こんにちは、株式会社Jingasの濱名です。
今日は、施工管理の求人票にいちばん多く書かれていて、いちばん読み飛ばされている一行のお話をしたいです。
「資格取得支援あり」
たぶん、今これを読んでくださっている社長の会社の求人票にも、書いてあると思います。そして、悪気があって書いているわけではないですよね。実際に受検料を会社が出している。テキスト代も出している。嘘は一つも書いていない。
なのに、入社した人が2級を取ったという報告は、なかなか上がってこない。
先に結論:資格取得支援の本体は費用ではなく、時間と、置く現場です
先に言い切ります。資格が取れる会社と取れない会社を分けているのは、お金の出し方ではありません。これは私の感想ではなく、受検資格の条件そのものから逆算すると、そうとしか読めないという話です。効いてくるのは、次の3つです。
- 時間:受検の直前期に、現場から外れられる日があるか
- 現場:受検資格を満たす工事に、本人を置いているか
- 段取り:実務経験の証明を、誰がいつ出すかが決まっているか
このうち①と②は、2024年度(令和6年度)の受検資格改正で、会社側が動かせる幅がはっきり広がりました。逆に言うと、改正後もお金の話しかしていない会社は、前より差を付けられています。
先に一つだけ、身も蓋もない数字を出します。令和8年度の1級建築施工管理技術検定の受検手数料は、第一次検定12,300円・第二次検定12,300円(いずれも非課税)。2級は第一次・第二次それぞれ6,150円です(一般財団法人建設業振興基金)。
一方で、施工管理を人材紹介で採ると200万円台を払っている会社も珍しくありません(施工管理を人材紹介で採る前にやることに書きました)。
桁が2つ違うんですよね。だから「受検料は会社が出します」は、支援ではなくて前提です。そこを訴求だと思っているうちは、何も差別化できていない、、というのが正直なところです。
制度が変わったので、まず正確なところを押さえてください
施工管理技士の受検資格は、令和6年度から大きく変わりました。国土交通省の資料をそのまま整理します。
第一次検定
- 1級:試験実施年度に19歳以上(受検年度末時点)。実務経験は不要
- 2級:試験実施年度に17歳以上(受検年度末時点)。従前から変更なし
第二次検定(新受検資格)
- 1級:1級第一次検定合格後、実務経験5年以上/特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上/監理技術者補佐としての実務経験1年以上、のいずれか
- 1級:2級第二次検定合格後、実務経験5年以上/特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上(いずれも1級第一次検定合格者に限る)
- 2級:2級第一次検定合格後、実務経験3年以上(建設機械種目は2年以上)/1級第一次検定合格後、実務経験1年以上
なお、令和6年度から令和10年度までは経過措置期間で、第二次検定は旧受検資格と新受検資格のどちらでも受けられます(出典:国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」。受検資格の細目・特定実務経験の要件は、一般財団法人建設業振興基金「令和8年度 新受検資格インターネット専用受検の手引」で確認しています)。
ここで一つ、誤解されやすい点を先に潰しておきます。この改正で「1級を受けられる人が新しく生まれた」わけではありません。改正前の受検資格でも、2級合格者は条件なしで1級第一次検定を受けられました。国土交通省の改正概要の表にも、旧受検資格の欄に「2級合格者 条件無し」と書いてあります。
変わったのは入口ではなく、そのあとの数え方です。以前は学歴と卒業後の実務経験年数で決まっていたものが、「第一次検定に受かった日から、どういう現場に、何年いたか」で決まるようになった。
ここが、中途採用の話にまっすぐつながります。
だから面接で聞くのは「資格をお持ちですか」ではありません
新受検資格では、第一次検定の合格が起点になります。ということは、中途で入ってくる人が、いつ1級施工管理技士になれるかは、入社の時点でおおよそ計算できるということです。
なのに面接で聞かれているのは、だいたいこれです。
「資格はお持ちですか」
これだと、持っていない人は全員「いいえ」で終わります。情報が何も増えない。聞くべきは、この2つです。
- 第一次検定には、いつ受かりましたか(何年度の合格か)
- 合格してから今までの現場は、どれくらいの規模でしたか
この2つが分かると、その人が自社に入ってあと何年で1級に届くかが見えます。そして見えた瞬間に、会社の側が短くできる余地が出てきます。
3年になるか5年になるかを決めているのは、会社です
1級第二次検定の受検資格をもう一度見てください。1級第一次検定に合格したあと、実務経験5年以上。ただし、特定実務経験が1年以上あれば3年に縮みます。
この「特定実務経験」が何かというと、国土交通省の定義はこうです。
請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者(当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験。発注者側技術者の経験、建設業法の技術者配置に関する規定の適用を受けない工事の経験等は該当しません。
なお、この4,500万円は、監理技術者の専任が必要になる請負代金額(建設業法施行令)とは別の基準です。金額の一部が同じなので混ざりやすいのですが、建築一式工事の金額が違います。
ここで一つ、実務で引っかかりやすい条件があります。令和8年度の受検の手引には、指導を受けた監理技術者等と同じ企業に所属していない場合は特定実務経験と認められないと書かれています(派遣・出向等の場合は派遣先企業に所属するものとみなす、とされています)。元請の監理技術者の下で動いていた下請の社員、という形だと当たらないということです。
ここ、採用の話として読み替えると、かなり強い意味を持ちます。
同じ人が同じ年数働いても、置かれた現場によって、1級に届く年が2年変わる。そしてどの現場に置くかを決めているのは、本人ではなく会社です。
つまり「資格取得支援」の中身として、いちばん値打ちがあるのはこれなんですよね。受検料でもテキスト代でもなく、特定実務経験に当たる現場に、監理技術者の下で1年置くこと。これは制度上、会社にしかできません。
もちろん、自社にその規模の工事が無いなら書かないでください。嘘は入社後に必ず分かります。ただ、4,500万円という金額は、多くの会社が「うちには無い」と思い込んでいるほど大きくはありません。一度、去年の完成工事を金額で並べてみる価値はあります。
監理技術者補佐という、もう一つの道
1級第二次検定の受検資格には、もう一つ「監理技術者補佐としての実務経験1年以上」というルートがあります。
1級第一次検定に合格すると「1級施工管理技士補」になります。ただし、技士補になっただけでは監理技術者補佐にはなれません。監理技術者の専任が必要となる工事で、1級技士補の資格を持ち、かつその工事の主任技術者の要件も満たしている人が、監理技術者の職務を専任として補佐して、はじめてこのルートに乗ります。
この層をどう見つけて、どう口説くかは施工管理のスカウトで1級必須にすると相手が消える話に詳しく書いたので、ここでは繰り返しません。ここで言いたいのは一点だけです。
技士補を監理技術者補佐として置くことは、現場を回すための人手の話であると同時に、その人が1級を受けられる年を1年に縮める話でもある。採用と配置と資格支援が、ここで一本につながります。
そして、ここには手続きの条件も付きます。令和8年度の受検の手引には、単なる監理技術者の補助等は認められないこと、そして施工体制台帳で氏名が確認できない場合は受検できないことが、はっきり書かれています。
つまり、台帳にその人の名前を載せたかどうかという事務作業が、本人が1級をいつ受けられるかを決めてしまう。資格取得支援が「段取りの話」だと申し上げているのは、こういうところです。
中途入社者がいちばん詰まるのは、実は「証明」です
ここ、たぶんこの記事でいちばん地味で、いちばん実害があるところです。
新受検資格では、実務経験の証明方法も変わりました。国土交通省の資料にはこうあります。工事の従事期間等の必要事項について、原則、工事ごとに、工事請負者の代表者等又は請負工事の監理技術者等による証明を求めます(工事請負者とは受検者の所属先、請負工事とは受検者の所属先が請け負った工事のこと)。なお令和6年3月31日を含む工事の経験までは、従前の方法(申請時に所属している会社の代表者等による証明)も可能とされています。
以前のように「今いる会社の社長にまとめて証明してもらう」で押し切れなくなった、ということです。
転職した人にとって、これは地味に重い話です。前職でやった工事の分は、原則として前職側に証明をもらうことになる。円満に辞めていれば大丈夫だろう、と思うかもしれませんが、担当者が辞めていたり、引き止めを振り切って辞めていたりすると、本人はかなり言い出しにくいです。
だから、採用する側としてやることは2つあります。
- 入社時に、これまでの工事と証明の当てを一緒に棚卸ししておく。受検申請の直前に本人が一人で気づくと、その年度は申請そのものが間に合いません
- 自社を辞めていった人の証明には、きちんと応じる
2つ目、綺麗事に聞こえるかもしれません。ただ、人材紹介の現場にいると、候補者の方はほぼ必ず前の会社の話をされます。良かったことも、そうでなかったことも。私たちが聞いた話は、当然その方の次の職場選びに乗ります。前職の対応が、その会社の評判としてそのまま残っていく、ということです。
国の制度ですら、「業務に就かせたまま」は支援と認めていません
「資格取得支援は時間の話だ」というのは、私の感覚だけで言っているわけではありません。国の助成金の条件が、まさにそう作られています。
厚生労働省の人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)の支給要領を見ると、こう書かれています。
建設労働者を日常の職場で業務に就かせたまま行う技能実習、又は営業活動の一環として行う技能実習は支給の対象とはならない。
賃金助成のほうも同じ思想です。支給の条件は、その実習を受けさせた日に、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の額以上の賃金を支払っていること。しかも通学制または同時双方向型の通信訓練で、訓練時間が3時間以上である訓練日のみが対象で、eラーニングや通信制で実施する訓練は対象外です。
金額は、実習を受けた日数に応じて1人1日あたり、雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主なら9,500円、21人以上なら8,550円。受講者が建設キャリアアップシステムの技能者情報登録者である場合は、それぞれ10,450円・9,405円に上がります。1つの技能実習につき1人20日分が限度です。
経費助成のほうは、雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主で4分の3。21人以上の場合は、35歳未満の若年建設労働者なら10分の7、35歳以上なら20分の9。1つの技能実習につき1人あたり10万円が限度で、1事業所あたり1年度の支給額の合計は500万円が上限です(出典:厚生労働省「人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)」支給要領・令和8年4月8日)。
読み取れることが3つあります。
- 国も「現場に出したまま勉強させる」を支援とは認めていない。外れる日を作ることが、制度上の前提になっている
- 受講した日に通常の賃金を払っていることが条件。無給の休日に自分で行ってこい、は対象外
- そして、これが地味に刺さるのですが、受講する労働者から費用を徴収していないことが条件です
3つ目、「受講料は会社と本人で折半」という運用にしている会社、けっこうあります。本人にも負担させたほうが本気になる、という発想ですよね。気持ちは分かります。ただ、その運用にした時点で、助成の条件からは外れます。
なお、施工管理技士の受検講習をこのコースで扱う場合には、さらに条件が付きます。その講習が受講開始日において雇用保険法上の教育訓練給付金の支給対象となる指定教育訓練であること、そして指定教育訓練実施者が実施する講座であること。どの講座でも通るわけではないので、使う前に必ず都道府県労働局に確認してください。
1級は「入社したあとの数年」で取るものです
もう一つ、数字で確かめておきたいことがあります。
令和7年度の1級建築施工管理技術検定 第二次検定は、受検者18,159名に対して合格者7,091名でした。合格率にすると39.0%です。そして建設業振興基金が公表している合格者の年齢内訳が、こうなっています。
| 年齢 | 合格者に占める割合 |
|---|---|
| 29才以下 | 30.3% |
| 30〜34才 | 18.3% |
| 35〜39才 | 12.4% |
| 40〜44才 | 12.0% |
| 45〜49才 | 11.1% |
| 50〜54才 | 9.4% |
| 55〜59才 | 4.2% |
| 60才以上 | 2.3% |
(出典:一般財団法人建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第二次検定 実施結果」)
合格者のおよそ7割が、30歳以上。30代から40代までで、半分を超えています。
これは驚く数字ではなくて、制度がそうなっているからです。1級第二次検定は、第一次検定に合格してから最低でも3年、通常は5年の実務経験が要る。学校を出てすぐ届く資格ではありません。
だからこそ、採用の話になります。その3年から5年を、誰の会社で過ごすかが決まっているだけだからです。会社の側から見れば、いま採ろうとしている30代の方は、まさにその年数の途中にいる。どの現場に置き、いつ講習に出すかを決めるのは、これから入る会社です。
資格取得支援を新卒育成のオマケとして設計している会社が多いのですが、数字が言っているのはその逆で、中途採用の条件そのものなんですよね。
もう一つ、合格率39.0%という数字も一緒に見てください。10人のうち6人が落ちます。だから制度設計で先に決めておくべきことがあります。落ちた人をどう扱うか、です。1回で受かった人だけ支援して、落ちた人は自腹に戻す。これをやると、その1回で社内の信用は終わります。次の年、誰も手を挙げません。
求人票と面接で、こう見せてください
ここまでを、そのまま使える形に落とします。
Before(NG)
- 資格取得支援あり
- 受験費用は全額会社負担
- 資格手当あり(2級・1級)
After(OK)
- 昨年度は2級を4名が受検し、3名が合格しました。1級は2名が受検し、1名が合格しています
- 第二次検定の前の1か月は、土曜の現場対応を外して学科講習に充てています。講習日は通常どおり給与を支払います
- 当社は1級の特定実務経験に当たる規模の工事(請負金額4,500万円以上。建築一式工事は7,000万円以上)を年間◯件施工しており、監理技術者の下で担当していただけます。1級第一次検定に合格済みの方であれば、合格後3年で1級第二次検定の受検資格に届きます
- 受検に必要な実務経験の証明は、前職分の照会も含めて会社が段取りします
- 不合格だった場合も、翌年度の受検費用は同じ条件で会社が負担します
違いは1つだけです。Beforeは会社が何を出すかを書いていて、Afterは本人がいつ何になれるかを書いています。
読む側が知りたいのは、後者なんですよね。婚活で「食費は僕が出します」と言われるより、「2年後にはこういう暮らしになっています」と言われたほうが、話が具体的に進む、、という話だと思っています。
なお、資格を取ったあとの手当をどう見せるかは施工管理の年収・資格手当の書き方に、応募資格の欄で資格を必須にしすぎない考え方は施工管理の採用要件の決め方にまとめています。
いま出している求人票が、資格手当も含めて「本人がいつ何になれるか」まで書けているかどうかは、施工管理の求人票セルフ添削チェッカーで12項目に当てて確かめられます(登録不要・3分ほどです)。
NG例:資格取得支援でやりがちな5つ
よかれと思ってやっているのに、逆に足を引っ張っているものを並べます。
- 費用だけ出して、受検日と講習日に現場を入れる。いちばん多いです。本人は言い出せないので、黙って受検を見送ります
- 受講料を本人と折半にする。本気度を上げる狙いは分かりますが、助成の条件から外れるうえ、本人からは「会社は半分しか本気じゃない」と読まれます
- 落ちたら支援を打ち切る。1回で受かるほうが少ない試験です。打ち切った瞬間、翌年から誰も申告しなくなります
- 取得後の手当だけを設計して、取るまでの道を作らない。ゴールにだけ賞金がぶら下がっていて、走路が無い状態です
- 中途入社者の前職分の実務経験証明を、本人任せにする。証明が揃わないまま申請期間が終わり、1年待つことになります
もう一つ、制度を作るときに気をつけていただきたいことがあります。「資格を取ってから◯年以内に辞めたら費用を返還する」という条項です。
労働基準法第16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めています。資格取得費用の返還の取り決めが直ちにこれに当たるかどうかは、費用の性質や返還の条件によって判断が分かれる論点なので、入れる場合は必ず社会保険労務士や弁護士に確認してください。この記事で「大丈夫です」とも「違法です」とも申し上げるつもりはありません。
ただ、採用の現場を見てきた立場から一つだけ申し上げると、応募を迷っている方ほど、条件の細かいところまで読みます。実際、返還の取り決めについて「これはどういう意味ですか」と質問を受けたことは何度もあります。質問が来る時点で、そこは読まれていると考えたほうがいいです。
チェックリスト:自社の資格取得支援が機能しているか
上から順に、詰まっているところを1つずつ潰してください。全部やろうとしなくて大丈夫です。
- 昨年度、自社で受検した人数と合格した人数を、職種別に言えるか
- 受検日と、講習日を、現場の工程表に先に入れているか
- 講習を受けた日の賃金を、通常どおり支払っているか
- 受講料を本人から徴収していないか
- 不合格だった場合の扱いを、事前に文書で決めているか
- 中途入社者が第一次検定にいつ合格したかを、入社時に把握しているか
- 中途入社者の前職分の実務経験証明について、入社時に棚卸ししているか
- 自社の完成工事のうち、特定実務経験に当たる規模の工事が年間何件あるか把握しているか
- 特定実務経験に当たる現場に、誰を置くかを意識して決めているか
- 1級技士補のうち、その工事の主任技術者要件も満たす人を、監理技術者補佐として施工体制台帳に載せているか
- 自社を辞めた人からの実務経験証明の依頼に、応じる方針を決めているか
- 求人票に、支援の中身ではなく「本人がいつ何になれるか」を書いているか
10個以上埋まっているなら、資格取得支援は採用の武器として使える状態です。5個を切っているなら、求人票の「資格取得支援あり」の一行は、いま何も仕事をしていません。
よくある質問
Q1. 受検費用を全額会社が持てば、支援としては十分ではないですか。
費用は入口としては正しいのですが、それだけでは取れません。1級建築の受検手数料は第一次・第二次それぞれ12,300円、2級はそれぞれ6,150円です(令和8年度・建設業振興基金)。金額の壁より、講習と受検の日に現場を空けられるかどうかの壁のほうが、はるかに高いです。国の助成金でさえ、業務に就かせたまま行う技能実習は対象外としています。
Q2. 未経験で入った人は、いつから受けられますか。
2級の第一次検定は、試験実施年度に17歳以上であれば実務経験なしで受けられます。つまり入社したその年度から受検できます。第二次検定は、2級第一次検定合格後に実務経験3年以上が必要です(建設機械種目は2年以上)。未経験者の求人票にどう書くかは未経験の施工管理を採る求人票の書き方にまとめています。
Q3. 前の会社で積んだ実務経験は、転職すると数え直しになりますか。
年数そのものが消えるわけではありません。ただし新受検資格では、原則として工事ごとに、その工事を請け負った会社の代表者等または監理技術者等の証明が必要です。つまり年数は残るが、証明を取りに行く先が増えるということです。入社時に、これまでの工事と証明の当てを一緒に確認しておいてください。なお、特定実務経験は指導を受けた監理技術者等と同じ企業に所属していることが条件なので、下請の立場で元請の監理技術者の下にいた期間は当たりません。
Q4. 資格を取らせたら、他社に行かれませんか。
この質問、本当によく受けます。正直にお答えすると、逆だと思っています。取れない会社だから辞めていきます。1級は第一次検定の合格から最低でも3年かかるので、その3年から5年を預ける先として選ばれるかどうか、という競争になっている。取らせないという選択は、引き止めではなく、ただ選択肢を奪っているだけです。定着そのものの考え方は施工管理の若手が早期離職する構造にも書きました。
Q5. 助成金は、施工管理技士の受検講習にも使えますか。
条件付きです。人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)で技術検定に関する講習を扱う場合、その講習が受講開始日において教育訓練給付金の支給対象となる指定教育訓練であること、指定教育訓練実施者が実施する講座であること、そして受講する労働者から費用を徴収していないことが求められます。講座によって可否が変わるので、申し込む前に都道府県労働局へ確認してください。「助成金が使えます」と一般化している情報を鵜呑みにしないほうがいいです。
おわりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
「資格取得支援あり」という一行は、書くのに5秒しかかかりません。だから、ほとんど全部の求人票に書いてあります。書いてあるものは、差別化になりません。
でも、その裏側には、会社にしか用意できないものが3つあります。現場を外れられる日、受検資格に当たる現場、そして証明の段取り。この3つは、どれもお金では買えないし、本人が一人でどうにかできるものでもない。
施工管理の採用がうまくいく理屈は、他の職種と全部一緒です。伝わるものが選ばれて、伝わらないものは選ばれない。資格取得支援も例外ではなくて、やっていることを書くのではなく、その人がいつ何になれるかを書く。それだけで、同じ制度がまったく違って見えます。
今日はまず、去年の受検者数と合格者数を数えるところから始めてみてください。数えてみて「言えるほどの数字じゃないな」と思ったなら、それがそのまま、いま直すべき場所です。
施工管理の採用を最初から通しで見直したい方は、施工管理の採用 完全ガイドからどうぞ。
濱名勇輝/元・不動産特化の人材紹介エージェント(株式会社Jingas COO)。エージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担当。採用の現場を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきました。