50代の転職で年収はどうなる?平均年収(男女別・50歳)と上がった人の割合から見る、下げない選び方
50代の転職で年収が上がるかは、前半と後半で変わります。50〜54歳は賃金が増えた人(39.0%)が減った人(28.2%)より多く、55〜59歳では減った人(36.6%)が上回ります。50代の平均年収は50〜54歳で559万円ですが、男性709万円・女性363万円と男女で大きく違うため、平均より「今の会社でこの先上がるか」と5年間の合計で比べて選びます。
50代で転職を考えたとき、真っ先に浮かぶのは「年収はいくら下がるのか」ではないでしょうか。子どもの学費、住宅ローン、老後の資金。出ていくお金が多い年代なので、下がるかもしれないと思うだけで話が止まってしまいます。
この記事では、50代の平均年収(男女別・勤め先の規模別)と、転職で年収が上がった人・下がった人の割合を国の統計で並べ、下げないための選び方をまとめます。年収の中央値・手取り・学歴別・業界別・地域別(国税庁の表に無く、この記事では取っていないため)と、転職活動の期間・副業・転職エージェントの比較は扱いません。
50代の転職で、年収は上がる?下がる?
50代前半は上がる人の方が多く、55歳を過ぎると下がる人の方が多くなります。厚生労働省の「令和6年 雇用動向調査」では、55〜59歳で賃金が減った人(36.6%)が増えた人(27.4%)を上回ります。
| 年齢 | 増えた | うち1割以上増えた | 変わらない | 減った |
|---|---|---|---|---|
| 45〜49歳 | 46.4% | 29.1% | 26.9% | 23.8% |
| 50〜54歳 | 39.0% | 26.3% | 31.7% | 28.2% |
| 55〜59歳 | 27.4% | 17.3% | 33.6% | 36.6% |
| 60〜64歳 | 13.6% | - | 24.2% | 60.9% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表6(前職が雇用者で、調査時点も在籍している転職入職者)。60〜64歳の「1割以上増えた」は確認できた資料に記載がないため「-」
50代前半なら、賃金が増えた人の方が多い?
多いです。50〜54歳では、1割以上増えた人だけで26.3%と、およそ4人に1人でした。「50代の転職は下がるもの」と決めつけなくて大丈夫です。
ただし45〜49歳の46.4%と比べると、増えた人は7ポイントほど少なくなります。年齢ごとに別の人を並べた数字で、同じ人が5年後にどうなったかを追ったものではありません。
※別の調査の厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」個人調査 表13では、50〜54歳は増加27.0%・減少53.2%、55〜59歳は増加32.1%・減少49.9%でした。調査の年と対象が違うと結果も変わります。この記事では、直近の雇用動向調査(令和6年)の数字を中心に使います。
55歳を過ぎると、どのくらい変わる?
55〜59歳は「変わらない」が33.6%で、減った人と増えた人の差は9.2ポイントです。60〜64歳になると減った人が60.9%まで増えます。
年齢が上がるほど、賃金が減った人の割合は増えます。それでも55〜59歳で賃金が増えた人は27.4%、1割以上増えた人も17.3%でした。
55歳前後で迷っている方は55歳の転職の現実も読んでみてください。
50代の平均年収はいくら?50歳・男女別では?
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」で、1年を通じて勤務した人の平均給与は50〜54歳で559万円、55〜59歳で572万円です。この「給与」はボーナスや手当を含む1年分の合計で、税金や社会保険料を引く前の金額です。
| 区分 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 45〜49歳からの差(50〜54歳) |
|---|---|---|---|
| 男性 | 709万円 | 735万円 | +46万円 |
| 女性 | 363万円 | 356万円 | -5万円 |
| 男女計 | 559万円 | 572万円 | +19万円 |
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第10表 その3(千円単位を万円に四捨五入。差は千円単位で計算)
年収の分布も見ておきましょう。同じ調査の概要では、一番人数が多い層は「300万円超400万円以下」で16.1%でした。こちらは50代だけでなく全年齢の数字です。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査結果の概要」給与階級別分布(1年を通じて勤務した給与所得者・全年齢)
50歳の年収は、いくらが平均?
国の統計は5歳刻みなので、50歳ちょうどの平均は出ていません。50歳が入る50〜54歳の平均は559万円で、男性709万円・女性363万円です。ネットで見かける「50歳の平均年収」は、調査や計算のしかたによって数字が変わる点に注意してください。
50代男性の年収は、何歳でピーク?
男性は55〜59歳の735万円が一番高く、60〜64歳になると604万円まで下がります。50代は、男性にとって年収の山の頂上にあたる年代です。
50代女性の年収は、なぜ上がらない?
女性は50〜54歳が363万円、55〜59歳が356万円で、45〜49歳(369万円)からほぼ横ばいです。この調査は理由までは示していないので、ここでは数字を並べるだけにします。男性と同じように「年齢とともに上がる」とは考えない方が、自分の年収を正しく測れます。
正社員かどうかで、年収はどれくらい違う?
同じ調査の概要では、正社員の平均が545万円、正社員以外が206万円でした。これは全年齢の数字で、50代だけの値ではありません。今の働き方が正社員以外なら、平均と比べる前にこの差を頭に入れておきましょう。
50代の年収は、勤め先の規模でどのくらい違う?
国税庁の同じ表には、働いている事業所の人数ごとの平均給与も載っています。50〜54歳を男女別に並べると、男性は規模で大きく差が開き、女性はあまり変わりません。
大きい会社の50代は、どのくらい高い?
男性の50〜54歳では、5,000人以上の事業所が857.4万円、10人未満が584.4万円で、270万円ほどの差があります。55〜59歳の男性も、1,000〜4,999人で892.8万円、5,000人以上で916.0万円でした。
なお、この「規模」は会社全体ではなく、働いている事業所(支店や工場など)の人数です。
女性は、勤め先の規模で年収が変わらない?
50〜54歳の女性は、一番低い10人未満が305.1万円、一番高い500〜999人が408.5万円でした。5,000人以上は338.1万円で、規模が大きいほど高いという並びにもなっていません。大きな会社に移れば上がる、とは数字からは言えない、ということです。
それでも、女性が年収を上げられないわけではありません。40代後半の女性で、仕事を変えて年収を上げた例があります。
年収320万円 → 3年目に500万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
女性が評価されやすいのは、細やかさや丁寧さが必要な営業です。50代女性の仕事の悩みは50代で仕事を辞めたいときでもまとめています。
50代で転職して、年収を上げた人はいる?
います。50代で仕事を変えて、年収を上げた方を見てきました。現場で見てきた実例の年収の上がり方は、50代もほかの年代と特に変わりません。
年収520万円 → 2年目に650万円。
年収360万円 → 2年目に520万円。
年収550万円 → 2年目に600万円。
※移った先の職種は人によって違います。
営業の経験がある50代は、有利?
50代で決まる人は、特に営業経験がある人が多くなります。上の例でも、50歳の方はルート営業の経験者でした。53歳で営業経験があり、転職が決まった方もいます。
営業の経験がない方も、それだけで外されるわけではありません。35歳以上で評価されるのは、これまでの社会人経験と、任せても大丈夫と思える信頼しやすさです。
1年目から、前の年収を超えられる?
未経験で営業に移ると、1年目は前の年収より下がることもあります。ただ、初年度にしっかり取り組めば、前の年収を超えられる会社も多くあります。上の3人の数字も、どれも転職して2年目の年収でした。
今の会社に残れば、この先も年収は上がる?60歳からは?
年収を考えるときに見たいのは、今の金額より「この先いくらになるか」のほうです。国税庁の調査で男性の平均給与を見ると、55〜59歳の735万円から60〜64歳の604万円へ、約130万円下がります。
60歳を過ぎた働き方は、どうなっている?
厚生労働省の「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」では、65歳までの雇用確保措置を実施済みの企業が99.9%でした。内訳は、継続雇用制度の導入が65.1%、定年の引上げが31.0%です。
| 60歳以降の制度 | 割合 | 制度の中身 |
|---|---|---|
| 継続雇用制度(再雇用など) | 65.1% | 定年のあとも、同じ会社で引き続き雇う |
| 定年の引上げ | 31.0% | 定年の年齢そのものを引き上げる |
| 70歳までの就業確保措置 | 34.8% | 70歳まで働ける機会を用意する |
出典:厚生労働省「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果」(常時雇用労働者21人以上の企業237,739社)
再雇用で給料が何割になるかは、会社ごとに違います。
役職定年がある会社は、どのくらい?
人事院の「令和5年 民間企業の勤務条件制度等調査」では、事務・技術関係職種の従業員がいる企業のうち、役職定年制がある企業は16.7%でした。役職定年の年齢は、部長級(33.5%)・課長級(40.3%)とも55歳が最も多くなっています。
役職を降りたあとの配置は、「同格のスタッフ職」が最多でした(部長級42.1%・課長級40.6%)。役職定年で給料が何割下がるかは、この資料には載っていません。役職定年があるか、60歳以降の給料をどう決めるかは、自分の会社の就業規則や人事で確かめてください。
出典:人事院「令和5年 民間企業の勤務条件制度等調査結果の概要」表16・表18・表20(常勤従業員50人以上の企業、回答4,208社)
残った方がいい人と、動いた方がいい人は?
採用の現場で見ている分かれ目は、次の2つです。
- 残った方がいい人:すでに十分な年収があり、なんとなく転職したい人
- 動いた方がいい人:今の会社でこれから上がり幅がない人
迷ったら、今の年収の高さより、この先の上がり幅で見てください。残っても上がらず、60歳で下がることが見えているなら、まだ増えた人の方が多い50代前半のうちに比べておく意味があります。
50代で年収を上げるなら、どの選び方を比べる?
年収を上げる道を3つ、1年目と5年後で比べると次のようになります。
| 選び方 | 1年目の年収 | 5年後までの伸び | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 今の会社に残る | 変わらない | 役職や60歳以降の制度で下がることも | すでに十分な年収があり、なんとなく転職したい人 |
| 同じ職種へ移る | 固定給で上がると決まっているのは、同じ職種へ移るとき | 会社によって違う | - |
| 成果が給料に反映される仕事(営業など)へ移る | 下がることもあるが、初年度しっかりやれば超えられる会社も多い | インセンティブで上がる人は多い | 今の会社でこれから上がり幅がない人 |
※採用の現場の見方をもとに編集部が整理したものです。「同じ職種」「インセンティブ」の欄は、35歳前後で転職した人について聞いた回答です。伸び方は会社と本人によって違います。
表の「同じ職種」と「インセンティブ」の見方は、50代だけの話ではありません。それでも、どちらの道で年収を上げるかを選ぶ目安になります。
営業職の50代は、年収いくら?
成果が給料に反映される仕事の例として、営業職の年収を年齢別に並べました。50代でも高い水準が続く職種があることが分かります。
| 職種 | 50〜54歳 | 55〜59歳 |
|---|---|---|
| 住宅・不動産営業 | 約830万円 | 約872万円 |
| その他の営業 | 約730万円 | 約791万円 |
| 保険営業 | 約571万円 | 約571万円 |
出典:住宅・不動産営業は厚生労働省 job tag(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)、その他の営業・保険営業は厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」第5表から年収を計算(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額。雇用されている一般労働者のみ)
これは長く続けてきた人も含めた平均です。未経験で移った人の1年目は、この数字より下がることもあります。営業の種類ごとの年収は不動産営業の年収と保険営業の年収で詳しく見られます。
「5年間の合計」で比べるとは?
1年目の年収だけで比べず、5年分の給料を足して比べる考え方です。5年単位で考えれば、給料の合計が格段に上がるケースは十分にあります。1年目に少し下がっても、2〜3年目に大きく上がれば、5年の合計では残った場合を上回ることがあります。
給料の条件だけで選んでいい?
条件だけで選ぶのはおすすめしません。合わなくて辞めた人は、次も条件で見て選び、また合わない会社を選んでしまうことがあります。合う仕事は、話し方・志向性・過去の経験から見極めます。
50代の家計で、年収が下がっても暮らせる?
総務省の「家計調査」(2024年)では、世帯主が50〜59歳の世帯の消費支出は1か月あたり297,819円でした。12か月にすると約357万円です。
自分の家計は、何から確かめる?
この数字は二人以上の世帯と単身世帯を合わせた平均(世帯人員2.38人)です。この表には住宅ローンの返済の項目がありません。自分の家の1か月の支出と、ローンの残りを書き出してみてください。1年目に年収が下がっても暮らせる幅が分かると、選べる仕事が広がります。
家族に「年収下がるじゃん」と言われたら?
家族にそう言われたり、「大変なんじゃないの?」と心配されたりすることもあると思います。正直に言えば、最初は大変です。年収を上げるには、成果が出るまでの時間を使うしかありません。家族に納得してもらえた人がやっていたのは、決める前の早い段階から家族に話しておくことでした。
40代で年収400万円前後の方の家計と年収の話は、40代で年収400万は低い?にまとめています。
50代で年収を下げないために、今週やることは?
数字を見て終わりにせず、今週のうちに次の5つを書き出してみてください。紙1枚で、残るか動くかを比べる材料がそろいます。
- 今の年収(ボーナス込み・税引き前)を、上の平均の表と比べる
- 今の会社で60歳までに上がる見込みと、60歳以降の給料の決め方を規程で確かめる
- 残った場合の5年間の給料の合計を書く
- 1年目に下がっても暮らせる金額を、家計の支出から出す
- 自分の経験(営業・接客・管理など)と、その中で工夫したことを3つ書く
面接で「年収を上げたい」と言っていい?
言って大丈夫です。問題になるのは、年収の話そのものより理由の伝え方です。選考で落ちる人と通った人では、言い方が次のように違います。
- 落ちる言い方:「楽をして給料を上げたい」「なんか飽きた」
- 落ちる言い方:どこの会社にも使える理由、「大手だから」
- 通った言い方:「家族のために選択肢を増やしたい」
- 通った言い方:「稼ぎたい」と本音をそのまま話す
年収を上げたい気持ちは隠さず、その会社で働きたい理由とつなげて話しましょう。
仕事を離れている場合は?
すでに仕事を離れている方は50代で無職になったら、辞めるかどうかで迷っている方は50代で仕事を辞めたいとき、50代の転職全体は50代・50歳の転職も参考にしてください。
まとめ
50代の転職で年収が下がるかどうかは、50代の前半か後半か、そして何を選ぶかで変わります。50〜54歳は賃金が増えた人の方が多く、平均より低い年収から2年目に大きく上げた50代もいました。あなたの経験と話し方に合う仕事を選べば、50代からでも年収を伸ばせる余地は十分にあります。
一方で、55歳を過ぎると減った人が増えた人を上回り、60歳でさらに下がります。後になって「あの時やっていれば」と思わないように、5年の合計でどんな選択肢があるのかだけは、まだ選べる今のうちに確かめておきましょう。
「50代 転職 年収」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
50代で転職すると年収は下がりますか?
50代前半は上がる人の方が多い年代です。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」では、50〜54歳の転職者は賃金が増えた人が39.0%、減った人が28.2%でした。55〜59歳になると、増えた人27.4%に対し減った人36.6%と逆転します。
50代の平均年収はいくらですか?
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した人の平均給与は50〜54歳で559万円、55〜59歳で572万円です。ボーナスを含み、税金や社会保険料を引く前の金額です。
50歳の平均年収はいくらですか?
国の統計は5歳刻みで、50歳ちょうどの平均は出ていません。50歳が入る50〜54歳の平均給与は、国税庁の調査で559万円(男性709万円・女性363万円)です。
50代女性の平均年収はいくらですか?
国税庁の調査では、50〜54歳の女性は363万円、55〜59歳は356万円です。男性と違って年齢による上がり方が小さく、50〜54歳では働く事業所の規模が大きくても305万〜409万円の幅に収まっています。
50代から年収を上げられる仕事はありますか?
成果が給料に反映される営業職などには、50代でも平均年収が高い職種があります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、営業職(その他の営業)の平均年収は50〜54歳で約730万円です。長く続けてきた人を含む平均なので、未経験から移った1年目はこれより下がることもあります。
50代の面接で、年収を上げたいと言っていいですか?
言って大丈夫です。「給料を上げたい」はそのまま伝えてよく、年収の話も普通に伝えます。ただ、「楽をして給料を上げたい」と受け取られる言い方は、選考で落ちる理由になります。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
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執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。