接客業を辞めたいのは甘え?35歳以上が飲食・アパレル・エステから移るときの強みとつまずき、年収を上げた実例
接客業を辞めたいと感じるのは甘えではありません。経験15年以上で比べると、販売店員の年収は平均430万円、営業の区分は730万円です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から計算)。接客出身の強みは第一印象の良さで、苦労しやすいのは契約を取ることと新しい知識で、36歳・カフェ店員から年収300万円が2年目に520万円になった人もいます(年収は目安・個人の実績)。
やってもやっても給料が上がらない。休みは取りにくく、時間も長い。役職が上がっても、増えるのは責任ばかりで給与は変わらない。販売店員では、経験15年以上の人の年収でも、1〜4年の人との差は100万円ほどです。
35歳を過ぎて「接客業を辞めたい」と思うのは、根性が足りないからではありません。
国の統計では、販売店員の年収は経験1〜4年の人で330万円、15年以上の人で430万円です。営業の区分(その他の営業)は、経験1〜4年で568万円でした。経験15年以上の人の平均でも、営業の経験1〜4年の人の平均に届きません。
楽な道とは言いません。営業に移れば、契約を取る大変さが待っています。それでも、接客で身につけた力は持ったまま移れます。
接客業を辞めたい。35歳を過ぎて辞めてもいい?
今の職場でこの先給料が上がる見込みがないなら、辞めて動いていい。これから上がり幅がない人は「動いた方がいい」というのが、採用支援を行う株式会社Jingasの渡辺の考えです。一方で、すでに十分な年収があり、なんとなく転職したい人なら、移らない方がいい場合もあるでしょう。
接客から移って、年収を上げた人もいます。
年収350万円が、3年目に600万円になりました。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
接客業を辞めたいのは、甘え?
甘えとは違うと考える根拠は2つあります。1つは辞める人の多さで、2024年に宿泊業・飲食サービス業で仕事を離れた一般労働者は18.1%で、全産業の11.5%を6.6ポイント上回りました(厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」)。
もう1つは給料の水準です。販売店員を含む卸売業・小売業(産業)の一般の離職率は10.7%で全産業並みですが、給料は営業の区分と差があります(下のグラフ)。
「接客業に向いてない」と感じたら、辞めるべき?
接客そのものが合わないのか、働き方と給料の条件が合わないのかで答えが変わります。job tagで比べると、ホテルのフロントは働く時間が「規則的」、住宅・不動産営業は「不規則」に当てはまるという結果です。仕事に求めるものでも、不動産営業は「報酬や収入」3.5・「私生活との両立」3.2、フロントは2.3・2.8でした。不動産営業は、仕事に収入を求める度合いが高い職業といえます。
土日に休みたいのが一番の理由なら、不動産の営業は働く時間が不規則とされ、移っても解決しない場合があります。給料の水準を変えたいのか、接客のまま職場を変えたいのか。ここが分かれ道です。
人と接すること自体がつらいなら、接客が合っていない可能性があります。人と接するのは苦にならず、給料の水準や働き方の条件に不満があるなら、仕事を変えて解決できる部分もあるでしょう。営業の場合、向いていないのは、人と関わるのが嫌な人、家で仕事をしたい人、ゆったり働きたい人です。
辞めないほうがいいのは、どんな人?
次に当てはまる人は、辞める前に今の職場で続ける道と比べてください。
- すでに十分な年収があり、なんとなく転職したい人
- 子育てなどで、残業が本当にできない人(営業でも、残業をまったくしない働き方は難しい)
クレームや人間関係がつらいとき、どこに相談できる?
職場のトラブルは、厚生労働省の総合労働相談コーナーに相談できます。専門の相談員が面談か電話で受け、予約は要らず無料です。
気持ちや体が限界に近いときは、厚生労働省の「こころの耳」も使えます。働く人とその家族向けのサイトで、電話・SNS・メールの相談窓口を案内しており、匿名・無料で相談できます。
接客業は、なぜ辞めたくなる?
採用の現場で聞く理由は、やってもやっても給料が上がらない、休みが取りにくい、時間も長い、役職が上がって責任ばかり増えるのに給与は上がらない、の4つです。
国の数字では、宿泊・飲食と生活関連サービス(美容・娯楽など)は人の入れ替わりが全産業より大きく、平均年収は比べた6区分でどれも350〜390万円台でした。土日休みやクレームの多さを示す国の数字は見つからず、ここでは扱いません。
飲食・ホテル・販売は、どのくらい人が入れ替わっている?
| 産業 | 一般 入職率 | 一般 離職率 | パート 入職率 | パート 離職率 |
|---|---|---|---|---|
| 全産業 | 11.8% | 11.5% | 22.7% | 21.4% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 21.2% | 18.1% | 33.3% | 29.9% |
| 生活関連サービス業・娯楽業 | 17.0% | 16.9% | 25.4% | 21.9% |
| 卸売業・小売業 | 10.3% | 10.7% | 20.7% | 21.3% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表4-2(2024年。一般は短時間でない労働者、パートはパートタイム労働者)
35〜54歳は、何が理由で仕事を辞めている?
全産業の値で、「その他の個人的理由」「その他」を除いた上位2つです。
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 35〜39歳 | 労働条件(労働時間・休日等)13.5%、給料等収入が少ない11.8% | 労働条件15.0%、職場の人間関係12.7% |
| 40〜44歳 | 職場の人間関係16.0%、給料等収入が少ない10.5% | 給料等収入が少ない15.1%、労働条件12.3% |
| 45〜49歳 | 給料等収入が少ない14.3%、人間関係・会社の将来が不安 各10.0% | 労働条件15.3%、定年・契約期間の満了12.9% |
| 50〜54歳 | 給料等収入が少ない9.5%、人間関係・労働条件 各8.7% | 定年・契約期間の満了13.2%、労働条件11.2% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表5(全産業。前職を辞めた理由を1つ選ぶ形)
接客の仕事の平均年収は、いくら?
国の統計に「接客業」の区分はないため、近い職種を並べました。営業の区分(その他の営業)とは270万円以上の差があります。
| 職種の区分 | 含まれる仕事の例 | 平均年齢 | 年収(男女計) | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|---|---|
| 販売店員 | 百貨店・スーパー・小売店の店員、登録販売者 | 43.6歳 | 約385万円 | 約459万円 | 約318万円 |
| 飲食物給仕従事者 | 飲食店のホール係、喫茶店・ファーストフード店員 | 41.1歳 | 約371万円 | 約439万円 | 約327万円 |
| 美容サービス・浴場従事者(美容師を除く) | エステティシャン、ネイリスト、着付師 | 37.9歳 | 約354万円 | 約398万円 | 約333万円 |
| 理容・美容師 | 美容師、理容師 | 30.0歳 | 約389万円 | 約453万円 | 約357万円 |
| 身の回り世話従事者 | 旅館・ホテルの客室係、接客係、仲居 | 41.9歳 | 約362万円 | 約404万円 | 約328万円 |
| 娯楽場等接客員 | パチンコ店の店員、映画館の案内係 | 40.6歳 | 約390万円 | 約428万円 | 約340万円 |
| その他の営業(比較) | 不動産セールス員、医薬品・食料品などの営業 | 42.4歳 | 約661万円 | 約689万円 | 約553万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第1表・職種解説(一般労働者・企業規模10人以上)。年収=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与で編集部が計算。アパレルや携帯ショップの店員という区分はなく、小売店の店員は販売店員に入ります
平均には長く続けた人も入ります。表は残業代を含み、下のグラフは含まない計算で、基準が別です。
接客業の給料は、上がっている?
上がってはいますが、上がり幅は全体より小さめです。2025年の1人平均賃金の改定率は、全体の4.4%に対して、宿泊・飲食は3.6%、生活関連サービス・娯楽は2.9%でした(厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査」。従業員100人以上の企業)。
何年続けると、給料はいくらになる?
比べた3区分(販売店員・飲食物給仕・美容サービス)は、経験15年以上の人でも年収413〜438万円です。営業の区分(その他の営業)は、経験1〜4年の時点でこれを上回ります。
別の人を経験年数ごとに並べた数字で、同じ人の変化とは違います。女性に絞ると、販売店員は1〜4年303万円・15年以上328万円、その他の営業は1〜4年549万円・15年以上614万円でした(同じ表の女性の値)。
接客と営業で、働く時間はどのくらい違う?
国の平均では、大きくは変わりません。2025年6月の1か月で、飲食物給仕は所定内165時間・残業13時間、販売店員は161時間・8時間でした。その他の営業は163時間・10時間です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第1表)。
会社ごとの差は、この平均では分かりません。
接客で身につけた力は、営業でどう活きる?
接客・サービス業出身の人の強みは、第一印象の良さです。35歳以上が採用で評価されるのは、これまでの社会人経験と信頼しやすさです。
ホテル・エステの経験は、営業のどこで活きる?
パチンコ店・ホテル・エステなどで身につけたホスピタリティは、営業でお客さんとの信頼をつくるうえで大事になります。給料は、身の回り世話(ホテルの客室係など)が経験1〜4年304万円・15年以上407万円、美容サービス(エステなど)が318万円・438万円でした(令和7年賃金構造基本統計調査 第14表から計算)。
job tagでホテル・旅館のフロントと住宅・不動産営業を比べると、聞く力やお客さんへの対応は近く、説得・交渉と法律の知識で差が大きく出ています。
| 項目 | フロント(ホテル・旅館) | 住宅・不動産営業 | 差 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力(スキル・0〜7) | 3.9 | 4.4 | 近い |
| 顧客サービス・対人サービスの知識(0〜5) | 3.5 | 3.2 | 近い |
| 他者とのかかわり(仕事の性質・1〜5) | 4.5 | 4.7 | 近い |
| 説得(スキル・0〜7) | 2.6 | 3.9 | 大きい |
| 交渉(スキル・0〜7) | 2.4 | 4.2 | 大きい |
| 法律学・政治学の知識(0〜5) | 0.6 | 2.3 | 大きい |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「フロント(ホテル・旅館)」「住宅・不動産営業」しごと能力プロフィール(2026-10-07 取得)。職業どうしを比べるための目安で、「この数値以上なら向いている」という基準ではありません
飲食・カフェから移るなら、何を知っておく?
飲食出身の人は、最初に営業のやり方と接客の違いに迷います。未経験で営業に入った35歳以上の人がまず試されるのは、成果が出る日まで続けられるかどうか。過ごし方は、下の「契約を取れるか怖いときは?」にまとめました。
アパレル・携帯ショップなど販売から転職するなら、何を伝える?
パチンコ店・飲食店・ホテルのほかに、転職する人の前職でよく見るのがアパレルなどの接客系です。35歳以上が面接で詰まりやすいのが「これまでの経験をどう活かすか」なので、販売の場面を一段まとめてから、営業の場面に当てはめて話します。
たとえば「来店したお客さんの好みを聞いて、予算に合う品を選んでもらってきた」なら(編集部の例)、「相手の希望を聞き出し、納得して決めてもらう経験」とまとめます。そのうえで、営業での使い方を、実際の場面と一緒に伝えてください。
接客業から転職して、年収を上げた人はいる?
います。採用の現場で見てきた、実際に転職が決まった方のうち、前の仕事が接客だった方を紹介します。
年収300万円が、移って2年目に520万円になりました。
年収400万円から、2年目に550万円まで上がっています。
年収400万円が、3年目には600万円になりました。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
35歳・40代からでも、接客業から移れる?
答えは「移れる」です。35歳以上が採用で評価されるのは社会人経験と信頼しやすさで、冒頭の38歳の方を含めた4人とも、35歳を過ぎてから年収を上げています。
移った人の給料はどうなった?
全産業の値ですが、国の調査では、転職して賃金が増えた人は、35〜39歳で45.5%、40〜44歳で45.9%、45〜49歳で46.4%で、減った人(24.3%・29.0%・23.8%)より多い結果でした。50〜54歳は増加39.0%・減少28.2%、55〜59歳では増加27.4%が減少36.6%を下回ります(厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」表6・全産業)。年代別の判断は35歳で仕事を辞めたい?と40代で仕事を辞めたいと思ったら?にあります。
接客から営業に移ると、どこでつまずく?
接客出身の人が苦労しやすいのは、契約を取ることと新しい知識を覚えることです。それとは別に、40代で営業に移った人(前職は接客以外も含む)が一番苦労したのは、最初の見込みつくりでした。
1年目の年収は、下がる?
35歳前後の例では、固定給で移ると1年目は下がることが多い一方、インセンティブで上がる人も多くいます。初年度にしっかり取り組めば、前の年収を超えられる会社も多いと見ています。
お客さんを自分で見つけるのが不安なときは?
job tagによると、住宅・不動産営業の新人がまずやるのは、新規のお客さんの獲得です。ただ、ずっと一人で探し続けるわけではありません。job tagには、契約が成立して信頼されると紹介をもらえることもあり、広告を見たお客さんからの問い合わせもあると書かれています。最初の3か月は、知識を学び、先輩から吸収する期間と考えてください。
契約を取れるか怖いときは?
営業を続ける人と辞める人の違いは、成果が出ないことを怖がりすぎるかどうかです。成果が出るまでは、早いところで3か月くらい。ただし職種によってかなり左右されます。
1件の金額が高いものは、成果が出るまでに時間はかかりますが、楽だったりします。
新しい知識は、どう覚える?
job tagでは、住宅・不動産営業に入るのに特に学歴や資格は必要とされていません。job tagでは宅建士を取ると有利ともされますが、資格なしで営業に入り、入社後に宅建を取った50代もいます。
数字を追うのが苦手でも、営業はできる?
できます。数字の追い方は会社ごとに違うので、合うところを選べばやっていける、というのが答えです。
売るものの単価でも追い方は違い、ウォーターサーバーのように安いものをたくさん売る営業と、不動産のように1件が高い営業では、成果が出るまでの時間が別物です。
「営業はやめとけ」と言われる理由のうち、数字を追うのは本当。詰められる・ブラックは誤解だと見ています。くわしくは「営業はやめとけ」は本当?にあります。
接客業の人に向く仕事は、どう選ぶ?
給料の水準は大事です。ただ、条件で会社を選ぶと、次も合わない会社を選んでしまいます。面談では、話し方・志向性・過去の経験を見て合う仕事を考えています。
人と話すのが好きなら、どんな営業が合う?
job tagでフロント(ホテル・旅館)と比べると、住宅・不動産営業の「外部の顧客等との接触」は3.8とフロントの3.4に近い値です。
向き不向きは営業に向いてる人・向いていない人の違いで確かめてください。
接客のまま、職場を変えるのはあり?
ありです。35歳前後では、固定給のまま年収が確定して上がるのは、同じ職種に移るとき。接客の仕事を続けたい人には、職場を変える道も選択肢になります。
気をつけたいのは選び方で、同じ理由でまた辞めることになるケースも多くあります。人間関係が理由で辞めた人が次でつまずきやすいのも、結局は給料や休みの条件で探してしまうところです。
営業以外の仕事も考えるなら?
事務の仕事も候補の1つ。国の統計では、総合事務員の年収は経験1〜4年で432万円、15年以上で618万円でした(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」第14表・男女計から計算)。job tagでは、医療事務(年収528.7万円)と施設介護員(388万円)はどちらも「特に学歴や資格は必要とされない」とされ、施設介護員は介護福祉士等を取得した人の就職が多いとあります(年収は統計区分の数字)。22職種は40代で稼げる仕事はどれ?にあります。
子育て中で、残業が心配なときは?
面接で「残業は平気か」と聞かれたら、調整ができることを伝えます。女性が稼げる仕事でうまくいくのは、子どもや家のことの調整をつけられる人です。女性の場合、評価されやすい営業は、細やかさや丁寧さが求められるものです。本当に残業が難しいなら、営業はやめておいた方がいいこともあります。
接客から移る前に、何を確かめる?
応募の前に、次の7つを書き出しておきます。
- 辞めたい理由は「接客そのもの」か「今の職場の条件」か
- 今の会社で、この先の昇給や役職の道があるか
- 接客で工夫した場面を3つ(お客さんの反応まで)
- 人と関わる仕事を、これからも続けたいか
- 残業をどこまで調整できるか(家族の予定も含めて)
- 1年目に年収が下がっても、何か月なら家計が持つか
- 応募先の給料は、固定給とインセンティブの割合がどうなっているか
辞める前に、今週やることは?
在職中に動く?辞めてから動く?
基本は、在職中に次を探す方が良いというのが答えです。残ると決めた人に多いのは、会社の人としっかり話していたことです。残るなら、不満を伝えて話し合ってから決めてください。退職の伝え方や手続きは退職の伝え方にまとめています。
面接で、接客の経験をどう話す?
経験をまとめてから、具体的な場面に落として話すのが基本です。35歳以上で面接に落ちる人は、態度が悪い・暗い・エピソードを用意していない人で、どれも準備で変えられます。「給料を上げたい」という本音は、そのまま伝えてかまいません。答え方の例は35歳以上・40代の面接で落ちるのはなぜ?にあります。
「辞めるなら給料を上げる」と言われたら?
何年も昇給の話がなかったのに、退職の話をした日に給料の話が出てくる。その順番をどう受け取るかは、あなたが決めていいことです。
迷ったら、その条件で働き続けて本当に良くなるかを考えます。3年後にまた同じ理由で辞めたくなりそうなら、断る方を選んでください。断り方は退職の伝え方にあります。
家族には、いつ話す?
決める前から相談しておきます。家族を説得できた人は、事前から話していました。反対されて動かなかった人は、その後も挑戦できず、年齢を重ねて難しくなります。
まとめ
- 接客業を辞めたいのは甘えではない。宿泊・飲食の離職率は18.1%で全産業より高い。販売店員を含む卸売・小売(産業)は全産業並み
- 比べた接客の3区分(販売店員・飲食物給仕・美容サービス)は、経験15年以上でも年収413〜438万円
- 接客で身につけた印象の良さとホスピタリティは営業でも使える。新しく身につけるのは契約の取り方と知識
- 接客から移って年収を上げた35歳以上の人がいる(個人の実績)
接客と営業の給料の水準の差は、努力不足のせいではありません。営業は楽ではありませんが、接客で積んだ力を持ったまま、給料の水準が違う仕事を選ぶことはできます。
成果が出るのは早いところで3か月ほどで、1件が高い営業は時間はかかりますが楽だったりします。大変さはあっても、道は選べる。これが答えです。
年齢を重ねるほど、移るのは難しくなります。動かなかった人から聞くのは「あの時やっていれば、これくらいの年収になっていたのかもしれない」という言葉です。
数年後に後悔しないために、自分に合った仕事があるかどうかを、今のうちに確かめておいてください。合う仕事を選べば、接客で積んだ経験は活かせます。まずは1分診断で、近い人の例を見るところからでもかまいません。
「接客業 辞めたい」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
接客業を辞めたいのは甘えですか?
甘えではありません。宿泊業・飲食サービス業の一般労働者の離職率は18.1%で、全産業の11.5%を上回っています(厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」)。販売店員を含む卸売業・小売業(産業)の一般の離職率は10.7%で全産業並みですが、販売店員の年収は経験15年以上の平均で430万円、営業の区分は経験1〜4年の平均で568万円と、水準に差があります(令和7年賃金構造基本統計調査から計算)。この先給料が上がる見込みがないなら、動いていいと考えます。
接客業を辞めたい理由で多いのは何ですか?
採用の現場でよく聞くのは、やってもやっても給料が上がらない、休みが取りにくい、時間も長い、役職が上がって責任ばかり増えるのに給与は上がらない、の4つです。国の統計でも、販売店員の年収は経験1〜4年330万円、15年以上430万円で、続けた年数のわりに差が小さく出ています(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」から計算)。
接客業に向いていないと感じたら、どうすればいいですか?
接客そのものが合わないのか、働き方と給料の条件が合わないのかを分けて考えます。営業の場合、向いていないのは、人と関わるのが嫌な人、家で仕事をしたい人、ゆったり働きたい人です。
接客業の経験は、転職で活かせますか?
活かせます。採用の現場で見る接客・サービス業出身の強みは、第一印象の良さです。ホテルやエステなどで身につけたホスピタリティは、営業でお客さんの信頼をつくるときに大事になります。苦労しやすいのは、契約を取ることと、新しい知識を覚えることです。
飲食やアパレルから営業に移ると、最初に何でつまずきますか?
飲食・アパレル出身の人は、営業のやり方と接客の違いに迷います。接客出身の人が苦労しやすいのは、契約を取ることと新しい知識を覚えることです。別に、40代で営業に移った人(前職は接客以外も含む)が一番苦労したのは、最初の見込みつくりでした。
35歳・40代で接客業から転職して、年収は上がりますか?
上がった人はいます。採用の現場では、36歳・カフェ店員で300万円が2年目に520万円、41歳・携帯ショップで400万円が2年目に550万円になった方がいます(年収は目安・個人の実績)。35歳前後で移った人を見ると、固定給で入った1年目は下がることが多い一方、インセンティブのある仕事では上がる人も多くいます。
接客業を辞めるのは、次を決めてからがいいですか?
基本は在職中に次を探す方が良い、というのが採用支援を行う株式会社Jingasの渡辺の考えです。職場の人間関係やクレームで心身がつらいときは、厚生労働省の総合労働相談コーナー(予約不要・無料)にも相談できます。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」2 産業別の入職と離職(表4-2)
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」3 転職入職者の状況(表6)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第1表(職種別の給与・賞与・労働時間)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第14表(職種・経験年数別)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種解説
- 厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「住宅・不動産営業」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「フロント(ホテル・旅館)」
- 厚生労働省「こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)」
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
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執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。