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施工管理の年収・資格手当、損しない見せ方【相場・モデル年収つき】

2026.07.11読了 約11分

こんにちは、株式会社Jingasの濱名です。

「うちは決して安い給料じゃないのに、施工管理の応募がなかなか来ないんですよね、、」

建設会社の経営者や採用担当の方とお話ししていると、けっこうな頻度でこう言われます。給与テーブルを見せてもらうと、確かに悪くない。

むしろ地域では上のほう、ということも珍しくありません。それでも、応募が来ない。

だから最初は、私もそう受け取っていました。施工管理は人手不足だから、そもそも動く人が少ないんだ、と。

ところが、同じエリアで同じくらいの待遇を出しているのに、ちゃんと採れている会社がある。ここで引っかかるんですよね。

待遇が同じで結果が違うなら、差は待遇の外にあるはずです。

人材紹介の現場で、施工管理の求人票を数えきれないほど見てきて、一つだけ確信していることがあります。応募が来ない会社の多くは、待遇が悪いのではなく、待遇の「見せ方」で損をしている。

施工管理も、その例外ではありませんでした。

施工管理は、工程・品質・安全・原価を一人で背負う、代わりのきかない仕事です。それだけに、求人票での見せ方がもったいないと、優秀な人ほど静かに他社へ流れていってしまう。

今日は、施工管理の年収相場を押さえた上で、「損しない」見せ方を3つの基準でお話しします。数字は必ず出典をつけて、盛らずにいきますね。

結論:施工管理の待遇は「いくら出すか」より「どう見せるか」

先に答えを言うと、施工管理の求人で損しないための基準は、次の3つです。

  1. 経験年数別のモデル年収を出す(広すぎるレンジで逃げない)
  2. 施工管理技士の資格手当を「年間換算」と「役割の価値」で見せる
  3. トップ1人の数字を、平均のように載せない

この3つを外すと、いくら実態が良くても求職者の目には正しく届きません。逆に、押さえるだけで、同じ待遇のまま応募の質が変わる。

お金を一円も足さずに、です。

まず相場を知る(施工管理はどのくらい?)

自社の待遇は良いほうだ——そう感じていても、その「良い」が何と比べての良いなのか、案外あいまいだったりします。まずは自社が相場のどこにいるかを知らないと、見せ方の話も始まりません。

ここは私の紹介現場の肌感ではなく、公開されている一般的な水準として押さえておきます。

建築施工管理技術者の平均年収は、679.1万円です(出典:厚生労働省 job tag「建築施工管理技術者」の平均年収/令和7年 賃金構造基本統計調査)。ここに、経験年数と保有資格(施工管理技士の1級・2級)が大きく効いてくるのが、この職種の特徴で、実額は地域・工種・会社規模で差が出ます。

経験年数別のざっくりしたモデル感を、表にするとこうです。あくまで一般的な目安なので、自社の実額に置き換えて使ってください。

経験の目安モデル年収の目安よくある保有資格
未経験〜3年目350〜450万円資格取得を目指す段階
中堅(3〜10年)450〜600万円2級施工管理技士
ベテラン・所長クラス600〜800万円超1級施工管理技士・監理技術者

(平均年収の水準は厚生労働省 job tag「建築施工管理技術者」で679.1万円/令和7年 賃金構造基本統計調査。上表は経験年数別の目安で、実額は地域・工種・会社規模で差があります)

この表を眺めていると、一番下の段の「600〜800万円超」を、つい大きく載せたくなります。資格と経験で年収の階段がここまではっきり分かれる職種は、そう多くありませんから。

でも、、その上限だけを掲げた瞬間に、落とし穴が口を開けます。

基準①:経験年数別の「モデル年収」を出す

では、上限を大きく見せれば夢があっていいのか。多くの求人票が、まさにそう考えて書かれています。

Before:「年収350万〜900万円」

一見すると幅があって夢がありそうですが、求職者は上限を信じません。むしろ「下限しか見ない」んです。

年収900万円は所長クラスの一部、自分が入ったら350万円かもしれない、、と身構える。これでは、幅を持たせたことがそっくり逆効果になってしまいます。

婚活で例えるなら、「年収は350万から900万のどこかです」と自己紹介しているようなもの。聞いた相手は、安心するどころか不安になりますよね。

大事なのは幅を見せることではなく、「あなたが入ったら、何年後にいくらになるか」を具体的に想像させることです。

After:「未経験入社2年目・年収420万円/2級取得後・5年目480万円/1級取得・現場代理人クラス650万円。あなたの経験なら、想定は◯◯万円スタートです。」

こう書くと、求職者は自分の未来を年収ベースで思い描けます。レンジで逃げるのではなく、階段を見せる。

ただこれだけで、応募のときの納得感がまるで変わります。

基準②:資格手当は「年間換算」と「役割」で見せる

施工管理という職種の強みは、資格が待遇に直結することです。それなのに、この一番おいしい部分を月額のまま小さく書いて、埋もれさせている求人票がとても多い。

一般的に、施工管理技士の資格手当は、2級で月数千円〜1万円台、1級ではそれより厚くなる、という設計の会社が多いと言われています(金額は会社ごとに大きく異なる参考値です)。これを月額表記のままにせず、年間換算で見せてあげてください。

  • 2級施工管理技士手当 月1万円 → 年12万円
  • 1級施工管理技士手当 月2万円 → 年24万円

同じ手当でも、年24万円と書かれると、受け取る側の実感がぐっと変わります。さらに施工管理で強いのは、手当の「金額」だけでなく「役割の価値」も一緒に伝えること。

とくに1級施工管理技士は、監理技術者として一定規模以上の現場を任される資格です。これは会社の受注そのものに関わる価値なので、「取れば手当がつく」だけでなく「取れば任される現場が変わる・キャリアが上がる」という文脈で見せると、資格を持つ人にも、これから取る人にも刺さります。

嘘をつかずに、事実を求職者の物差し(=年収とキャリア)に翻訳してあげる。これだけで、同じ手当がずっと魅力的に伝わるんですよね。

基準③:残業・休日を「正直な数字」で見せる

年収の話をしていると、必ず返ってくる問いがあります。「結局、施工管理はきついんでしょ?」——求職者、とくに経験者ほど、年収と同じ熱量でここを見ています。

というのも、建設業では2024年4月から時間外労働の上限規制が本格的に適用されるようになり、働き方への意識が業界全体で高まっているからです(出典:厚生労働省「建設業の時間外労働の上限規制」2024年4月適用)。

他社の施工管理からの転職者は、「残業は実際どれくらいか」「週休二日は本当か」を、かなりシビアに見ています。

だからこそ、「4週8休」「年間休日◯日」「残業月◯時間」を数字で正直に書ける会社は、それ自体が強力な武器になります。逆に、ここを「完全週休二日(※現場による)」のように濁すと、経験者ほど「あ、実際は違うな」と見抜いて離れていく。

良い数字なら堂々と、まだ道半ばなら「今こう改善している」と正直に。晒すほうが、結局は信用されます。

やりがちなNG(損している見せ方)

  • 上限だけを大きく見せる:「年収900万円可能!」——これがトップの所長1名の数字だと、入社後に「話が違う」となり、早期離職につながります。使うなら、経験年数別のモデルで。
  • レンジが広すぎる:「年収350〜900万円」。求職者は下限しか信じません。経験と資格でモデルを刻みましょう。
  • 資格手当を月額で埋もれさせる:「1級手当あり」で終わらせず、年間換算と「任される現場の変化」まで。
  • 残業・休日を濁す:「※現場による」は不信のもと。数字で正直に書けることが差別化になります。

心当たりのある行がひとつでもあったなら、直すべきは待遇そのものではなく、その一行の書き方です。

早見表:損しない施工管理の見せ方

項目損する見せ方損しない見せ方
年収「350〜900万円」経験年数別のモデル年収3段階
資格手当「1級手当あり」「1級手当 年24万円+任される現場が変わる」
実績年収所長1名の900万円各層のリアルな平均・モデル
残業・休日「※現場による」「4週8休・残業月◯時間」を数字で

左の列に一つでも寄っているなら、まだ伸びしろがあるということです。右へ一項目ずつ寄せていくだけで、同じ待遇の求人票が別物に見えてきます。

よくある質問

Q. 正直、若手のモデル年収がそこまで高くありません。 A. 無理に数字を盛る必要はありません。大事なのは、額の大きさより「上がっていく道筋」が見えることです。

「2年目420万→2級取得で◯万円アップ→1級で現場代理人◯万円」と、資格と経験で上がる階段を正直に見せてください。施工管理は昇給の理由が資格でハッキリしているぶん、道筋を描きやすい職種です。

Q. 資格手当を明記すると、無資格の応募者が減りませんか? A. むしろ逆で、これから取りたい人に効きます。「入社後、1級取得を会社が支援。取得後は手当◯万円と、監理技術者として任される現場が変わります」と書けば、資格を武器にキャリアを上げたい人が集まります。

手当は「今持っている人」だけでなく「これから取る人」へのメッセージでもあります。

Q. 経験者と未経験で、見せ方は変えるべきですか? A. 変えたほうがいいです。経験者には「資格手当・任される現場の規模・裁量」を、未経験には「入社後のモデル年収と、資格を取って上がっていく道筋」を前に出します。

1枚の求人票で両方に良い顔をすると、どちらにも刺さりません。未経験の施工管理を採るための求人票の書き方は、育成ステップつきで別の記事にまとめてあります。

最後に

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

最初の「うちは決して安い給料じゃないのに、、」に戻ります。あの一言の原因を待遇の額そのものに置いている限り、正直、景色はなかなか変わりません。

施工管理の待遇は、上げるだけがすべてではないんです。今ある年収・資格手当・休日を、求職者の物差しに正しく翻訳してあげるだけで、応募は変わります。

まずは自社の求人票を開いて、「年収は広すぎるレンジで逃げていないか」「資格手当は年間換算と役割で見せられているか」の2つだけでも、今日チェックしてみてください。損しない求人票に、一緒にしていけたらと思っています。

濱
濱名 勇輝
元・不動産特化の人材紹介エージェント/株式会社Jingas COO

不動産に特化した人材紹介のエージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担ってきました。採用を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきた立場で、「なぜ応募が来ないのか」「なぜ決まらないのか」を、きれいごと抜きで書いています。

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