確保評価型 試行工事について」)。

つまり、制度の側が「閉所日に誰かが出ること」を、はじめから織り込んで設計されている。

これは制度が甘いという話ではありません。現場を回すうえで現実的だからそうなっているだけです。ただ、採用の場面ではこれが効いてきます。

日建連は、社員個人の休みを別の調査に切り替えている

さらに決定的なのが、日建連が2025年度から調査のやり方を変えていることです。同じ報告書に、こう書かれています。

  • 作業所勤務社員の「4週8休」調査に代えて、「年間休日日数」調査を実施する

現場の閉所率とは別に、作業所に勤めている社員が実際に何日休めたのかを、年間休日日数という別の物差しで測りにいっている。しかも4週8休という区分をやめて、年間休日日数に置き換えている。業界のど真ん中にいる団体が、社員の休みを測る物差しのほうを作り直しているわけです。

ここまで来ると、もうお分かりだと思います。求人票に「4週8閉所」とだけ書くのは、現場の指標を、人の待遇欄に転記している状態なんです。

経験者は、ここを完全に見抜いています

エージェント時代、施工管理の方の面談で休日の話になると、だいたい同じ流れになりました。

こちらが「この会社は4週8閉所です」と伝える。すると、ほぼ全員がワンテンポ置いて、こう聞き返してくるんです。

「で、自分は休めるんですか」

イヤミでもなんでもなくて、本当に分からないから聞いている。現場が閉まっていた土曜に、事務所で書類と納まりの検討をしていた経験が、たいていの方にあるからです。閉所と自分の休みが一致しないことを、体で知っている。

だから、求人票に現場の話しか書いていないと、読んだ人の頭の中で情報が止まります。良い会社かどうかの判断材料にならないまま、次の求人へ移っていく。

渡辺(弊社代表)がよく言うのは、「他社との違いが分からなかったり、魅力が分からないと、求職者も応募しない」ということです。これは施工管理に限った話ではありません。全部一緒で、伝わらないものは選ばれない。休日欄も、その一部です。

そして渡辺は、不動産営業の自社採用で、媒体を一切変えずに求人票の文面だけを直して応募が増えた経験を何度もしています。そのときに違いを作ったのは、決まって入社後のイメージが浮かぶかどうかでした(この話は不動産の採用ページに必要な4要素に詳しく書いています)。職種は違いますが、読む人が何で判断しているか、という部分は施工管理でも同じです。

休日欄も、同じです。「4週8閉所」からは何のイメージも浮かびません。でも「去年この現場にいた社員の年間休日は実績で103日でした」と書いてあれば、読んだ人は自分の来年のカレンダーを想像できます。想像できた人が、応募ボタンを押します。

休日欄の前に、求人票全体がどういう状態かを知りたい場合は、施工管理の求人票セルフ添削チェッカーに貼ってみてください。休日の書き方を含む12項目で、どこが埋まっていないかが出ます。登録は要りません。

休日欄に書く5つ。この順番で書けば伝わります

では、具体的に何を書くか。5つです。

①年間休日を、去年の実績で書く

いちばん強いのは、制度ではなく実績です。

「年間休日105日(規程)」ではなく、「昨年度、◯◯現場に配属されていた社員の年間休日は実績で103日でした」。この一行の破壊力が、いちばん大きい。

なぜかというと、経験者は制度上の数字を信じていないからです。信じていないというより、制度と実績がズレる職種だと知っている。だから実績で書ける会社が、そのまま珍しい会社になります。

②現場が閉まる日を、具体的に書く

ここで初めて閉所の話をします。

  • 4週8閉所なのか、4週6閉所なのか
  • 土日なのか、日曜と平日1日なのか、日曜だけなのか
  • 祝日は閉めているのか、動いているのか

祝日の扱いは、意外と書かれていません。年間休日の日数が同じでも、祝日が休みかどうかで生活は相当変わります。書いてください。

③閉所日に出た分を、どう戻しているかを書く

3つ目にして、たぶんここが一番効きます。

施工管理の仕事で、閉所日に一度も出ない、というのは現実的ではありません。読む側もそう思っています。だから会社が誠実かどうかは、出ないことを約束できるかではなく、出たときに戻せているかで判断されます。

ここで、制度の名前を正しく使ってください。振替休日と代休は、別の制度です。

内容割増賃金
休日の振替あらかじめ休日と定められた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすること休日が通常の労働日となるため不要(あらかじめ休日と定めていた日に出勤した結果、週の法定労働時間を超える場合は時間外の割増が必要)
代休休日労働の代償措置として、以後の労働日を休日とすること休日労働になるため3割5分の割増賃金が必要

(出典:群馬労働局・高崎労働基準監督署「代休・休日の振替の適正運用について」)

※この3割5分は法定休日に労働させた場合の割増率です。法定休日は毎週少なくとも1回(または4週4日)で、それ以外の所定休日に出た分は時間外労働として扱われます。自社の就業規則で、どの曜日を法定休日にしているかを先に確認してください。

休日の振替を行う場合は、就業規則に振替休日の規程を置くこと、振替休日は特定すること、振替休日は4週4日の休日が確保される範囲のできるだけ近接した日とすること、振替は休日労働を行う前日までに通知すること、この4つの措置が必要とされています(同資料)。

求人票には、自社がどちらでどう運用しているかを一行で書ければ十分です。

  • 振替なら:「閉所日に出勤する場合は、前日までに振替休日を特定して取得します」
  • 代休なら:「閉所日に出勤した場合は、割増賃金を支給したうえで、翌月末までに代休を取得しています」

制度名を正しく書けている求人票は、それだけで「この会社は労務をちゃんと見ている」というシグナルになります。逆に、代休と振替をごちゃまぜに書いている求人票は、経験者から見ると少し不安に映ります。

④現場によって違うなら、違うと書いて、幅を出す

ここで多くの会社が固まります。うちは現場によって全然違うので書けません、と。

書けます。違うことを書けばいいんです。

  • Before(NG):完全週休2日制(※現場による)
  • After(OK):現場によって差があります。直近1年の実績では、年間休日が最も多かった現場で110日、少なかった現場で98日でした。配属先が決まった段階で、その現場の閉所カレンダーをお見せします

幅を出すと不利になると思われがちですが、逆です。幅を隠した求人票は、読んだ人が勝手に下限を想像します。しかも、その想像はたいてい実際より厳しい。自分で出した数字のほうが、必ずマシになります。

そして最後の一文、配属先が決まった段階でカレンダーを見せます、というのが効きます。入社前に確認できると分かるだけで、不安の性質が変わるんですよね。

⑤休みの日に呼ばれることがあるかどうかを書く

施工管理の方が本当に気にしているのは、ここです。

休みの日に電話が鳴るのか。立会で呼ばれることがあるのか。あるなら、年に何回くらいなのか。

ありませんと書ける会社は、そう書けばいい。あるなら、頻度と、そのときの扱い(代休か、手当か)を書いてください。あると書いて減る応募より、書かずに入社して辞められるほうが、はるかに高くつきます。施工管理の中途採用は、人材紹介を使えば手数料が200万円台になることも珍しくありません。

実文面:Before / After

実際の求人票の形にしてみます。数字は自社のものに置き換えてください。

Before(NG)

  • 休日・休暇:4週8閉所、年末年始、夏季休暇、有給休暇
  • 完全週休2日制(※現場による)

After(OK)

  • 年間休日:昨年度の実績で103日(社員平均。最も多い現場で110日、少ない現場で98日)
  • 現場の閉所:日曜は全現場で閉所、土曜は月2回程度の閉所です(日建連の分類でいうと4週7閉所にあたります)
  • 祝日:原則として閉所しています(工程の都合で稼働する場合は、同じ週内に振替休日を特定して取得します)
  • 閉所日に出勤する場合:前日までに振替休日を特定して取得します。急な出勤となった場合は割増賃金を支給したうえで、翌月末までに代休を取得しています
  • 休日の呼び出し:緊急時の連絡当番が月1回あります(当番日に出動した場合は代休)
  • 長期休暇:年末年始6日、夏季5日。有給休暇は昨年度の平均取得日数が11日でした
  • 配属先が決まった段階で、その現場の年間閉所カレンダーをお見せします

長いと思われたかもしれません。でも、読む側はこの欄を読むために求人を開いているんです。ここを削って、代わりに「アットホームな職場です」が入っている求人票が、いくらでも並んでいます。

その中で、この7行が並んでいたらどう見えるか。想像していただけると思います。

求人票全体の組み立ては施工管理の求人票の書き方に、やりがちな地雷は施工管理の求人票でやりがちなNGにまとめてあります。

「うちは4週8閉所じゃない」という会社へ

ここまで読んで、手が止まった方もいると思います。うちは4週6閉所だ、日曜しか閉められていない、と。

ここで、2つの数字を並べさせてください。現場を閉められている割合と、人が休めている割合です。

まず、閉所のほう。先ほどの日建連の調査では、4週8閉所以上が全体で66.4%、土木75.8%、建築57.4%でした。ただ、この調査の対象は請負金1億円以上かつ工期4ヶ月以上の事業所で、回答したのは日建連の会員141社のうち95社、対象は11,590現場です(同フォローアップ報告書)。大きな現場の数字だ、ということです。

次に、人のほう。国土交通省の調査では、4週8休(週休2日)以上を確保できている割合が、公共工事の受注がほとんどの企業で技術者33.8%・技能者38.0%、民間工事がほとんどの企業で技術者11.1%・技能者15.1%でした。いずれも最も多いのは4週6休程度です(出典:国土交通省「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」令和5年度。同調査が示す調査時点の数字です)。

この2つを並べると、話がはっきりします。現場を閉める取り組みはここまで進んでいるのに、そこで働く一人ひとりの休みは、まだそこまで追いついていない。

この記事でずっと書いてきた「閉所と個人の休みは別物」が、業界全体の数字としても出ているわけです。休日データを前提にした選考日程の組み方は施工管理の面接日程の組み方にまとめています。

そして、いま求人票を読んでいる施工管理の方の多くも、この数字の中にいます。4週8休を確保できていない側にいる人のほうが、はるかに多い。

だから、4週6閉所であること自体は、致命傷になりません。致命傷になるのは、それを隠したまま「完全週休2日制」と書いて、入社後に違ったときです。そこで失うのは、その1人だけではありません。同じ地域の施工管理の世界は狭いので、話は伝わります。

4週6閉所の会社が書くべきことは、こうです。

  • 現状を数字で書く(4週6閉所、年間休日は実績で◯日)
  • そのうえで、一人あたりの負担をどう減らしているかを書く(掛け持ち現場数の上限、書類を巻き取る担当がいる、監理技術者補佐を置いている、など)
  • 変えようとしている途中なら、その中身と時期を書く(来年度から全現場で第2・第4土曜を閉所にします、など)

2つ目が大事です。渡辺が施工管理の採用を見ていて言うのは、定着している会社は一人への負担を減らしている会社が多いということでした。休日の日数そのものより、一人で抱える量が効いている。であれば、日数で勝てない会社は、そこで書けばいいんです。

定着の話は施工管理の若手が辞める理由のほうに詳しく書きました。

やりがちなNG、4つ

NG①:「完全週休2日制(※現場による)」

このカッコ書きは、実質的に何も約束していない、と読まれます。しかも読む側は、カッコの中を最大限に厳しく解釈します。書くなら、カッコを外して実態のほうを書いてください。

NG②:「4週8休」と「4週8閉所」を混ぜて書く

意味が違います。前者は個人、後者は現場です。両方書いてある求人票で、両方の数字が揃っていないと、読んだ人は「どちらが本当なんだろう」で止まります。自社が実際に管理しているほうを、主にして書いてください。

NG③:法定の下限を、待遇として書く

労働基準法第35条は、使用者は労働者に対して毎週少くとも一回の休日を与えなければならない、と定めています。そして第2項で、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない、とされています(出典:e-Gov法令検索「労働基準法」)。

これは下限です。ここを満たしていることを求人票で強調しても、待遇としては伝わりません。守っていて当たり前の線を魅力として書くと、逆に「ここしか書けることがないのか」と読まれます。

NG④:そもそも書かない、ぼかす

念のため触れておくと、休日を書かないという選択肢はありません。職業安定法第5条の3第1項は、労働者の募集にあたって、従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない、と定めています。そして職業安定法施行規則第4条の2第3項第4号で、明示すべき事項として始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項が挙げられています(出典:e-Gov法令検索「職業安定法」「職業安定法施行規則」)。

明示が要る項目なんです。どうせ書くなら、伝わる書き方にしたほうが得です。

なお、内定後に出す労働条件通知書での休日の書き方は、施工管理の労働条件通知書に別途まとめてあります。求人票と通知書で書きぶりが食い違うと、そこで一気に不信になるので、セットで揃えてください。

そのまま使えるチェックリスト

いま出している求人票の休日欄を開いて、上から確認してみてください。

  • 年間休日を、規程の数字ではなく去年の実績で書いている
  • 現場が閉まる日(4週何閉所か、土日か日曜だけか)を具体的に書いている
  • 祝日を閉めているかどうかを書いている
  • 閉所日に出勤したときの扱いを書いている
  • 振替休日と代休を、正しい意味で使い分けて書いている
  • 現場によって差があるなら、隠さず幅(上と下の実績)を出している
  • 配属後に閉所カレンダーを見せる、と書いている
  • 休みの日の呼び出し・連絡当番の有無を書いている
  • 有給休暇を「あり」で済ませず、平均取得日数を書いている
  • 「完全週休2日制(※現場による)」というカッコ書きを使っていない
  • 求人票と労働条件通知書で、休日の書きぶりが一致している

全部いっぺんにやる必要はありません。上から3つが埋まっていない状態なら、まずそこだけ直してください。この3つは、今日中に社内の誰かに聞けば分かる事実のはずです。

よくある質問

Q1. 年間休日を現場ごとに集計していません。実績はどこから数えればいいですか。

2つ突き合わせれば出ます。勤怠の記録と、その現場の閉所カレンダー(または週間工程表)です。

そして、全現場をやろうとしないでください。まずは1現場だけでいいです。去年いちばん人が入れ替わった現場か、いちばん長く動いていた現場、どちらかを選んで、その現場にいた人の休んだ日数を数える。ここが出れば、求人票に書ける一行になります。

完璧な社内統計を作ろうとすると、だいたい止まります。1現場の実数のほうが、精度の高い平均値より読者には届きます。

なお、規程より実績が少なくて書きにくい場合は、ズレている理由を1行添えるだけでも印象が変わります。「昨年度は◯◯の工期がタイトで、実績が規程を下回りました」と書いてある求人票を、私は嫌いになれません。

Q2. 現場ごとに閉所日がバラバラで、代表値が出せません。

代表値を出さなくていいです。上と下の実績を出してください。「最も多い現場で110日、少ない現場で98日」の形です。

平均値を作ろうとすると手が止まりますが、去年いちばん休めた現場といちばん休めなかった現場なら、思い出せるはずです。読む側も、平均より幅のほうが判断しやすい。

Q3. 「4週8閉所」と書いてある他社の求人と、正直に書いたうちの求人が並んだら負けませんか。

短期的には、目を引く回数で負けることがあります。ただ、並んだあとに起きることが違います。

経験者ほど、閉所と自分の休みが別物だと知っているので、「4週8閉所」の5文字を見ても判断を保留します。保留したまま、より情報が多いほうを開く。ここで選ばれるのは、数字が大きい求人ではなく、具体が多い求人です。

それに、盛った条件で来た人は、盛られていたと分かった時点で辞めます。採用の勝ち負けは応募数ではなく、残った人数で数えたほうがいいと思っています。

Q4. 当番制を敷いていなくて、休みの日の連絡が特定の人に寄っています。何と書けばいいですか。

まず、実際に誰の電話が鳴っているかを確かめてください。当番表が無い会社の連絡は、たいてい一人か二人に寄っています。そこを見ずに「呼び出しは基本ありません」と書くと、寄せられている本人が先に辞めます。

書き方は2択です。当番制にできるなら、先に当番制にしてから「連絡当番が月1回あり、当番日に出動した場合は代休を取得」と書く。まだできないなら、実態のまま「緊急時の連絡は現場の担当に入ります。月に◯回程度です」と書く。どちらにしても、書いた瞬間に社内の決めごとが1つ増えます。それが本当の効き目です。

そして、こう書けている会社は強いです。前職で当番が週1回あって代休も無かった人から見ると、月1回+代休は明確に良い条件だからです。条件は絶対値ではなく、前職との比較で読まれます。書かないと、その比較の土俵に乗れません。

Q5. 求人票を直すのと、休日制度そのものを変えるのと、どちらが先ですか。

求人票が先です。制度を変えるには工程と受注と人員の話が必要で、早くても年単位になります。その間、採用を止めるわけにはいきません。

そして、求人票を直す作業は制度を変えるための下ごしらえにもなります。年間休日の実績を現場ごとに出す、閉所日の出勤がどれくらい戻せているかを数える。この2つをやると、自社のどこが詰まっているかが数字で出ます。採用のために作った資料が、そのまま働き方の資料になる。無駄にはなりません。

おわりに

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

休日欄って、求人票の中でいちばん事務的に埋める場所だと思われています。テンプレートがあって、去年のものをコピーして、日付だけ直して出す。

でも、読む側にとってここは、来年の自分の生活が書いてある欄なんですよね。土曜の朝に子どもと一緒にいられるのか、平日の夜に資格の勉強ができるのか。それを読み取ろうとして、この欄を何度も見ている。

お見合いで条件表を渡すときに、年収の欄だけ丁寧に書いて、休みの欄を「相談」の2文字で済ませたら、相手はどう思うか、、という話だと思っています。隠しているように見えるか、考えていないように見えるか、どちらにしても良いほうには転びません。

施工管理の採用がうまくいく理屈は、他の職種と全部一緒です。伝わるものが選ばれて、伝わらないものは選ばれない。休日欄も例外ではないです。

自社の休日は、たぶん、いま書いてあるより良いはずです。ちゃんと書いてあげてください。

施工管理の採用を最初から通しで見直したい方は、施工管理の採用 完全ガイドからどうぞ。年収と手当の見せ方は施工管理の年収・資格手当の書き方にまとめています。


濱名勇輝/元・不動産特化の人材紹介エージェント(株式会社Jingas COO)。エージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担当。採用の現場を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきました。

濱
濱名 勇輝
元・不動産特化の人材紹介エージェント/株式会社Jingas COO

不動産に特化した人材紹介のエージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担ってきました。採用を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきた立場で、「なぜ応募が来ないのか」「なぜ決まらないのか」を、きれいごと抜きで書いています。

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