40代で年収300万以下は何割?男女別の割合と社会保険料、300万円前後から上げた人の道
40代で年収300万円未満の人は、雇われて働く人の38.1%で、男性は14.9%、女性は64.6%です(総務省「令和4年 就業構造基本調査」)。年収300万円なら、40歳から加わる介護保険料を含めた社会保険料は、月給にそのまま料率をかけた目安で年約46万円です(2026年4月分から加わる子ども・子育て支援金は含みません)。雇われて働く未婚の40代女性では、49.8%が300万円未満です。
40代になっても、源泉徴収票の金額は300万円前後。まじめに働いてきたのに額面は動かず、40歳を過ぎてからは介護保険料が加わって、引かれる額のほうが増えた。それは本人の頑張りが足りないからとは限りません。頑張りが給料に乗りにくい決まりの会社や働き方にいる、ということもあります。
この記事では、国の統計から40代で年収300万円未満の人の割合を男女・正社員・未婚の女性で出し、年収300万円で引かれる社会保険料と一人暮らしの生活費の目安、そこから年収を上げた人の道を見ていきます。スーパーのパートから営業に移り、3年目に年収520万円になった46歳の方の例もあります(年収は目安・個人の実績)。
楽な道ではありません。それでも、年収300万円前後から上げた40代はいて、道は選べます。
40代で年収300万円以下の人は、何割?
40代で雇われて働く人のうち、年収300万円未満は38.1%で、約5人に2人です。男性は14.9%、女性は64.6%で、男女で答えが大きく違います(総務省「令和4年 就業構造基本調査」)。
この調査の年収は、主な仕事から1年間に得た税込みの収入です。区切りの都合で「300万円未満」「300万円台」と書きます。
男性と女性で、どのくらい違う?
女性の割合は、男性の4倍を超えます。40〜44歳と45〜49歳に分けると、次のとおりです。
| 年齢 | 男性 300万円未満 | 男性 300万円台 | 女性 300万円未満 | 女性 300万円台 |
|---|---|---|---|---|
| 40〜44歳 | 15.8% | 14.8% | 64.2% | 13.6% |
| 45〜49歳 | 14.2% | 13.6% | 64.9% | 12.5% |
出典:総務省「令和4年 就業構造基本調査」第45表(雇用者。所得が分からない人を除いて編集部で計算)
男性の年収300万円未満は、40代の約7人に1人。300万円台までを合わせても29.0%なので、男性なら少ない側にいます。一方の女性は、300万円未満で6割を超え、300万円台まで足すと77.6%に達します。40歳で年収300万円なら、男性では低い方、女性では真ん中より上です(統計は5歳刻みで、40〜44歳の行で判断)。
正社員だけで見ると、何割?
正社員(正規の職員・従業員)に絞ると、40代で年収300万円未満は男性9.3%、女性32.3%で、300万円台は男性14.3%、女性23.3%です。
40代の正社員男性で見ると、年収300万円未満は10人に1人ほどにとどまります。一方、40代女性で年収300万円未満の人のうち、4人に3人(76.7%)は正規の職員・従業員以外(パート・派遣・契約社員など。統計上の雇用者には会社役員も含む)でした。
40代の独身女性で、年収300万円は少ない?
未婚(結婚したことがない)の40代女性で雇われて働く人のうち、年収300万円未満は49.8%で、ほぼ半分です。300万円台は18.9%でした。中央値の統計はありません。
正社員の未婚女性に絞ると、300万円未満は29.6%、300万円台は24.6%です。なお、この数字に離婚・死別で独身の人は入っていません。未婚の40代男性では、300万円未満が33.8%です。このあと、300万円前後から年収を上げた40代女性3人の例を載せています。
「年収300万円以下は全体の何割」は、最新でいくつ?
年齢を問わない数字は、国税庁の調査にあります。令和6年分で、1年を通じて勤めた人のうち年収300万円以下は32.0%(男性17.9%、女性50.6%)でした。令和2年分の37.6%から下がっています。
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」調査結果の概要 第16表(100万円以下・100万円超200万円以下・200万円超300万円以下の人数を合計して編集部で計算)
国税庁の調査は、年齢別には平均給与しか出していません。令和6年分の平均給与は、40〜44歳で男女計516.1万円(男性629.5万円・女性359.3万円)、45〜49歳で540.0万円でした(第10表)。中央値は、どちらの調査にも表がありません。平均との差は40代で年収400万は低い?にまとめました。
年収300万円未満の割合は、年齢とともに減る?
40代後半・50代前半になっても、300万円未満の割合は大きくは変わりません。男性は14〜16%、女性は64〜68%の間です。
35〜54歳で並べると、どうなる?
正社員に絞ると、男女とも40代で少し下がり、50代前半はほぼ横ばいです。35歳から54歳まで、雇われて働く人の年収300万円未満の割合を下の表に並べました。
| 年齢 | 男性 | 女性 | 男性(正社員) | 女性(正社員) |
|---|---|---|---|---|
| 35〜39歳 | 17.9% | 63.0% | 11.5% | 37.0% |
| 40〜44歳 | 15.8% | 64.2% | 9.7% | 33.7% |
| 45〜49歳 | 14.2% | 64.9% | 8.9% | 31.1% |
| 50〜54歳 | 15.0% | 67.3% | 8.9% | 31.5% |
出典:総務省「令和4年 就業構造基本調査」第45表(雇用者・正規の職員・従業員。所得が分からない人を除いて編集部で計算)。年齢ごとに別の人を並べた数字で、同じ人が年をとってどう変わったかではありません。
年収300万円だと、いくら引かれる?
年収300万円(月25万円・賞与なし)なら、社会保険料は年約46.2万円で、引いた額は年約253.8万円、月約21.2万円が目安です。手取りは、ここからさらに所得税・住民税を引いた額です。税の額は、令和8年分の給与所得控除と基礎控除の改正(給与所得控除の最低額が74万円になるなど)と扶養などの控除で人ごとに違うため、この記事では出しません。正確な額は、源泉徴収票と住民税の決定通知書で確かめてください。
| 年収(月給・賞与なし) | 社会保険料(年) | 社会保険料を引いた額 |
|---|---|---|
| 250万円(月約20.8万円) | 約38.5万円 | 約211.5万円 |
| 300万円(月25万円) | 約46.2万円 | 約253.8万円 |
| 350万円(月約29.2万円) | 約53.8万円 | 約296.2万円 |
※2026年度の料率(東京都の協会けんぽ・40〜64歳)で、月給にそのまま料率をかけて編集部で計算。子ども・子育て支援金(2026年4月分から)は含みません。健康保険の料率は都道府県ごとに違います。
社会保険料は、何にいくら引かれる?
2026年度(令和8年度)の料率で計算した、東京都の協会けんぽに入っている40〜64歳の人の目安です。
| 項目 | 本人が払う率 | 月の額 | 年の額 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 4.925% | 12,312.5円 | 147,750円 |
| 介護保険 | 0.81% | 2,025円 | 24,300円 |
| 厚生年金 | 9.15% | 22,875円 | 274,500円 |
| 雇用保険 | 0.5% | 1,250円 | 15,000円 |
| 合計 | 15.385% | 38,462.5円 | 461,550円 |
※料率は協会けんぽ「令和8年度保険料率」(東京都の健康保険9.85%、介護保険は全国一律の1.62%)、日本年金機構(厚生年金18.3%)、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率」(一般の事業の労働者負担5/1,000)。健康保険・介護保険・厚生年金は本人と会社が半分ずつ払い(健康保険法第161条・日本年金機構)、実際は標準報酬月額で決まります(雇用保険は実際の賃金)。子ども・子育て支援金は含みません。編集部で計算。
40歳を過ぎて、引かれる額が増えた?
39歳までと比べると、増えています。介護保険料は40〜64歳の人が払うもので、年収300万円なら本人の分は月2,025円、年24,300円です。2026年4月分からは、全国一律の料率0.23%の子ども・子育て支援金が加わります。本人の負担分は上の表に含めていません。
一人暮らしなら、年収300万円で暮らせる?
平均的な支出には届く額ですが、余裕は大きくありません。総務省「家計調査」2024年では、35〜59歳の一人暮らしの女性の消費支出は月180,007円、男性は月187,902円でした。上の額より2.4万〜3.2万円少ない支出で、ここから所得税・住民税も引かれるため、毎月の余りはそれより小さくなります。
| 世帯 | 1か月の消費支出 | うち食料 | うち住居 |
|---|---|---|---|
| 一人暮らしの女性(35〜59歳) | 180,007円 | 41,502円 | 26,543円 |
| 一人暮らしの男性(35〜59歳) | 187,902円 | 51,710円 | 26,605円 |
| 世帯主が40〜49歳の勤労者世帯(平均3.15人) | 306,379円 | 83,731円 | 20,963円 |
出典:総務省「家計調査(家計収支編)2024年 詳細結果表 単身世帯」第2表、勤労者世帯は労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026」第9-3-1表(総務省「家計調査」2024年)。消費支出に税金・社会保険料は含みません。
この「住居」は、持ち家の人も含めた平均です。35〜59歳の一人暮らしの女性で家賃・地代を払っている世帯は43.8%なので、家賃を払う人は、表の額でなく自分の家賃に置き換えてください。一人暮らしの女性の行は平均年齢52.0歳、調べた世帯は62と少ないため、目安として見てください。
家族がいると、年収300万円ではどうなる?
1人の稼ぎでは届きません。世帯主が40〜49歳の勤労者世帯の支出は月306,379円で、上の額を9万円以上上回ります。この世帯では平均1.60人が働いています。家族の家計の内訳は40代で年収400万は低い?の家計の章にあります。貯蓄・住宅ローン・老後資金・副業の試算は、確かな一次資料がないため扱いません。
年収300万円前後から、年収を上げた40代はいる?
います。次の6人は、採用の現場で見てきた方のうち、40代で年収250万〜330万円から仕事を変えた人です。
転職前は年収300万円。移って2年目に520万円になりました。
年収300万円から仕事を変え、2年目で520万円に。
営業に移った方です。年収320万円が、2年目には560万円になりました。
保育の仕事から営業へ。330万円だった年収は、3年目に620万円です。
パートから営業に移り、250万円から3年目で520万円まで上げました。
子育てをしながら転職し、年収280万円が、3年目に550万円になりました。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
何年目に上がった?1年目は下がる?
3人は2年目、3人は3年目にその年収になりました。転職して2年目なら年収500万円は超えている人がほとんど、というのが監修者・渡辺の、支援してきた人数の中での実感です。
未経験で営業に移ると、1年目は下がることもあります。それでも、初年度にしっかりやれば前の年収を超えられる会社も多い、というのが渡辺の見方です。
医療事務や保育士、パートから、営業の経験がなくても移れる?
移った人がいます。6人とも前の仕事は営業以外で、医療事務・保育士・46歳のパートの3人は営業に、42歳のパートの方は子育てをしながら転職しました。採用で一番差がつくのは、資格や経歴より転職理由です。
渡辺は、女性が評価されやすいのは細やかさや丁寧さが要る営業だと見ています。接客・サービスの仕事の出身なら、強みは第一印象の良さです。一番大事なのは「頑張りたい気持ちがあること」で、すぐに稼げるわけではなく時間軸の問題だとも話しています。
大変さもある仕事です。40代で営業に移った人が一番苦労したのは、最初の見込みつくり(見込み客をつくること)でした。未経験で入った最初の3か月は、知識を学び、先輩から吸収する時期です。
年収300万円台から上げるなら、どの道を選ぶ?
今の働き方で、選ぶ道が変わります。パートや契約で働いているなら正社員を目指す道、正社員なら会社の規模や給料の決まり方を変える道が中心です。
| 今の働き方 | 選ぶ道 | 先に確かめること | 手がかりになる数字・窓口 |
|---|---|---|---|
| パート・契約で、今の会社に登用の道がある | 今の会社で正社員を目指す | 登用の条件と時期 | 年収300万円未満の40代女性のうち76.7%が正社員以外(40代女性) |
| パート・契約で、登用の道がない | 正社員の求人に移る | 正社員の求人の給料の決まり方 | ハローワークのミドルシニア専門窓口(概ね35〜59歳) |
| 正社員で、昇給が小さい | 昇給の決まりが違う会社に移る | 定期昇給の制度と改定額 | 定期昇給の制度がある企業は100〜299人で78.7% |
| 正社員で、頑張った分を年収にしたい | インセンティブのある仕事(営業など)に移る | 固定の部分の額、雇用か業務委託か | 労働基準法第27条(出来高払の保障給) |
※道の整理は編集部によるものです。出典は総務省「令和4年 就業構造基本調査」、厚生労働省「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」、厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査」、労働基準法第27条。
転職すると、前の会社より賃金は上がる?下がる?
「令和2年 転職者実態調査」では、転職して賃金が増えた40〜44歳は41.7%、減った人は37.4%でした。45〜49歳は増えた人39.7%、減った人32.5%で、どちらの年代も増えた人がやや多くなっています。
職種で、40代の年収はどのくらい違う?
国の統計で、40〜44歳の年収を職種の区分ごとに並べると次のとおりです。
| 職種(統計の区分) | 40〜44歳の年収 | 40〜44歳の平均勤続 |
|---|---|---|
| 介護職員(医療・福祉施設等) | 414万円 | 10.3年 |
| 飲食物調理従事者 | 416万円 | 10.2年 |
| 販売店員 | 428万円 | 13.0年 |
| 保育士 | 455万円 | 10.5年 |
| その他の営業 | 720万円 | 12.8年 |
| 機械器具・通信・システム営業 | 732万円 | 13.2年 |
| 金融営業 | 827万円 | 17.6年 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第5表(企業規模10人以上。きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額で計算。残業代を含む)
これは統計の区分ごとの平均で、平均勤続10〜18年の人を含みます。40代で新しく入った人の年収ではありません。職種ごとの詳しい数字は40代で稼げる仕事で比べています。
地方に住んでいるなら、年収300万円は普通?
地域で時給の下限は違います。令和8年度の地域別最低賃金は、最も高い東京が1,280円、最も低い宮崎が1,085円で、全国加重平均は1,177円です(厚生労働省・令和8年9月3日の答申)。宮崎は東京の84.8%です。ただ、地域ごとの40代の年収の分布は手元の統計にないため、「地方なら300万円で普通」とは言えません。
今の会社で年収を上げるには?
正社員なら、2つの順で確かめます。
- 定期昇給の制度があるか、会社の規模でどのくらい上がるかを確かめる
- 不満を会社に伝えて話し合い、本当に良くなるかを見てから残るか決める
会社の規模ごとの昇給は、「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査」(常用労働者100人以上の企業)で下の表のとおりです。
| 企業の規模 | 定期昇給の制度がある | 1人平均賃金の改定額(月) | 改定率 |
|---|---|---|---|
| 100〜299人 | 78.7% | 10,264円 | 3.6% |
| 300〜999人 | 85.4% | 12,308円 | 4.0% |
| 1,000〜4,999人 | 92.0% | 15,859円 | 5.0% |
| 5,000人以上 | 88.7% | 16,784円 | 5.1% |
出典:厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」第2表・第3表(常用労働者100人以上の民間企業。99人以下は含まない)
業種でも違い、同じ調査の第2表では、改定額(月)は建設20,724円(5.9%)、宿泊・飲食10,177円(3.6%)、医療・福祉5,589円(2.3%)でした。
「辞めたい」と言っていた人のうち、残った人に多いのは、会社(社員)としっかり話していることです。残るなら、不満を伝えて話し合ってから決めてください。給料が上がらない仕組みは給料が上がらないのはなぜ?に書いています。
頑張りを認めず、辞めると言ってから上げる会社に残る?
この先も上がる見込みがないなら、動く方を考えてください。渡辺は、今の会社でこれから上がり幅がない人は動いた方がいいと考えています。逆に、すでに十分な年収があり、なんとなく転職したいなら、移らない方がいいとも話しています。
これまで頑張りを認めてこなかったのに、辞めると聞いてから「給料を上げる」と出してくる会社なら、そこに残ることを自分のポリシーが許すかを考えてみてください。額と時期を聞き、3年後にまた辞めたくならないかで決めます。断り方は退職の伝え方へ。
パートや契約から、正社員を目指すには?
今の会社に登用の道がないなら、ハローワークの中高年層(ミドルシニア)専門窓口が使えます。次の3つをすべて満たす人が対象です。
- 概ね35〜59歳
- 正社員での就職を希望する
- これまで安定した就労経験が少ない(正社員の経験が少ない・非正規が多い・短期の就労を繰り返している等)
利用した人の事例には、求人選びの相談、応募書類の作成支援、面接対策が載っています。令和7年度中に、21,034人がこの窓口を使って正社員で就職しました(厚生労働省「支援実施状況」)。くわしい内容は、利用したいハローワークに問い合わせてください。
今がパートや契約でも、そこが出発点です。パートから営業に移った実例もあるので、まずは登用か窓口か、使える道を1つ決めてみてください。
歩合の給料や資格は、先に心配しなくていい?
雇われて働くなら、歩合の仕事でも、会社は労働時間に応じた一定額の賃金(保障給)を保障しなければならないと、労働基準法第27条が定めています(額は条文にありません。固定給が賃金の大半を占める人は対象外)。雇用か業務委託かは、契約の名前でなく働き方の実態で判断されるので、契約の形は先に確かめましょう(くわしくは歩合制とは)。資格は、job tagでは住宅・不動産営業の入職に学歴・資格は必須ではないとされ、資格なしで入って入社後に宅建を取った人もいます。
年収300万円台から動く前に、何を確かめる?
今週のうちに、次の6つを上から進めてください。
- 源泉徴収票の「支払金額」と、給与明細の社会保険料を、この記事の表と並べる
- 自分が正社員か、パート・契約かを確かめ、40代の分布の表のどこにいるかを見る
- パート・契約なら、今の会社に正社員登用の制度と条件があるかを聞く
- 今の会社と移りたい会社の規模、定期昇給の制度があるかを書き出す
- 正社員の仕事を探すなら、ミドルシニア専門窓口の3つの条件に当てはまるかを見る
- 残業をどこまで調整できるか、家庭と先に話しておく
今の仕事を辞めてから探す?在職中に探す?
渡辺は「基本は在職中の方が良い」と話しています。参考に「令和2年 転職者実態調査」で、前の会社を辞めてから今の会社に入るまでの空白を見ると、離職期間なしは40〜44歳27.2%・45〜49歳30.0%、1か月未満まで含めると57.3%・60.6%です。在職中に活動した人の割合ではなく、空白の長さの数字です。
年収を上げたい本音は、面接でどう話す?
「給料を上げたい」は、面接でそのまま言ってかまいません。選考に通った人は「家族のために選択肢を増やしたい」「稼ぎたい」と話していました。落ちるのは「楽して給料を上げたい」のような言い方です。
「経験をどう活かすか」と聞かれたら、これまでの仕事を抽象化してから、相手の仕事の具体に落とすと答えやすくなります。渡辺が挙げる、35歳以上で面接に落ちる人の特徴は、態度が悪い、暗い、エピソードを用意していない、の3つです。答え方の例は転職理由の例文にまとめています。
書類で止まる人もいます。応募で落ち続けた40代には、職務経歴書を書いたことがなく中身がかなり薄いせいで、書類の時点で「ビジネス力が低い」と見られてしまった人もいました。具体的なエピソードを足す書き方は40代の職務経歴書にあります。
子育て中で、残業が難しいときは?
子育て中の人が面接で聞かれるのは「残業は平気か」で、調整できるならそのまま伝えてください。まったく残業しないのは難しく、うまくいくのは調整をつけられる人です。本当に残業が難しいなら、その仕事はやめておいた方がいい、と渡辺は話しています。
営業の経験がない方は40代・未経験からの転職、自分に合う働き方は1分診断で確かめられます。
まとめ
40代で年収300万円未満は、雇われて働く人の38.1%で、男性なら14.9%です。女性では6割を超え、雇われて働く未婚の女性ではほぼ半分。年収300万円なら、社会保険料は目安で年約46万円です。
渡辺は「年齢を重ねるごとに難しくなるのは事実」と話し、動かなかった人からは「あの時やっていれば、これくらいの年収になっていたのかもしれない」という言葉も聞いています。40代のうちに、自分にどんな選択肢が残っているかを確かめておきましょう。
子育てなどで時間に制約があっても、残業の調整をつけられる人はうまくいっています。まったく残業しない働き方は難しいので、どこまで調整できるかを先に決めておきましょう。
医療事務や保育士、パートから営業に移った40代も、パートから事務に移った40代もいます。数字を追うのが苦手でもやっていける、というのが監修者の見方です。数字の追い方は会社によって違うので、自分に合うところを選べば大丈夫です。相談では、話し方・志向性・これまでの経験から、合う仕事を一緒に考えます。
「40代 年収300万」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
40歳で年収300万円は低いですか?
男性なら低い方、女性なら真ん中より上です。総務省「令和4年 就業構造基本調査」では、雇われて働く40〜44歳で年収300万円未満の人は、男性15.8%、女性64.2%でした。男性の正社員に絞ると9.7%です。統計は5歳刻みで、40歳ちょうどの数字は出ていません。
40代で年収300万円以下の人の割合は?
雇われて働く40代のうち、年収300万円未満は38.1%(男性14.9%・女性64.6%)でした(総務省「令和4年 就業構造基本調査」から編集部で計算)。年齢を問わない全体では、国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」で年収300万円以下が32.0%です。
40代の独身女性で年収300万円は少ないですか?
未婚の40代女性(雇われて働く人)では、年収300万円未満が49.8%で、ほぼ半分です。300万円台は18.9%でした(総務省「令和4年 就業構造基本調査」から編集部で計算)。中央値の統計はありません。
40代で年収300万円だと、一人暮らしはできますか?
平均的な支出には届く額ですが、余裕は大きくありません。総務省「家計調査」2024年で、35〜59歳の一人暮らしの女性の1か月の消費支出は180,007円、男性は187,902円でした。年収300万円の社会保険料を引いた額(月約21.2万円)より2.4万〜3.2万円少なく、ここから所得税・住民税も引かれます。持ち家の人も含む平均なので、家賃を払う人は自分の家賃で確かめてください。
年収300万円だと、社会保険料を引いていくら残りますか?
社会保険料を引いた額(税金を引く前)は、年約253.8万円、月約21.2万円が目安です。2026年度の料率で、東京都の協会けんぽに入る40〜64歳・賞与なし(月25万円)の人として計算すると、社会保険料は年約46.2万円です。2026年4月分から加わる子ども・子育て支援金は含めていません。ここからさらに所得税と住民税が引かれます。税金の額は控除によって人ごとに違うため、源泉徴収票で確かめてください。
40代で年収300万円から上げるには、資格を取るのが先ですか?
先でなくてもかまいません。厚生労働省のjob tagでは、住宅・不動産営業は入職に学歴・資格が必須ではないとされています。採用の現場では、年代を問わず、資格なしで入り、入社後に宅建を取った人もいます。
パートから年収を上げた40代の女性はいますか?
います。本文の実例のとおり、スーパーのパートから営業に移った46歳の方と、子育てをしながらパートから転職した42歳の方がいます(年収は目安・個人の実績)。医療事務や保育士から営業に移った40代の女性もいます。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
- 総務省統計局「令和4年 就業構造基本調査」第40表(男女、配偶関係、年齢、従業上の地位・雇用形態・起業の有無、所得、教育別人口)
- 総務省統計局「令和4年 就業構造基本調査」第45表(男女、年齢、従業上の地位・雇用形態、所得、従業者規模別人口)
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年 詳細結果表 単身世帯」第2表(男女、年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出)
- 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026」第9-3-1表(総務省「家計調査」2024年 世帯主の年齢階級別)
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」調査結果の概要(第16表 給与階級別給与所得者数・構成割合)
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第10表(年齢階層別の平均給与)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度保険料率」
- 日本年金機構「厚生年金保険料額表」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省「令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内」
- e-Gov法令検索「健康保険法」第161条
- 国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」・No.1199「基礎控除」
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第5表
- 厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」
- 厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」(個人調査 表13・表20)
- 厚生労働省「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」
- 厚生労働省「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」支援実施状況
- 厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(令和8年9月3日)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「住宅・不動産営業」
- 厚生労働省「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」を労働基準監督署に設置します(令和6年10月25日)
- 労働基準法 第27条(出来高払制の保障給)
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
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執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。