こんにちは、株式会社Jingasの濱名です。
今日は、売買仲介の求人票の「休日欄」の話をしたいです。
休日休暇:水曜定休、他1日(シフト制)/週休2日制/夏季休暇・年末年始休暇・有給休暇
売買仲介の求人票で、たぶんいちばん多い休日欄がこれ。去年の求人票からコピーして、そのまま出している会社も多いと思います。
間違ったことは書いていません。ただ、これを読んだ候補者は、休みについて何も分からないままなんですよね、、。
先に結論:土日に休めない分、休日欄は数字と中身で書く
先に答えを言うと、売買仲介の休日欄に書くのはこの5つです。
- 年間休日の日数(規程の日数に、去年の実績を添えて)
- 固定の休みの曜日と、もう1日の決まり方
- 連休の日数(GW・夏季・年末年始)
- 休みの日に、お客様からの電話をどう扱うか
- 有給休暇の取り方と、取れている日数
売買仲介は、お客様が動く土日に休めません。これは変えられませんし、候補者も最初から分かっています。
だから、勝負は土日の外側にあります。年に何日休めるのか、平日の休みが毎週どう決まるのか、休みの日が本当に休みなのか。そこを書いた求人票と書いていない求人票が並んだら、候補者がどちらを開くかははっきりしています。
候補者は、休日の条件で絞り込んでから求人を見ています
まず、候補者がどうやって求人を探しているかを確認しておきます。
dodaやマイナビ転職、リクルートエージェントの求人検索には、「年間休日120日以上」という絞り込み条件があって、dodaには「土日祝休み」の条件もあります。
条件で絞り込むと、並ぶのは条件を満たす求人だけです。
売買仲介は、「土日祝休み」で絞った人の画面にはまず出てきません。ここは諦めるしかないところです。
でも「年間休日120日以上」のほうは違います。平日休みでも、年間の日数が届いていて、それを求人票に書いていれば、絞り込んだ人の画面に並べます。逆に、会社カレンダーでは120日以上ある会社でも、求人票に日数を書いていなければ、その画面には入れません。
これは給与と同じ構造です。月給が一定の水準を下回ると求人サイトの絞り込みから漏れる話を、不動産営業の年収・歩合の見せ方で書きました。休日も、書いていない数字では検索に引っかからない。条件を良くする前に、持っている条件を拾われる形で書く。ここからです。
「不動産だから休みが少ない」は、統計で見るともう通りません
社長とお話ししていると、「うちは不動産だから、休みが少ないのは候補者も分かってるよ」と言われることがあります。
ここは数字で確かめておきたいです。
厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」では、令和6年1年間の年間休日総数を産業別に出しています。「不動産業,物品賃貸業」の数字はこうでした。
| 項目 | 不動産業,物品賃貸業 | 全産業(調査産業計) |
|---|---|---|
| 1企業平均の年間休日 | 116.6日 | 112.4日 |
| 年間休日120〜129日の企業の割合 | 52.4% | 37.3% |
| 年間休日100〜109日の企業の割合 | 24.0% | 27.9% |
| 主な週休制が「完全週休2日制」の企業 | 74.6% | 65.5% |
出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」(第6表・第2表/e-Stat、結果の概況)
この調査で見る限り、不動産業の年間休日は全産業の平均より多く、半分を超える企業が120日以上です。
ただし、読み方に注意が2つあります。
1つ目は、常時30人以上の企業が対象の調査だということ。社員が十数人の仲介会社は、この数字に入っていません。2つ目は、物品賃貸業(リースやレンタル)と一緒の区分だということ。売買仲介だけの数字ではないんですよね。
なので「売買仲介の平均は116.6日です」とは言えません。言えるのは、候補者が求人サイトで比べている相手には、年間休日120日以上の会社がたくさん並んでいるということです。比べる相手は同業の売買仲介だけではありません。同じ画面に出てくる、あらゆる営業職の求人です。
「不動産だから分かってくれる」は、候補者の側にはもう前提になっていません。
経験者と未経験者で、休日欄の読み方が違います
売買仲介の求人を見る人は、大きく2種類います。休日欄の読み方が、かなり違います。
売買仲介の経験者は「水曜」の先を読んでいる
経験者にとって、水曜休みは当たり前です。そこは読み飛ばします。
見ているのは、その先です。
- 年間休日は何日か(今の会社と比べて増えるのか)
- もう1日の休みは、固定なのか、毎月シフトで決まるのか
- 休みの日に、自分の携帯にお客様から電話が来る会社なのか
経験者は、今の会社の休み方と1行ずつ並べて読みます。休日が多いか少ないかは、今いる会社が物差しです。物差しを当てる数字が無い求人票は、当てられる求人票に負けます。
異業種から来る人は「土日に休めない生活」を想像できない
未経験・異業種から来る人の多くは、土日休みの会社にいます。
この人たちにとって、「水曜定休、他1日シフト制」は、生活がどう変わるのかが読み取れない一文です。読み取れないものは、不安として残ります。
ここで大事なのは、ごまかさないことです。
「土日は出勤です。そのかわり、毎週水曜と火曜が休みです」
こう先に書いてしまったほうが、相手は安心します。中小の会社が大手に勝てるとしたら、こういう正直さ(透明性)のところだと、私はずっと思っています。成長が速い分だけ仕組みがまだ整っていない、ということも正直に言える会社は強いです。休日も同じです。
未経験者の採り方そのものは未経験の不動産営業を採る求人票の書き方にまとめているので、あわせて読んでみてください。
「水曜定休」の先に書く5つ
ここからが本題です。冒頭の5つを、1つずつ書き方まで落とします。
①年間休日は、規程の日数に去年の実績を添える
年間休日の欄に書くのは、会社カレンダーで決めている日数(規程)です。求人票は労働条件を示すものなので、ここが土台になります。
そのうえで、去年1年で実際に何日休めたかを横に添えてください。規程が110日でも、繁忙期の休日出勤で実際は104日だった、ということは売買仲介ではよくあります。逆に、規程どおり休めているなら「実績も110日」と書くだけで、数字の信用が上がります。
実績は、カレンダーではなく出勤簿で数えます。カレンダーに載っているのは予定の休みで、実際に休めた日ではないからです。
1つ注意があります。年間休日に有給休暇は入れません。有給は別の行に書いてください。混ぜると、入社後に「思っていたより休めない」で信頼を失います。
②固定の曜日と「もう1日」の決まり方を書く
売買仲介でいちばん多いのが「水曜+もう1日」です。候補者が知りたいのは、もう1日の決まり方です。
- 毎週固定(例:水曜・火曜)
- 毎月シフトで決まる(例:前月20日までに希望を出して決定)
- 週によって変わる(例:月に1回は木曜に振り替え)
どれでも構いません。どれなのかが書いてあることが大事です。「他1日シフト制」だけだと、毎週バラバラなのか、ほぼ固定なのかが分かりません。
③連休の日数を書く
不動産会社は、GWや夏季、年末年始にまとめて休む会社が少なくありません。ここは平日休みの弱みを埋められる、数少ない武器です。
「夏季休暇あり」ではなく、「夏季休暇:5連休(2025年は8月13日〜17日)」まで書いてください。日数と日付があるだけで、旅行や帰省の予定が立つ求人に見えます。
④休みの日の電話をどう扱うかを書く
売買仲介では、お客様が担当者の携帯に直接連絡してくることがよくあります。休みの日でもです。
候補者、特に経験者は、ここをいちばん気にしています。なのに、求人票に書いてある会社はほとんどありません。
書き方は、会社のやり方に合わせて選んでください。
- 「休日は社用携帯を事務所へ転送。急ぎの用件は出勤している営業が対応し、翌営業日に共有します」
- 「休日の対応は当番制(月1回)。当番日に対応した分は、別の日に休みを取れます」
- 「休日にお客様から連絡が入ることはあります。対応は翌営業日で構わない、と会社として決めています」
3つ目のように、連絡が来ること自体を正直に書くのもありです。来るのに「休日の電話なし」と書くのがいちばん良くない。入社した週にバレます。
⑤有給は「取れた日数」で書く
「有給休暇あり」は法律上あって当たり前なので、何も伝わりません。
書くなら、去年の営業職の取得率(取得した日数÷付与された日数)です。参考までに、前出の令和7年就労条件総合調査では、労働者1人あたりの付与日数が18.1日、取得日数が12.1日で、取得率は全体で66.9%、不動産業,物品賃貸業で65.5%でした。数えてみて、ここに近いか上回っていれば、書く価値があります。日数で比べないのは、入社1年目の人と勤続の長い人では付与される日数が違うからです。
実文面:Before / After
5つを入れると、休日欄はこう変わります。数字は作例です。自社の実績に置き換えてください。
Before(NG)
- 休日休暇:水曜定休、他1日(シフト制)/週休2日制/夏季休暇・年末年始休暇・有給休暇あり
After(OK)
- 休日:毎週水曜・火曜(完全週休2日制)。繁忙期の3月のみ、火曜の休みを月1回まで木曜に振り替えます
- 年間休日:115日(会社カレンダー。面接時にお渡しします)/2025年の実績も115日でした
- 連休:GW 5連休/夏季 5連休/年末年始 6連休
- 休日の電話:社用携帯は休日に事務所へ転送します。急ぎの用件は出勤している営業が対応し、翌営業日にあなたへ共有します
- 有給休暇:入社半年後に10日付与(以降は勤続年数に応じて増えます)。2025年の営業職は、付与された日数の7割を取得しました(連休とつなげて取る人が多いです)
- 土日・祝日:出勤日です。お客様の案内がいちばん多い日なので、チームで動きます
最後の1行が大事だと思っています。土日出勤を、隠すのではなく、仕事の中身として書く。お客様が来る日だから出る、という理由が書いてあると、未経験の人にも納得してもらいやすいです。
Afterの中で、会社の制度を変えたところは1つもありません。数えて、書いただけです。
渡辺(弊社代表)が不動産営業の採用を運用したときも、媒体は替えずに求人票を直しただけで応募が増えました。そのとき直したのは、タイトルと、入社後の働き方が浮かぶかどうかでした(タイトルの話は売買仲介の求人タイトルの付け方に書いています)。休日欄は、働き方が浮かぶかどうかに直結する欄です。
自社の求人票で、休日と残業がちゃんと読める状態になっているか不安なら、求人票セルフ添削チェッカーに今の求人票を貼ってみてください。12項目の中に、休日と残業の記載があるかどうかの確認も入っています。登録なしで、その場で結果が出ます。
「うちは年間休日が少ない」という会社へ
年間休日が105日前後の会社も、売買仲介ではまだ多いと思います。
まず、105日という数字の背景から。労働基準法第32条は、労働時間を1週40時間・1日8時間までと定めています。1日8時間働く会社がこの範囲に収めようとすると、年間休日はおおむね105日前後が下限の目安になります(変形労働時間制や、常時10人未満の不動産業などの事業場に認められる週44時間の特例などを使っている場合は、計算が変わります)。
つまり105日は、多くの会社にとって「法律の範囲に収まる線」に近い数字です。これを待遇の売りとして書いても、候補者には響きません。
では、少ない会社はどう書けばいいか。
日数は正直に書いて、そのかわり、ほかで埋めているものを並べてください。
- 連休をまとめて取れる(夏季・年末年始の日数)
- 残業が少ない(月平均◯時間、と実数で)
- 休みの日の電話が来ない仕組みがある
- 有給が実際に取れている
年間休日で負けていても、この4つで勝っている会社はあります。逆に、日数を伏せて応募を集めても、その人たちは最初の繁忙期を越えられません。半年後に何人残っているかで見れば、伏せた分はそのまま損になります。
制度そのものを見直すなら、求人票を書き直すために数えた実績がそのまま材料になります。どの月に休みが削られているのか、誰の休日に電話が集中しているのか。社長が見直す順番も、そこで決まります。
売買仲介の休日欄でよく見るNG
NG①:「週休2日制」と書いて、実際は隔週
「週休2日制」と「完全週休2日制」は、意味が違います。厚生労働省の就労条件総合調査でも、月3回や隔週、月2回の週休2日制は「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」で、完全週休2日制とは別に数えられています。
毎週2日休めるなら、「完全週休2日制」と書いてください。書かないと、隔週の会社と同じに見えます。逆に、毎週ではないのに「週休2日」とだけ書くのは、入社後のトラブルの元です。
NG②:年間休日を書かない
前の章のとおり、書かなければ「年間休日120日以上」で絞り込んだ人の画面には出ません。会社カレンダーでは120日以上あるのに求人票に書いていない会社が、いちばん損をしているパターンです。
NG③:「シフト制」の4文字で済ませる
シフト制は、決まり方の説明になっていません。誰が、いつまでに、どう決めるのか。1行でいいので書いてください。
NG④:守れない休みを書く
「休日の電話対応なし」「土日休み相談可」。実態と違うことを書くと、面接か入社後のどこかで必ずズレが見えます。
職業安定法第5条の3は、労働者を募集するときに労働時間などの労働条件を明示するよう定めていて、明示する事項には休日も含まれます(職業安定法施行規則第4条の2第3項)。明示が求められている項目なので、書くなら事実を書く。それがいちばん安全で、いちばん強いです。
宅建の試験日は、休みにできますか
宅建試験は日曜に行われます(令和8年度は10月18日)。宅建を持っていない人を採るなら、その日を休みにすることを、休日欄の補足か面接で先に伝えておいてください。受験の段取りは宅建なしで採ったあとの取得支援の記事にまとめています。
そのまま使えるチェックリスト
水曜定休の一文だけで終わっていないか、10個で確かめてください。
- 年間休日の日数を、会社カレンダーの規程で書いている
- 去年の実績(出勤簿で数えた日数)を添えている
- 年間休日に有給休暇を混ぜていない
- 固定の休みの曜日を書いている
- もう1日の休みが、固定かシフトか、どう決まるかを書いている
- 毎週2日休めるなら「完全週休2日制」と書いている
- GW・夏季・年末年始の連休を、日数で書いている
- 休みの日のお客様からの電話の扱いを書いている
- 有給休暇の取得実績(取得率)を書いている
- 土日・祝日が出勤日であることを、理由とあわせて書いている
10個のうち、埋まっていない項目が、候補者が判断を保留している場所です。
よくある質問
Q. 年間休日は、規程の日数と実績のどちらを書けばいいですか。
求人票の労働条件としては、規程(会社のカレンダー)の日数を書くのが基本です。そのうえで、実績が規程と違う場合は「2025年の実績は◯日」と並べて書くと、読む側の判断材料が増えます。実績が規程より少ない場合も、隠さずに書いたほうが、入社後のズレは小さくなります。
Q. 売買仲介で、土日のどちらかを休みにできると書いてもいいですか。
実際にできているなら、書いたほうが強いです。土日のどちらかが休める売買仲介は少ないので、目立ちます。ただし「相談可」のような曖昧な書き方ではなく、「月に1回、土日のどちらかを休めます」のように、回数で書いてください。できないことを書くと、入社後に一番揉める項目になります。
Q. 年間休日が105日です。正直に書くと応募が来なくなりませんか。
絞り込み条件では不利になります。それは事実です。ただ、書かなくても「年間休日120日以上」の画面には出ないので、結果は同じです。書いたうえで、連休の日数・残業の実数・休日の電話の扱い・有給の取得実績で埋めてください。日数を伏せて採った人ほど、最初の繁忙期で抜けていきます。
Q. 休みの日のお客様からの電話を、求人票に書く必要はありますか。
法律上、必ず書かなければいけない項目ではありません。でも、売買仲介の経験者がいちばん気にしているのはここです。書いてある求人票はほとんど無いので、書いた時点で差がつきます。連絡が来ることがあるなら、それも含めて書いてください。
Q. 施工管理の求人票でも、同じ書き方でいいですか。
考え方は同じで、ただ施工管理には「現場が閉まる日」と「その人が休める日」が別にあるという固有の事情があります。施工管理版は施工管理の求人票の休日欄の書き方にまとめています。
おわりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
売買仲介の求人票は、給与や歩合の欄には力が入っているのに、休日欄は去年のコピーのまま、ということがよくあります。でも候補者にとっては、入社したあとの1週間がいちばんはっきり見える欄なんですよね。
恋愛でいえば、「週末は仕事で会えない」を付き合う前に言ってくれる人と、付き合ってから言う人。前者なら、平日の夜に会うとか、まとまった休みに旅行するとか、2人でやり方を考えられます。後者は、言われた時点で信頼が1つ減ります、、。
土日に休めないことは、売買仲介の弱みではなく、ただの前提です。前提を先に言って、そのうえで「年にこれだけ休める」「休みの日はちゃんと休める」を数字で見せる。それができている求人票は、まだ多くありません。
今日はまず、会社カレンダーで年間休日の規程を確かめて、去年の出勤簿で実績を数えてみてください。その2つの数字が、休日欄の1行目になります。
求人票全体を項目ごとに見直したい方は、応募が来る求人票の作り方、売買仲介の採用を最初から通しで見直したい方は、売買仲介の採用 完全ガイドからどうぞ。
濱名勇輝/元・不動産特化の人材紹介エージェント(株式会社Jingas COO)。エージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担当。採用の現場を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきました。