50代で仕事を辞めたいときの判定|辞めていい人と今は残る人の分かれ目
50代で仕事を辞めていいかは、今の会社でこの先良くなる見込みがあるかで判定します。厚生労働省の調査では、転職で賃金が増えた人は50〜54歳で39.0%いますが、55〜59歳では27.4%に下がり、減った人(36.6%)が上回ります。辞めると決めたら在職中に次を探し、残るなら会社と話し合ってから決めましょう。
50代になって、仕事を辞めたいと思う日が増えた。役割は重くなったのに給料は頭打ちで、職場の空気もしんどい。でも、この年齢で辞めて次があるのか。残るにしても、あと何年このままなのか。
この記事は、辞めるか残るかを気持ちではなく基準で決めるためのものです。50〜54歳と55〜59歳を5歳刻みで分けた国の調査と、採用の現場で見てきた基準から、あなたがどちらに当てはまるかを判定します。
50代で仕事を辞めたい。辞めていい?それとも残る?
辞めていいかは、今の会社でこの先良くなる見込みがあるかで決まります。見込みがないなら、在職中に次を探して動いて構いません。55〜59歳では、転職で賃金が減った人が増えた人を上回ります。迷っているなら、まずは下の判定表で今の状況を確かめてみてください。
50代で辞めたいと思うのは、おかしいこと?
おかしくありません。厚生労働省の「雇用動向調査」で、50代で転職した人が前の会社を辞めた理由を見ると、労働時間・休日などの条件、職場の人間関係、給料などに分かれています(詳しくは後半の表5)。辞めたくなる理由は、人によって違います。
50代でも転職できる?年齢で断られない?
できます。総務省の「労働力調査」では、1年の間に仕事を変えた人は2025年に、50代前半を含む45〜54歳で57万人、55〜64歳で55万人と、どちらも50万人台でした。働いている人に占める割合(転職者比率)は、45〜54歳で3.5%、55〜64歳で4.2%です。
年齢の壁はありますが、それだけで決まるわけではありません。同じ調査で、仕事を探している失業者に「仕事につけない理由」を聞いた結果は次のとおりです。
| 年齢 | 失業者 | 求人の年齢と自分の年齢があわない | 希望する種類・内容の仕事がない |
|---|---|---|---|
| 45〜54歳 | 35万人 | 4万人 | 9万人 |
| 55〜64歳 | 36万人 | 7万人 | 10万人 |
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅱ-3・表Ⅱ-11
55〜64歳では、年齢を理由に挙げた人が約5人に1人います。それでも、どちらの年代でも「希望する種類・内容の仕事がない」の方が多い結果でした。
辞めていい人・今は残る人の判定表は?
先に全体像を表にまとめます。「辞めていい寄り」に当てはまるものが多いほど、動いていい人です。「確かめ方」は、それを確かめるためにやることです。
| 確かめること | 辞めていい寄り | 今は残る寄り | 確かめ方 |
|---|---|---|---|
| 今の会社での給料 | この先も上がり幅がない | 具体的に上がる見込みがある | 上司に昇給の見込みを聞く。就業規則や給与規程で、役職ごとの給料を見る |
| 会社と話したか・辞めたい理由 | 話しても変わらなかった | まだ話していない/話せば変わるかもしれない | 理由を紙に書き出し、上司か人事に不満と変えてほしいことを伝える |
| 引き止めの中身 | 「給料を上げる」と言われても「それで数年やってみて…」と思うだけ | 上がる額や時期が具体的に示された | 上がる額と時期を聞く |
| 3年後の自分 | また同じ理由で辞めたくなっていそう | 続けていそう | 3年後の役職と給料を、今その役職にいる人に重ねてみる |
| 今の年収 | 上がり幅がなく、この先が不安 | すでに十分な年収があり、なんとなく転職したい | 今の年収と、この先5年の給料の合計を書き出す |
※採用の現場の基準(上がり幅、会社と話す、引き止め、3年後、在職中)をもとに編集部が整理したものです。当てはまる数が多い方の列を目安にしてください。
辞めるのを一度待った方がいいのは?
判定表で「今は残る寄り」に当てはまる方が多かったなら、辞めるのは一度待ちましょう。辞めたいと言いながら残った人に多かったのは、会社の人としっかり話していたことでした。
職場のトラブルを社外に相談したいときは、後半の「心や体がしんどいときの相談先は?」で紹介する総合労働相談コーナーも使えます。休職制度は会社ごとに違うため、この記事では扱いません。
50代は、どんな理由で仕事を辞めている?
厚生労働省の「雇用動向調査」には、転職した人が前の会社を辞めた理由が、5歳刻み・男女別で載っています。50〜54歳と55〜59歳の全項目を並べると、次のとおりです。
| 辞めた理由 | 男 50〜54歳 | 男 55〜59歳 | 女 50〜54歳 | 女 55〜59歳 |
|---|---|---|---|---|
| 仕事の内容に興味を持てない | 3.8% | 1.9% | 3.0% | 2.7% |
| 能力・個性・資格を生かせない | 4.0% | 4.8% | 4.7% | 2.3% |
| 職場の人間関係が好ましくない | 8.7% | 5.9% | 10.5% | 13.0% |
| 会社の将来が不安 | 6.5% | 6.1% | 4.2% | 6.3% |
| 給料など収入が少ない | 9.5% | 9.0% | 5.5% | 6.7% |
| 労働時間・休日などの条件が悪い | 8.7% | 5.9% | 11.2% | 9.2% |
| 介護・看護 | 2.7% | 1.9% | 1.6% | 1.2% |
| その他の個人的理由 | 22.3% | 17.3% | 24.1% | 27.3% |
| 定年・契約期間の満了 | 4.4% | 4.8% | 13.2% | 10.2% |
| 会社都合 | 8.6% | 10.9% | 9.3% | 7.6% |
| その他(出向など) | 20.4% | 29.0% | 11.0% | 12.4% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表5 転職入職者が前職を辞めた理由(結婚・出産育児は「-」の欄が多いため省略)
どの列も、一番大きいのは「その他の個人的理由」か「その他(出向など)」です。女性の理由は、後半の「50代女性が仕事を辞めたいときは?」でまとめて見ます。
50代の男性は、何が理由で辞めている?
50〜54歳は「その他」を除くと「給料など収入が少ない」9.5%が最も高く、人間関係・労働条件(どちらも8.7%)と会社都合(8.6%)がほぼ並びます。55〜59歳では「その他(出向など)」が29.0%で4列の中で最も高く、「会社都合」も10.9%と、50〜54歳より高い数字です。
役職定年や出向をきっかけに、辞めるかどうか迷っている方もいるかもしれません。ただ、この表では役職定年だけの数字は出ていないので、辞めるべきかどうかはここからは言えません。給料の上がり幅や3年後の自分など、判定表の項目で確かめてください。
家族の介護が理由で辞めた人は?
「介護・看護」を理由に前の会社を辞めた人は、50代の男女どの列も1〜3%でした。この数字は転職した人が対象なので、介護で辞めて今は働いていない人は入っていません。
辞めたら給料はどうなる?50〜54歳と55〜59歳の差は?
50代の判定で、もう1つの分かれ目がここにあります。同じ調査で、転職して賃金が前の会社より増えたか減ったかを年齢別に見ると、55〜59歳で向きが変わります。年齢ごとに別の人を並べた数字で、同じ人の変化を追ったものではありません。
50〜54歳は、まだ増える人の方が多い?
多いです。50〜54歳で転職した人のうち、賃金が増えた人は39.0%、減った人は28.2%でした。1割以上増えた人も26.3%います。45〜49歳の46.4%よりは下がりますが、50代前半はまだ「増えた人の方が多い」年代です。
55〜59歳になると、何が変わる?
増えた人が27.4%に下がり、減った人(36.6%)が上回ります。60〜64歳では減った人が60.9%です。ただ、55歳を過ぎてから動いて、年収を上げた人もいます。
年収420万円 → 2年目に530万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
下がる人が増える年代でも、上がった人はゼロではありません。年齢を重ねるごとに難しくなるのは事実なので、50代前半で迷っているなら、55歳を迎える前に選択肢だけは確かめておきましょう。転職理由とこれまでの経験の伝え方は、動く前に準備できます。
50代は給料のピーク。辞めると損になる?
国税庁の調査では、1年を通じて働いた人の平均給与は次のとおりで、男性は55〜59歳が最も高い年代です。
| 年齢 | 男性 | 女性 | 男女計 |
|---|---|---|---|
| 45〜49歳 | 663万円 | 369万円 | 540万円 |
| 50〜54歳 | 709万円 | 363万円 | 559万円 |
| 55〜59歳 | 735万円 | 356万円 | 572万円 |
| 60〜64歳 | 604万円 | 294万円 | 473万円 |
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第10表(1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与。千円の位を四捨五入)
女性は年齢による差が小さく、50代でも大きく上がっていません。損か得かは、平均ではなくあなたの今の年収と、今の会社でこの先いくらまで上がるかで決まります。転職は1〜2年ではなく5年単位で、給料の合計で比べるのがおすすめです。50代の年収の動き方は50代の転職と年収でも詳しく見られます。
辞めて年収を上げた50代はいる?介護職からは?
います。50代で転職して年収を上げた方を見てきました。
50歳の介護職で辞めたいときは?
介護職だけの業界データは、この記事では扱いません。そのうえで参考になるのが、表5の人間関係の数字です。55〜59歳の女性では、「職場の人間関係」を理由に前の会社を辞めた人が13.0%でした。人間関係で辞めた人が次の会社選びで失敗しやすいのは、結局、給料や休みの条件で探してしまうことです。
介護職から転職して、年収を上げた50代もいます。
年収360万円 → 2年目に520万円。
次の会社が合うかどうかは、あなた自身の話し方・志向性・過去の経験から見極めます。採用の現場で見ているのも、この3つです。そして一番大事なのは、頑張りたい気持ちがあることです。介護職の経験からどんな仕事が合うかは、相談で一緒に確かめられます。
50歳・飲食店長から転職した人は?
年収450万円 → 3年目に600万円。
50代で決まる人に多いことは?
現場で見てきた実例の年収の数字は、50代もほかの年代と特に変わりません。ただ50代は特に、営業経験がある人が多くなります。53歳で営業経験のある方が決まった例もあります。
営業の経験がない方も、あきらめる必要はありません。パチンコ店・ホテル・エステなどで身につけたホスピタリティは、営業での信頼づくりに活きます。
未経験で営業に移ると、1年目は年収が下がることもあります。それでも、初年度しっかりやれば前の年収を超えられる会社は少なくありません。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
50代の面接では、何を準備する?
選考で一番差がつくのは、経歴や資格より転職理由です。企業が転職理由で一番見ているのは、自社で活躍するかどうかです。通った人の言い方には「家族のために選択肢を増やしたい」があります。反対に、どこにでも使える理由や「大手だから」という理由は落ちやすくなります。
35歳以上が面接で詰まりやすいのは、「これまでの経験をどう活かすか」という質問です。答えるときは、経験を一度抽象化して、応募先の仕事の具体に落とします。例えば「店長としてアルバイトを育て、少ない人数でお店を回した(経験)→ 人を育てて、限られた人数で成果を出せる(抽象化)→ 営業チームでも、新人と一緒に数字をつくれる(応募先の具体)」という形です。
落ちる人に見られるのは、態度が悪い、暗い、エピソードを用意していない、の3つです。職務経歴書も、具体的なエピソードを足すと厚くなります。「給料を上げたい」という本音はそのまま言って構いません。年収の話も、普通に伝えれば大丈夫です。
50代女性が仕事を辞めたいときは?
50代女性は、どんな理由で前の会社を辞めている?
表5の数字は、転職した女性が前の会社を辞めた理由です。50〜54歳で「その他」を除いた上位3つは、下のグラフのとおり「定年・契約期間の満了」「労働時間・休日などの条件」「職場の人間関係」でした。定年・契約期間の満了は、契約の終わりなどによるもので、自分から辞めた理由ではありません。55〜59歳では、上の表のとおり「職場の人間関係」の割合が上がります。
一方で、面談で50代女性の「辞めたい」を聞いても、理由に特定の偏りはありません。数字の順位より、あなた自身の理由が「会社と話せば変わるもの」かどうかの方が、判定には大事です。人間関係が理由のときの考え方は、人間関係が理由の転職で読めます。
50代女性が次を探すときは?
国税庁の調査では、女性の平均給与は50〜54歳で363万円、55〜59歳で356万円と、年齢による差が小さくなっています。そのうえで、女性が評価されやすいのは、細やかさや丁寧さが必要な営業です。勢いだけで押す営業とは違います。50代ではなく近い年代(47歳)の方ですが、女性の例も紹介します。
年収320万円 → 3年目に500万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
次が決まっていないのに辞めても大丈夫?
在職中に探すか、辞めてから探すかを、お金と時間の目安で比べました。
| 比べること | 在職中に探す | 辞めてから探す |
|---|---|---|
| 基本の考え方 | 基本はこちら | 心や体がつらいときは、下の公的窓口へ |
| お金 | 給料が続く | 50代が世帯主の世帯の消費支出は月29万7,819円。3か月分で約89万円、6か月分で約179万円 |
| 失業手当 | 対象外 | 一般の離職者は90〜150日。会社都合の特定受給資格者(45〜59歳)は最大330日 |
| 空白の期間 | できない | 下の「無職の期間は、どのくらいまでなら大丈夫?」を参照 |
出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年」(総世帯の平均。JILPT「データブック国際労働比較2026」第9-3-1表で確認。世帯ごとに違います)、ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」。3か月分・6か月分は月の消費支出をかけた目安です。
ただし、心や体がつらくて続けられないときは、先に休むことを考えましょう。下の「心や体がしんどいときの相談先は?」の窓口で、先に話を聞いてもらってください。
在職中と退職後、どちらで次を探す?
基本は在職中の方が良いです。収入が途切れないので、上の表のお金の心配をせずに探せます。辞めるのは、次が決まってからで遅くありません。
無職の期間は、どのくらいまでなら大丈夫?
無職の期間が2年ほど空くと、厳しくなることも多いです。ただ、無職の期間があっても、40〜50代で次が決まった人はいます。
総務省の「労働力調査」で、今失業している人が失業している期間を見ると(全年齢)、3か月未満が43.2%、1年以上が28.6%でした。
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」表Ⅱ-4
年収520万円 → 2年目に600万円。退職から入社までは3か月でした。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
50代で無職になった人が次を決める前に一番気にしていたのは、貯金より年齢でした。すでに辞めている方は50代で無職になったときも読んでみてください。
心や体がしんどいときの相談先は?
眠れない、朝起き上がれないなど、心や体がつらいときは、転職の判定より先に休むことと相談を優先してください。厚生労働省は次の窓口を用意しています。
- こころの耳:働く人のメンタルヘルスのポータルサイト。電話・SNS・メールの相談窓口を案内しています(こころの耳)
- 総合労働相談コーナー:職場のトラブルの相談を、専門の相談員が面談か電話で受けます。予約不要・無料です(総合労働相談コーナーのご案内)
体の不調が続くときは、かかりつけの医療機関にも相談してください。
辞めるときの手続きで気をつけることは?
民法では、期間の定めのない雇用は、退職を申し入れてから2週間で終わると決められています。会社ごとの就業規則にも「何か月前に伝える」といった決まりがあるので、先に確かめておきましょう。会社への伝え方の手順は、退職の伝え方を参考にしてください。
配偶者を扶養に入れている方は、あなたが退職すると配偶者も国民年金の第3号被保険者ではなくなり、第1号の手続きが必要になります(日本年金機構)。
健康保険は、退職後に次の3つから選びます。
| 加入先 | 手続きする所 | 主な決まり |
|---|---|---|
| 任意継続(協会けんぽの場合) | 協会けんぽ | 退職日まで続けて2か月以上加入していた人。退職日の翌日から20日以内に手続き。保険料は退職前の約2倍(上限あり)で、加入は2年間 |
| 国民健康保険 | 市区町村 | 保険料は世帯の人数や前年の所得などで決まり、市区町村で違う。倒産・解雇などで離職した場合は減免されることがある |
| 家族の健康保険(扶養に入る) | 家族の勤め先の健康保険 | 入れるかどうかは、家族の健康保険で確かめる |
出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)「退職後の健康保険加入のご案内」。健康保険組合や共済組合に入っている方は、それぞれに確かめてください。
退職金には、税金を計算するときに差し引ける「退職所得控除」があります。勤続20年を超える方は「800万円+70万円×(勤続年数−20年)」で、勤続30年なら1,500万円です(国税庁 タックスアンサー No.1420)。
次が決まらないまま辞めたら、失業手当は何日もらえる?
ハローワークの基本手当(失業手当)がもらえる日数は、辞め方と、雇用保険に入っていた期間で決まります。
- 一般の離職者(年齢は問わない):加入10年未満は90日、10〜20年は120日、20年以上は150日
- 会社都合で離職した特定受給資格者(45〜59歳):加入期間に応じて90〜330日。最大の330日は加入20年以上の場合
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
会社にもとからある早期退職優遇制度に応募して辞めた場合は、特定受給資格者には当たりません。早期退職で辞める場合は、50歳の早期退職で詳しく扱っています。
家族には、いつ・どう話す?
家族からよく言われるのは、「年収下がるじゃん」「大変なんじゃないの?」です。家族の反対で動かなかった人は、その後も挑戦できず、年齢を重ねて難しくなっていきます。だから、決めてから話すより、考え始めた段階で話しておきましょう。事前から相談した人は、家族を説得できていました。
辞めると決める前に、今週やること
判定に迷ったら、次の6つを今週のうちにやってみてください。
- 辞めたい理由を紙に書き出す:「会社と話せば変わるもの」と「変わらないもの」に分けます
- 今の会社で、この先いくらまで給料が上がるか確かめる:上がり幅がないなら、動いていい材料です
- 上司や人事と一度話す:異動や役割の変更で解決するかを確かめます
- 家族に、考えていることを早めに話す:決めてからではなく、考え始めた今の段階で話します
- 職務経歴書のために、これまでの経験を棚卸しする:下の表に書き出します。年齢を重ねた分、エピソードを足すと厚くなります
- 合う仕事があるか、人に聞いてみる:辞めると決める前でも大丈夫です。1分診断で向いている働き方を見ることもできます
棚卸しは、勤めた会社ごとに1行ずつ書きます。
| 会社・期間 | 担当したこと | 工夫したこと(具体的なエピソード) | 次に活かせること |
|---|---|---|---|
| 会社名と在籍した年 | 任された仕事・役割 | 自分で考えて変えたこと。場面や結果まで | 経験を抽象化して「何ができるか」にし、応募先の仕事の具体に落とす |
| (記入例)飲食店の店長 | アルバイトの育成とお店の運営 | アルバイトを育て、少ない人数でお店を回した | 人を育てて、限られた人数で成果を出せる。営業チームでも、新人と一緒に数字をつくれる |
※転職回数が多い方も、それぞれの会社で工夫したことの中身が伝わるように書きます。
ほかの年代の考え方は40代で仕事を辞めたいと思ったらで読めます。50代の転職全体の数字を見るなら、50歳の転職と55歳の転職の現実です。
移ってから後悔しないための準備は、50代の転職の失敗を参考にしてください。
まとめ
50代で仕事を辞めていいかの答えは、今の会社でこの先良くなるかどうかです。給料の上がり幅がない、会社と話しても変わらない、3年後もまた同じ理由で辞めたくなっていそう。そう感じるなら、在職中に次を探して動いていい人です。
50〜54歳は、転職で賃金が増えた人がまだ減った人より多い年代です。動かなかった人からは「あの時やっていれば、これくらいの年収になっていたのかもしれない」という言葉を聞きます。後悔しないために、選択肢があるかだけは今のうちに確かめておきましょう。
あなたに合った仕事なら、50代からでも働き方を変えられます。辞めると決めていなくても、話すところから始められます。
「50代 仕事 辞めたい」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
50代で仕事を辞めたいと思うのは甘えですか?
甘えと決めつける必要はありません。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」では、50〜54歳で転職した人が前の会社を辞めた理由は、労働時間・休日などの条件、職場の人間関係、給料などに分かれています。大事なのは気持ちの良し悪しより、今の会社でこの先良くなる見込みがあるかどうかです。
50代女性は、どんな理由で前の会社を辞めていますか?
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」で、50〜54歳で転職した女性が前の会社を辞めた理由を見ると、「その他の個人的理由」「その他(出向など)」を除くと、定年・契約期間の満了13.2%、労働時間・休日などの条件11.2%、職場の人間関係10.5%の順です。定年・契約期間の満了は、自分から辞めた理由ではありません。面談で50代女性の話を聞いても、辞めたい理由に特定の偏りはありません。
50代で次が決まっていないのに辞めても大丈夫ですか?
次を探すのは基本的に在職中がおすすめです。辞めてから探すと収入が途切れ、失業手当も一般の離職者は90〜150日です。心や体がつらくて続けられないときは、先に公的な相談窓口で話を聞いてもらってください。
50代で転職すると年収は下がりますか?
年齢で差があります。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」では、50〜54歳は転職で賃金が増えた人が39.0%、減った人が28.2%でした。55〜59歳になると増えた人27.4%、減った人36.6%で逆になります。
50代で辞めると伝えたら「給料を上げる」と引き止められました。残るべきですか?
給料や役割が実際に良くなるなら残り、3年後にまた同じ理由で辞めたくなりそうなら辞める、で判断します。「それで数年やってみて…」と思うだけなら、辞めた方が良いかもしれません。一度応じると、次に動くときの選択肢が狭くなることもあります。退職を伝えたときに揉めやすいのが、この引き止めです。
50歳の介護職で辞めたいとき、転職できますか?
採用の現場では、51歳で介護職から転職し、年収360万円から2年目に520万円になった方がいました(年収は目安で、個人の実績です)。辞めたい理由が人間関係なら、次の会社を給料や休みの条件だけで選ばないことが大切です。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
- 総務省統計局「家計調査」
- 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026」第9-3-1表
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「退職後の健康保険加入のご案内」
- 国税庁 タックスアンサー No.1420「退職手当等を受けたとき(退職所得)」
- ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
- e-Gov法令検索「民法」第627条
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
- 厚生労働省「こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)」
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
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執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。