こんにちは、株式会社Jingasの濱名です。
今日は、応募が来たあとの「最初の24時間」のお話をしたいです。求人票でも媒体でもなく、応募が入った直後の話です。
先に、一番言いたいことから書きます。
応募対応は、採用活動ではなく営業活動です。 反響が入ったときに社長がやっていることを、そのまま応募者にやってください。それだけで、会える人数が変わります。
結論:やることは3つだけです
- とにかく、すぐかける。「24時間以内」は締切であって、目標ではありません。
- 出なかったら、メッセージを残す。ここが一番の分かれ目です。
- 1回で諦めない。1回かけて終わりにしている会社が、本当に多いです。
テクニックの話は、ほとんどありません。ただ、この3つができている会社は少ないです。
応募の半分近くは、会話にすらならずに消えています
まず、現実の数字から。
私たちが実際に運用している採用データで、数百件の応募を入口から一件ずつ追いかけたことがあります。電話がつながった、つまり通電した人は、半分をわずかに超える程度でした。応募の半分近くが、「電話がつながらない」の一点で止まっているんです。
面接で落ちたわけでも、条件が合わなかったわけでもありません。会話が一度も成立しないまま、いなくなっている。この落ち方は、応募は来ているのに決まらない。大手不動産会社の採用データを分解したらで、ファネル全体の数字として詳しく書きました。
求人票を直すのも、媒体を増やすのも大事です。でも、その手前でこれだけ落ちているなら、まず塞ぐべき穴はここです。しかも、ここを塞ぐのに費用は1円もかかりません。
なぜ「営業と同じ」なのか
社長に一番早く伝わる言い方をします。応募は、反響です。
反響が入ったとき、御社の営業はどうしていますか。おそらく、気づいた瞬間に電話をかけています。翌日にかけ直す営業がいたら、たぶん怒りますよね。理由もはっきりしています。
- 問い合わせた人は、たいてい他社にも同時に問い合わせている
- 熱があるのは、問い合わせた直後の数時間
- 時間が経つほど、相手は別の会社と話が進んでいる
応募も、まったく同じ構造です。転職を考えている人が1社だけに応募することは、ほぼありません。求人サイトの一覧を見ながら、その日のうちに何社かまとめて応募しています。その中で最初に声が届いた会社が、そのまま話を進めます。
ここが、採用と営業の一番の共通点です。先に接触した会社が有利。それだけの話なんです。
なのに、応募になった瞬間、なぜか「明日、担当が確認してから連絡します」になる会社が多い。反響なら絶対にやらないことを、採用ではやってしまっているんですよね、、。
やること①:とにかく、すぐかける
「24時間以内に連絡しましょう」とよく言われます。私も基本はそう思っていますが、24時間はあくまで締切です。目標にしてしまうと、だいたい締切ギリギリになります。
正しくは、気づいたら即です。通知が来た瞬間にかける。会議の合間でもかける。この感覚は、反響対応とまったく同じです。
ちなみに、ここでよくある反論が「日中は現場や商談で電話できない」というものです。分かります。ただ、それは反響でも同じはずで、反響は誰かがすぐ折り返す仕組みになっているはずなんです。応募だけが例外になっているなら、それは忙しさの問題ではなく、優先順位の問題です。
やること②:出なかったら、必ずメッセージを残す
ここが、今日一番伝えたいところです。
知らない番号からの着信は、まず取ってもらえません。応募したことを覚えていても、履歴に残った番号が誰なのか分からなければ、折り返す理由がない。メッセージを残さない架電は、相手にとっては「存在しなかった」のと同じです。
だから、出なかったら留守電を残す。留守電がだめならSMSやメールでも構いません。とにかく、こちらの存在を残してから切る。
残すときは、長く話す必要はありません。この3つだけで十分です。
- どこの誰か(会社名と、応募してもらった求人名まで言う。「株式会社◯◯の△△です」だけだと、何の電話か分かりません)
- 何のための電話か(選考の連絡なのか、まず話を聞きたいのか)
- 次にどうなるか(またこちらからかけ直すのか、折り返してほしいのか。かけ直すなら時間帯まで伝える)
文章にすると、こんな形になります。
株式会社◯◯の△△と申します。このたびは、売買仲介の営業職にご応募いただきありがとうございます。まずは一度、お話を伺いたくお電話しました。本日◯時ごろに改めてご連絡します。お手すきの際にこの番号へ折り返しいただいても大丈夫です。
ポイントは、相手に宿題を出さないことです。「折り返してください」だけだと、動くかどうかが相手任せになります。「またかけます」と言い切ってしまったほうが、こちらが主導権を持ったまま次に進めます。
これも、反響対応と同じですよね。不在だったからといって、そのまま放置する営業はいないはずです。
やること③:1回で諦めない
1回かけて出なかったので、そのまま止まっている。応募者リストを見せてもらうと、こういう人がずらっと並んでいることがあります。
繰り返しますが、この人たちは落ちたのではありません。まだ一度も話せていないだけです。同じ日のうちに時間を変えてもう一度、翌日にもう一度。ここまでやってから判断してください。数日追いかけてもつながらないなら、そこで初めて次に進めばいい。
「しつこいと思われませんか」と聞かれることがあります。逆です。応募した側からすると、連絡が来ないほうが不安なんです。追いかけられて嫌な気持ちになる人は、そもそも応募していません。
つながったあとの、最初の3分
やっと話せたとき、条件の確認から入らないでください。
「現在のご年収は」「転職理由は」から始めると、その電話は選考になります。まだ相手は、御社を受けると決めていません。最初にやるべきなのは、来てくれたことへのお礼と、この会社で働くとどうなるかを1分で伝えることです。
面接でも同じことが起きます。「志望動機を聞かせてください」から入った時点で、こちらが選ぶ側に座ってしまう。この考え方は面接は「口説く」場|志望動機を最初に聞いた時点で「負け」ですに詳しく書きました。電話も面接も、やっていることは同じです。
そして、話せたその場で次の予定を決めてしまう。「後日調整します」と切ると、そこからまた連絡がつかなくなります。日程はその通話の中で押さえる。これも営業と同じです。
初回接触のあとの選考スピードについては、不動産営業の選考、遅いだけで辞退されますで基準(書類は当日〜翌営業日、面接結果は翌日〜3営業日、内定は即日〜2営業日)を書いています。入口を速くしても、そのあとが遅ければ結局同じです。
社長が自社でやろうとすると、どこから崩れるか
正直に書きます。この3つは、知識としては簡単です。崩れるのは、いつも運用のほうです。
一番忙しい人が担当になる。 応募対応を任されるのは、たいてい営業のトップです。でもその人は、日中いちばん動けない人でもあります。応募が来ても気づけず、気づいたときには夜。これで初動が1日遅れます。
通知に気づく仕組みがない。 媒体からのメールが、他のメールに埋もれている。応募が来たこと自体に半日気づかない、というのは本当によくあります。
夜と土日が空く。 応募が多いのは、実は平日の夜と休日です。相手が転職を考える時間だからです。そこに誰もいないと、一番熱い応募ほど取りこぼします。
だから、意志の強さではなく、誰が・いつ・何分以内に出るのかを決めてしまうのが唯一の解決策です。逆に言えば、そこさえ決まっていれば、特別な技術は要りません。
チェックリスト:最初の24時間
- 応募が入ったことに、その場で気づける状態になっているか(通知の受け取り先が決まっているか)
- 気づいてから最初の架電まで、何時間かかっているか把握しているか
- 出なかったとき、メッセージを残しているか
- メッセージに「会社名・応募した求人名・次にどうするか」が入っているか
- 1回で終わらせず、時間を変えてかけ直しているか
- つながった最初の3分を、条件確認ではなくお礼と会社の説明に使えているか
- その通話の中で、次の日程を押さえているか
- 夜と土日に応募が来たとき、誰が対応するか決まっているか
よくある質問
Q. 応募が来てから、何分以内にかけるのが理想ですか? A. 分単位の基準を作るより、「気づいたらすぐ」でいいと思っています。目安を持つなら24時間以内ですが、これは締切です。反響対応と同じ感覚で動けているなら、自然と数時間以内に収まります。
Q. 電話がつながらない人は、見込みが薄いということでは? A. そうとは限りません。日中に電話に出られない仕事をしているだけ、という人はかなり多いです。むしろ現職で忙しく働いている人ほどつながりにくい。つながらない=意欲がない、と切り捨てると、いい人から順に落としていくことになります。
Q. 留守電とSMS、どちらがいいですか? A. どちらでも構いません。大事なのは、残すかどうかです。残さなければ、着信履歴だけが残って何も起きません。両方使えるなら、留守電を残したうえでSMSでも同じ内容を送っておくと確実です。
Q. 何日追いかければいいですか? A. 数日、時間帯を変えて追いかけてみてください。それでも一度も話せないなら、次に進んで問題ありません。ただし「1回かけて出なかった」で止めるのは早すぎます。
Q. この対応を社内でやりきる自信がありません。 A. 正直に言うと、現場を持ちながら初動を落とさずに回すのは、かなり難しいです。だからこそ、ここは外に出す価値がある工程だと思っています。
濱名勇輝/元・不動産特化の人材紹介エージェント(株式会社Jingas COO)。エージェントとして上位の成績を残し、メンバーのマネジメントや教育制度の構築も担当。採用の現場を「送り出す側」と「育てる側」の両方から見てきました。
売買仲介の採用を工程ごとに見直すなら、売買仲介 営業の採用 完全ガイドにまとめています。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
採用がうまくいかないと聞くと、つい求人票や媒体の話から始めてしまいます。でも実際に一番人が落ちているのは、応募が来たあとの、誰も見ていない24時間です。ここは、お金ではなく動きだけで変えられます。
とはいえ、日中は現場に出ていて、夜に応募者へ電話をかけ続けるのは、社長ひとりでは無理があります。そこは、応募が入った直後の連絡から日程調整、選考の進行まで、採用の実務ごと私たちが人の手で伴走します(基本料金は月額10万円)。まずは無料相談で、「今の初動がどこで止まっているか」だけでも、一緒に見させてください。