35歳の転職は厳しい?手遅れ?限界説は本当か、転職者の45.5%が賃金アップした統計で確かめる
35〜39歳で転職した人は、賃金が増えた人(45.5%)の方が減った人(24.3%)より多く(厚生労働省 令和6年雇用動向調査)、「35歳で手遅れ」とは言えません。ただし男性は30代後半で転職する人の割合が下がり、2016年の研究も、男性は限界説に近いことが起きていると結論づけました。採用の現場で差がつくのは、経歴や資格より転職理由です。
35歳を過ぎてから、「転職は35歳まで」という言葉が気になるようになった。今の会社にいても給料は上がらない気がする。それなのに36歳、37歳と年を重ねるほど、動くのが怖くなっていく。年齢で線を引く言葉に、自分の選択肢まで決められている気がする。そう感じている方に向けて書きました。
「35歳は限界」「35歳で手遅れ」は本当なのか、動くべきか残るべきか。国の調査と研究、36〜39歳の実例で答えます。
35歳の転職は厳しい?手遅れ?「35歳限界説」は本当?
35〜39歳で転職した人は、賃金が増えた人の方が減った人より多くなっています。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」では45.5%が前の会社より賃金が増え(1割以上35.3%と1割未満10.2%の合計)、減った人は24.3%でした。
35歳の転職は手遅れではありません。厳しくなる面はあっても、年齢一つで決まる話ではありません。
ただし男性は、35歳を過ぎると転職する人の割合が下がります。2016年の研究も、男性については限界説に近いことが起きていると結論づけました。
総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年平均」では、35〜44歳の失業者32万人のうち、仕事につけない理由が「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」人は1万人でした。
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅱ-3(35〜44歳の10歳刻み)
年齢の影響がゼロではありません。厳しくなる点を3つに分けて確かめます。
35歳以上の転職が「厳しい」と言われるのは、なぜ?
1つ目は、転職する人の割合が30代前半より下がることです。
30〜34歳から35〜39歳にかけて、男性は10.3%から7.9%へ2.4ポイント、女性は13.2%から10.5%へ2.7ポイント下がり、その先は下がり方がゆるやかになります。国の統計は5歳刻みのため、35歳ちょうどの変化は分かりません。パート込みの女性は35〜49歳でほぼ横ばいですが、一般労働者の女性に絞ると、30〜34歳の12.1%から35〜39歳の8.7%に下がっています(図4-3)。これは「動いた人の割合」で、決まりやすさそのものではありません。
2つ目は、会社がスキルと年齢も見ていることです。労働政策研究・研修機構の調査(2017年公表)では、正社員の中途採用で求める人物像の1位が「専門分野の一定度の知識・スキルがある人」53.9%で、「若年層の人」も31.7%ありました。
厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」でも、転職者の給料や役職を決めるときに年齢を考えに入れた事業所が45.2%ありました。現場の実感でも、35歳と45歳なら若い方が求められやすく、扱いやすさも理由です。
3つ目は、1年目の年収です。統計でなく現場の見方で、冒頭の45.5%(転職して今の会社にいる人の賃金比較)とは対象が違います。現場では、35歳前後で転職した人の1年目は、固定給が決まっている状態だと下がることが多くなります。インセンティブ(成果に応じた給料)で上がる人も多く、固定給のまま上がるのは同じ職種に移る場合です。
「35歳限界説」は、なぜ言われるようになった?
「35歳限界説」に決まった定義はなく、一般には「35歳を過ぎると転職が難しくなる」という説です。リクルートワークス研究所の戸田淳仁氏は、2016年1月の調査(有効回答4万9,131人)でこの説を確かめました。
結果は男女で分かれました。男性は、35歳を過ぎると会社を辞める人の割合が下がります。ただ、辞めた人に限ると、次の仕事に就けた割合も転職前後の賃金の変化も、30代前半と後半で差はありませんでした。女性は35歳前後で転職行動に差がなく、賃金の変化は30代後半の方が高くなっていました。
編集部の読みでは、限界説の正体は「35歳を過ぎると決まらない」より「35歳を過ぎると動く人が減る」に近いと考えます。論文は、年功で賃金が上がる仕組みでは35歳ごろから転職で賃金が下がりやすい、という経済学の説明も紹介し、賃金の上がり方が平らになって当てはまりにくくなったとしています。2016年の1時点の調査です。2016年の1時点の調査で、今の数字ではありません。
出典:リクルートワークス研究所「Works Review」Vol.11(2016)「『35歳転職限界説』の再検討」
35歳以上の転職者は、減っている?
総務省「労働力調査」で、35〜44歳の転職者(就業者のうち、前の仕事があり、過去1年間に離職した人)を10年前と比べました。人数は2015年の65万人から2025年は55万人に減りましたが、就業者に占める割合は4.3%から4.4%でほぼ同じです。
| 年 | 35〜44歳の転職者 | 就業者に占める割合 |
|---|---|---|
| 2015年 | 65万人 | 4.3% |
| 2025年 | 55万人 | 4.4% |
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅱ-11(男女計)
この10年で、割合は急に減っていません。2025年は25〜34歳の7.1%より低くなっています。
「35歳限界説」は、今の法律でも通用する?
「転職は35歳まで」という線を、今の求人にそのまま書くことは原則できません。2007年(平成19年)10月1日から、募集・採用で年齢を制限することは法律で原則禁止になりました。
ハローワークの説明では、例外を除き、募集・採用では年齢を「不問にしなければなりません」とされています。
今も「35歳まで」と書かれた求人はある?
例外として認められた求人では、あり得ます。その一つが、期間の定めのない雇用で、長く勤めてキャリアを積んでもらうために若い人を募集する場合で、設けられるのは上限年齢のみです。
35歳以上だからこそ評価されることはある?
営業の中には、若いと不安に思われる仕事もあります。採用の現場で見ていると、35歳以上が評価されるのは、これまでの社会人経験と、信頼しやすさです。
自分は動く側か残る側かを先に知りたい方は、後半の「35歳で動いた方がいい人、今は残った方がいい人は?」の5項目へ。今仕事についていない方は、35歳・無職からの転職で空白期間の扱いまで整理しています。
35〜39歳で転職した人の給料は、上がった?下がった?
国の調査は、転職した人に前の会社との賃金の変化を聞いています。雇用動向調査では、35〜39歳で賃金が増えた人の割合は全年齢の40.5%より高く、前の年(令和5年)の38.0%から7.5ポイント上がりました。
| 前の会社と比べた賃金 | 雇用動向調査(令和6年)35〜39歳 | 転職者実態調査(令和2年)35〜39歳 | 転職者実態調査(令和2年)30〜34歳 |
|---|---|---|---|
| 増えた(1割未満を含む) | 45.5% | 40.6% | 48.6% |
| 変わらない | 28.0% | 20.5% | — |
| 減った | 24.3% | 37.7% | 32.8% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表6(前の職場で雇われて働いていて、調査時点で今の会社に在籍している人)、厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」個人調査 表13(不明は省略。30〜34歳の「変わらない」は省略)
減った人は、雇用動向調査で24.3%、転職者実態調査で37.7%と開きがあります。令和6年と令和2年では、調べた年と対象が異なります。どちらも増えた人の方が多いものの、転職者実態調査は40.6%と37.7%で差が小さめです。
30代前半と比べると、条件は悪くなる?
賃金が増えた人は、30〜34歳の48.6%から35〜39歳の40.6%へ8ポイント減ります(転職者実態調査)。それでも、増えた人が減った人(37.7%)を上回る点は変わりません。細かい比べ方は37歳・スキルなしの転職へ。
36〜39歳で年収を上げた人の実例と、統計で分からないこと
36歳も39歳も、国の統計では同じ「35〜39歳」に入り、1歳ごとのデータはありません。移り先の仕事まで見たい方は35歳の転職成功例へ。
36歳の転職は、まだ間に合う?
間に合います。36歳で年収を上げた方の例です。
年収520万円 → 3年目に800万円。
年収300万円 → 2年目に520万円。
現場で一番差がつくのは、経歴や資格より転職理由です。
教員・公務員・自衛隊から移った人は、頑張っても給料が変わらないことを不満に感じていた人がほとんどでした。カフェのような接客の仕事から移った人には、第一印象の良さという強みを持つ人がいました。
37歳・スキルなしでも転職できる?
できます。経歴は変えられなくても、転職理由は準備で変えられます。
年収350万円 → 2年目に530万円。
年収400万円 → 4年目に800万円。
現場で伝えているコツは「抽象化して、具体に落とす」。たとえば保育の仕事なら、「保護者の不安を先回りして聞く」とまとめ、「お迎えのときに毎日一言、その日の様子を伝えていた」と具体に落とします(編集部で作った例です)。持っている力の見つけ方は、37歳・スキルなしの転職で詳しく扱っています。
38歳の転職は遅い?家族に反対されたら?
遅くはありません。38歳で仕事を変えた方の例です。
年収380万円 → 3年目に600万円。
直前の会社に5年以上いた人は、35〜39歳の転職者の43.1%でした(5〜10年未満22.8%と10年以上20.3%の足し算。転職者実態調査 個人調査 表12)。
動く前に考えておきたいのは家族のことです。年収400万円前後の方の場合、家族の反応で多いのは「年収下がるじゃん」「大変なんじゃないの?」でした。家族の反対で動かなかった人は、その後も挑戦できないまま年齢を重ねていました。
39歳は、転職でもまだ30代?
国の統計では、39歳は「35〜39歳」に入り、ここまでの数字がそのまま当てはまります。会社が何歳で線引きしているかを示す公的なデータはないので、「39歳なら大丈夫」とは言い切りません。
年収330万円 → 3年目に550万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
39歳と40歳の違いは?1歳で崖はある?
国の統計は5歳刻みなので、39歳と40歳の1歳の差は分かりません。39歳が入る「35〜39歳」と、40歳が入る「40〜44歳」を、2つの調査で並べました。
| 見るところ | 35〜39歳 | 40〜44歳 |
|---|---|---|
| 1年間に転職して入社した人の割合(男性/女性) | 7.9%/10.5% | 6.8%/10.2% |
| 転職して賃金が増えた人(雇用動向調査) | 45.5% | 45.9% |
| 転職して賃金が減った人(雇用動向調査) | 24.3% | 29.0% |
| 転職して賃金が増えた人(転職者実態調査) | 40.6% | 41.7% |
| 活動を始めて6か月未満で前の会社を辞めた人 | 62.7% | 63.0% |
| 辞めてから1か月未満で次に入った人(離職期間なしを含む) | 61.2% | 57.3% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」図4-1・表6、厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」個人調査 表13・表19・表20(6か月未満の行は「転職活動期間なし」を除く1か月未満〜6か月未満の合計で、割合は転職活動期間なしの人も含む転職者全体に対するもの。1か月未満の行は離職期間なしとの合計で、編集部で足したもの)
表のとおり、増えた人はどちらの調査でも40〜44歳とほぼ同じで、減った人と、すぐ次に入れた人の割合で差が出ます。40歳を前に慌てる必要はないと考えます。40歳からの転職は40歳の転職は厳しい?で詳しく見ています。
30代後半の人は、なぜ辞めて、何で次の会社を選んだ?
自分の都合で辞めた35〜39歳が挙げた理由(3つまで・転職者実態調査)のうち、一番多かったのは「会社の将来に不安を感じたから」の29.1%でした。全年齢の23.3%より高くなっています。
30代後半が会社を辞めた理由で、多いのは?
35〜39歳では、「能力・実績が正当に評価されない」も17.6%と、全年齢の15.3%を上回っています。
上位の将来の不安・労働条件・仕事内容は、どれも賃金(22.9%)より高い割合です。自分の辞めたい理由はどれに近いか、先に確かめておきましょう。今の仕事を辞めるかどうかで迷っている段階なら、35歳で仕事を辞めたいが先に役立ちます。
次の会社は、何を一番の理由に選んだ?
同じ調査で、35〜39歳が今の会社を選んだ一番の理由は「労働条件(賃金以外)がよい」20.4%と「自分の技能・能力が活かせる」20.1%が上位でした(個人調査 表21-2)。「会社に将来性がある」を一番の理由にした人は5.1%でした。
条件で次の会社を選ぶと、どうなる?
現場の見方では、合わずに辞めた人が、条件で見て選んだ次の会社でも合わないことがあります。1社に20年いた人でも、移った先で退職を繰り返すことは少なくありません。「自分のどんな経験が活きる仕事か」を先に決めてから条件を比べる順番をおすすめします。
30代後半の女性の転職は、厳しい?
35〜39歳で転職して入社した人の割合は女性10.5%、男性7.9%でした。雇用動向調査は、20〜59歳のどの年代でも女性の方が高いとしています。
年収330万円 → 3年目に550万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
30代後半の女性の場合、評価されやすいのは細やかさや丁寧さが必要な営業です。
稼げる仕事で残業をまったくしないのは難しく、本当に調整が難しい時期なら、今は見送る判断もあります。子育て中の人は面接で「残業は平気か」と聞かれることがあるので、調整できる範囲を先に決めておけば答えられます。
企業は、35歳以上の転職者の何を見ている?
転職者実態調査の事業所調査では、転職者の給料や役職を決めるときに考えに入れた要素の1位は「これまでの経験・能力・知識」でした。採用するかどうかの基準そのものではありませんが、会社が何を重く見ているかの手がかりになります。
| 給料や役職を決めるときの要素 | 考えに入れた事業所(複数回答) | 最も重視した事業所 |
|---|---|---|
| これまでの経験・能力・知識 | 74.7% | 53.7% |
| 年齢 | 45.2% | 11.9% |
| 免許・資格 | 37.3% | 10.7% |
| 前の会社の賃金 | 25.3% | 6.8% |
| 学歴 | 11.0% | 0.6% |
| 前の会社の役職 | 5.5% | 0.4% |
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」事業所調査 表6・図1(転職者がいる事業所)
資格がないと、評価されない?
資格を最も重視した事業所は10.7%で、経験・能力・知識の53.7%を大きく下回ります。採用の現場で見ると、職務経歴書の内容が薄いのは損です。工夫したことの中身が伝わるように、具体的なエピソードを足して書きましょう。
マネジメント経験がないと、不利?
最初の章で紹介した労働政策研究・研修機構の調査では、「一定度のマネジメントの能力・経験がある人」を求める企業は24.9%、「高度なマネジメント能力・豊富な経験がある人」は9.6%でした。上の表でも、前の会社の役職を最も重視した事業所は0.4%です。
「これまでの経験をどう活かすか」には、どう答える?
37歳の節の「抽象化して、具体に落とす」で答えられます。転職回数が多い人の書き方は、転職回数が多いときの書き方にまとめました。
落ちる人と通る人の転職理由は、何が違う?
選考で落ちる人の転職理由は、「楽をして給料を上げたい」「なんか飽きた」と伝わってしまうもの、どの会社にも言える理由、本音を隠した理由、「大手だから」です。
通った人は、「家族のために選択肢を増やしたい」「稼ぎたい」「成長したい」と、何のためにどう働きたいかを話していました。「給料を上げたい」という本音は、面接でそのまま言って構いません(転職理由はどう伝える?)。面接で落ちる人に多いのは、態度が悪い、暗い、エピソードを用意していないことです(35歳以上の面接で聞かれること)。
30代後半の転職活動は、どのくらいの期間で進む?
35〜39歳の6割が、前の会社を辞めてから1か月未満で次の会社へ入っています(転職者実態調査)。
| 辞めてから次の会社に入るまで | 35〜39歳 | 全年齢 |
|---|---|---|
| 離職期間なし | 31.5% | 26.1% |
| 1か月未満 | 29.7% | 27.6% |
| 1か月以上4か月未満 | 21.9% | 26.2% |
| 4か月以上 | 14.2% | 15.3% |
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」個人調査 表20(1か月以上4か月未満・4か月以上は、区分の割合を編集部で足したもの。不明は省略)
在職中に動く?辞めてから動く?
基本は、在職中に動く方が良いと見ています。上の表のとおり、35〜39歳の約3人に1人は離職期間なしで次の会社に移りました。一方で、4か月以上かかった人も14.2%います。
35歳で動いた方がいい人、今は残った方がいい人は?
動くか残るかは、年齢より今の会社での見通しで決めます。迷ったら、次の5つを確かめてください。編集部の目安です。
- 今の会社は、頑張っても給料が変わらない仕組みになっていないか
- 辞めたい理由を、「楽をして給料を上げたい」「なんか飽きた」以外の言葉で説明できるか
- 自分の経験のどれが次の仕事で活きるか、「抽象化して、具体に落とす」で1つ挙げられるか
- 家族に、決める前の段階で相談できているか
- 残業や働き方で、どこまで調整できるかを決めているか
動いた方がいいのは、どんな人?
今の会社で、これから上がり幅がない人です。頑張っても給料が変わらない仕組みの中にいて、もっと稼ぎたい、成長したいという気持ちがあるなら、動いた方がいい側に入ります。
今は残った方がいいのは、どんな人?
すでに十分な年収があり、なんとなく転職したい人は、移らない方がいいでしょう。子育て中で本当に残業が難しい人も、今は無理をしない方がよい場合があります。人と関わるのが嫌な人、家で仕事をしたい人、ゆったり働きたい人は、成果が給料に反映される営業には向きません(営業に向いていない人は?)。
35歳の転職が「手遅れ」になるのは、どんなとき?
年齢の数字では決まりません。現場で見てきて難しくなっていたのは、家族の反対などで動けないまま、挑戦しないで年齢を重ねた人です。「あの時やっていれば、これくらいの年収になっていたのかもしれない」と話す人もいました。35歳では内定が出たのに、43歳ごろには書類さえ通らなくなった人もいました。
選択肢があるかは、辞めなくても今確かめられます。
未経験の仕事に移ると、1年目の年収は下がる?
1年目は下がるかもしれません。未経験で営業に移る場合も、初年度にしっかり取り組めば前の年収を超えられる会社が多くあります。損得は、5年単位の給料の合計で比べましょう(稼げる仕事はきつい?)。35歳から未経験で選べる仕事は、35歳・未経験の転職でおすすめの仕事で比べています。
「給料を上げるから残って」と引き止められたら?
本当に良くなるなら、残るのも選択肢です。「それで数年やってみて…」と思う程度なら、辞めた方が良いかもしれません。3年後にまた辞めたくなりそうかどうかを、基準にしてください(退職の伝え方)。
30代後半で転職を考え始めたら、今週やることは?
- 辞めたい理由を、辞めた理由のグラフの6項目のどれに近いかで書き出す:会社の将来、労働条件、仕事内容、賃金、人間関係、評価。複数あっても構いません
- 何のために収入を上げたいかを1行で書く:たとえば子どもの教育費や住宅(編集部の例)。面接で転職理由を話すときの材料になります
- 工夫してきたエピソードを3つ書き出す:面接で話すエピソードの材料になります
- 家族に「考え始めている」と伝える:家族を説得できた人は、決める前から相談していました
- 自分に合う仕事があるか、人に聞いてみる:ひとりで考えると、「もう36歳だから」「スキルがないから」という思い込み(バイアス)で判断していないかに気づきにくくなります
今の年収の位置は35歳の平均年収で確かめられます。
まとめ
「転職は35歳まで」は、半分は当たり、半分は外れです。30代前半より厳しくなる面はあります。それでも35〜39歳で転職した人は、賃金が増えた人の方が減った人より多く、40〜44歳でもほぼ同じでした。採用の現場で見てきた限り、差がつくのは経歴や資格より転職理由です。
年齢を重ねると難しくなる面は、現場で見ていても確かにあります。転職は大変で、年収を上げるには時間を使うしかありません。それでも、挑戦できるのは今です。
今の会社を辞める前に、自分に選択肢があるかどうかを確かめてみてください。思い込み(バイアス)で選択肢を狭めていないかも、そこで分かります。
あなたに合った仕事なら、30代後半からでも大丈夫です。確かめるために、今の会社を辞める必要はありません。まずは選択肢を知るところから始めてみましょう。
「35歳 転職」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
「転職は35歳まで」という35歳限界説は本当ですか?
半分は当たっていて、半分は外れです。男性は30代後半で転職する人の割合が下がり、リクルートワークス研究所の2016年の論文も、男性については限界説に近いことが起きていると結論づけました。一方、35〜39歳で転職した人は賃金が増えた人の方が減った人より多く(厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」)、総務省「労働力調査(2025年平均)」でも、35〜44歳の失業者32万人のうち「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」人は1万人でした。年齢の壁がないわけではありませんが、年齢だけで決まるわけでもありません。
35歳で転職するのは、もう手遅れですか?
手遅れではありません。1年間に転職して入社した人の割合(令和6年 雇用動向調査)は、35〜39歳で男性7.9%・女性10.5%です。30代前半(男性10.3%・女性13.2%)よりは下がりますが、令和6年の1年間で、これだけの割合の人が30代後半で会社を移っています。今仕事についていない方は、35歳・無職からの転職の記事で別に整理しています。
「35歳転職限界説」は、なぜ言われるようになったのですか?
決まった定義はなく、「35歳を過ぎると転職が難しくなる」という説を指します。リクルートワークス研究所の研究(2016年1月の調査・4万9,131人)では、男性は35歳を過ぎると会社を辞める人の割合が下がる一方、辞めた人に限ると次の仕事に就けた割合に30代前半と後半で大きな差はなく、転職前後の賃金の変化にも男性では差が見られませんでした。限界説は「決まらない」というより、35歳を過ぎると「動く人が減る」ことに近いと編集部は読んでいます。
35歳以上の転職は厳しいと言われますが、何が厳しくなるのですか?
国の統計で確かめられる範囲では、転職する人の割合が30代前半より下がることです(1年間に転職して入社した人の割合は、男性で30〜34歳10.3%から35〜39歳7.9%、女性は13.2%から10.5%)。現場では、35歳と45歳なら若い方が求められやすく、1年目の年収は固定給が決まっている状態だと下がることが多いと見ています。
35〜44歳の転職者は、減っていますか?
総務省「労働力調査」では、35〜44歳の転職者は2015年の65万人から2025年は55万人に減りましたが、就業者に占める割合は4.3%から4.4%でほぼ同じです。25〜34歳の7.1%よりは低い割合です。
39歳は、転職ではまだ30代として見られますか?
国の統計では、39歳は「35〜39歳」の区分に入り、40歳から「40〜44歳」になります。この記事で紹介している35〜39歳の数字は、39歳にもそのまま当てはまります。会社が一人ひとりを何歳で線引きしているかを示す公的なデータはありません。
39歳と40歳では、転職のしやすさは大きく変わりますか?
国の統計は5歳刻みで、1歳ごとの差は分かりません。35〜39歳と40〜44歳を比べると、賃金が増えた人は45.5%と45.9%でほぼ同じです。違いが出るのは、賃金が減った人(24.3%から29.0%)と、転職して入社した人の割合(男性7.9%から6.8%)です。
35歳で転職すると、1年目の年収は下がりますか?
採用の現場で見てきた限り、固定給が決まっている状態だと、1年目は下がることが多いです。ただ、インセンティブ(成果に応じた給料)で上がる人も多くいます。1年目から固定給で上がるのは、同じ職種に移る場合です。1〜2年ではなく5年単位の給料の合計で比べましょう。
求人に「35歳まで」と書いてあったら、36歳以上は応募できませんか?
募集・採用で年齢を制限することは原則禁止で、例外事由にあたらない求人は年齢を不問にしなければなりません(ハローワーク)。期間の定めのない雇用で、長く勤めてキャリアを積んでもらうために若い人を募集する場合などは、例外として上限年齢を設けられます。
30代後半の転職活動は、どのくらいの期間がかかりますか?
厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」では、35〜39歳で活動を始めてから前の会社を辞めるまでの期間は「1か月以上3か月未満」が30.0%で最も多くなっています。辞めてから次に入社するまでは、「離職期間なし」と「1か月未満」で61.2%でした。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」転職入職者の状況(図4-1・表6)
- リクルートワークス研究所「Works Review」Vol.11(2016)「『35歳転職限界説』の再検討」(戸田淳仁)
- 厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」(事業所調査 表6・表7・図1、個人調査 表12・表13・表16・表19・表20・表21-2)
- 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅱ-3・表Ⅱ-11
- 労働政策研究・研修機構「企業の多様な採用に関する調査」(2017年公表)図表16
- ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」
- e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
プロフィール ›
執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。