35歳で年収600万は転職すべき?残る・動くの分かれ目を5年の合計で判定
35歳で年収600万円の場合、すでに十分な年収があって、転職したい理由が「なんとなく」なら、固定給が下がってまで移らない方がいい、というのが採用の現場を見てきた監修者の考えです。逆に、今の会社でこの先の上がり幅が無いなら、動いた方がいいと言います。国の調査では35〜39歳で転職した人の35.3%は賃金が1割以上増え、16.3%は1割以上減っているので、1年目の額でなく5年の合計で比べて決めてください。
35歳・36歳で年収600万円。昇給は毎年数千円で、上の役職の人の年収も今とそれほど変わらない。同年代の平均よりは多いのに、この先の5年が見えない。
残るか動くかを決める材料として、採用の現場を見てきた監修者の渡辺の判断基準と、35〜39歳の国のデータを並べました。物差しは「転職したい理由」「今の会社の上がり幅」「5年の給料の合計」の3つ。手取りの計算と、実例一人ひとりの転職理由は扱いません。
35歳・36歳で年収600万は、転職すべき?
すでに十分な年収があって、転職したい理由が「なんとなく」なら、固定給が下がってまで移らない方がいい。今の会社でこれから上がり幅が無いなら、動いた方がいい。渡辺の答えはこの2つです。600万円が十分かは家計と数年後にほしい額で決まり、迷えば5年分の給料で比べる、というのが編集部の見方です。
35歳で年収600万円は、同年代と比べて高い?
国税庁の調査では、36歳を含む35〜39歳の平均給与は、男女計で482.1万円でした。600万円は、それより約118万円多い額です。男性の平均573.8万円と比べても、少し上にあります。
| 年齢 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 30〜34歳 | 448.7万円 | 511.6万円 | 361.5万円 |
| 35〜39歳 | 482.1万円 | 573.8万円 | 351.3万円 |
| 40〜44歳 | 516.1万円 | 629.5万円 | 359.3万円 |
| 45〜49歳 | 540.0万円 | 663.0万円 | 368.6万円 |
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第10表 その3(1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与。給料・手当・賞与の合計)。この記事の年齢別の数字は、どれも年齢ごとに別の人を並べた平均で、同じ人の推移ではありません。
35〜39歳で年収600万円以上の人は、何%?
総務省の就業構造基本調査で、35〜39歳の雇われて働く人のうち、主な仕事の年収が600万円以上の人は、男性28.8%、女性5.6%でした。男性ならおよそ3〜4人に1人、女性ならおよそ18人に1人です。
| 35〜39歳 | 男女計 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 雇われて働く人全体 | 18.2% | 28.8% | 5.6% |
| うち正規の職員・従業員 | 23.4% | 30.8% | 9.2% |
出典:総務省統計局「令和4年 就業構造基本調査」第45表(雇用者・役員を含む。主な仕事の税込み年収。所得の区分の合計を分母に編集部で計算。2022年10月1日時点)。国税庁の表とは年収の数え方が違います。
年収600万円を超えるのは、何歳?
国税庁の表で見ると、男性の平均が600万円を超えるのは40〜44歳の629.5万円からでした。女性は30〜34歳から60〜64歳のどの区分でも400万円未満で、一番高い45〜49歳でも368.6万円です。
勤め先の規模で、35〜39歳の年収はどのくらい違う?
35〜39歳の男性の平均給与を事業所の規模別に見ると、100人以上では546.6万〜700.9万円でした。同じ年代の男性と比べた位置の目安です。
| 事業所の規模(35〜39歳・男性) | 平均給与 |
|---|---|
| 100〜499人 | 546.6万円 |
| 500〜999人 | 591.1万円 |
| 1,000〜4,999人 | 677.8万円 |
| 5,000人以上 | 700.9万円 |
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第10表。規模は働いている事業所の人数で、会社全体の人数ではありません。
男女計や100人未満の規模は35歳の平均年収へ。
残るか動くか、どう決める?
次の表で、自分がどちらの側に多く当てはまるかを見てください。左の列が多いなら今は残り、右の列が多いなら外の選択肢を確かめる時期です。
| 確かめること | 残る側 | 動く側 |
|---|---|---|
| 転職したい理由(渡辺) | なんとなく | 今の会社でこれから上がり幅が無い |
| 理由を言葉にできるか(編集部) | できない | 「稼ぎたい」など一言にできる |
| 上の役職の人の年収(編集部) | 今より十分に高い | 今の600万円とあまり変わらない |
| 毎年の昇給(編集部) | 今の会社で着実に上がっている | ほとんど上がらない |
| 下の試算表の合計の見込み(編集部) | 残る方が多い | 動く方が多くなりそう |
| 家計と、数年後にほしい年収(編集部) | 今の額で暮らしが回り、今の会社で届きそう | 今の会社では届かない |
| 1年目に下がる額を、家計が受け止められるか(残る側=渡辺/動く側=編集部) | 受け止められない(借金やローンで年収を下げられない) | 家族と話して、受け止められる見込みがある |
※(渡辺)は監修者の基準、(編集部)は確かめるための物差しです。7行目は残る側が渡辺の基準、動く側は「家族を説得できた人は事前から相談していた」という渡辺の話をもとに編集部が置きました。
渡辺によると、残って正解なのは、どうしても年収を下げられないほどの借金やローンがある人です。1年目に1割下がると月にならして5万円、実例のように600万円から500万円(100万円減)なら月約8万円の減少。これを返済と暮らしの中で受け止められるかが、7行目の分かれ目です。
年収600万円で、生活は楽?
家族の人数とローンで変わる、というのが編集部の見方です。総務省の家計調査(2024年)で、総世帯(単身を含む)のうち勤労者世帯の消費支出は、世帯主30〜39歳で月24万6,671円(年に約296万円)、40〜49歳で月30万6,379円でした。税と社会保険料は含みません。
出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2024年 詳細結果 総世帯」勤労者世帯・世帯主の年齢階級別(JILPT「データブック国際労働比較2026」第9-3-1表)。世帯全体の支出です。
35〜39歳は、何を理由に辞めている?
令和2年の転職者実態調査で、35〜39歳が自己都合で前の会社を辞めた理由(3つまでの複数回答)は、「会社の将来に不安を感じた」が29.1%で最も多く、「労働条件(賃金以外)がよくなかった」25.9%、「満足のいく仕事内容でなかった」25.0%、「賃金が低かった」22.9%、「人間関係がうまくいかなかった」18.0%、「能力・実績が正当に評価されない」17.6%でした。
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」個人調査 表16(自己都合による離職の理由・3つまでの複数回答)
自分の理由が、判定表の2行目のように一言で書けるかどうかで確かめてください。
「稼ぎたい」は、転職の理由として言っていい?
言って構いません。面接で「給料を上げたい」はそのまま言って良い、というのが渡辺の考えです。選考に通った人の言い方には「稼ぎたい」「成長したい」「家族のために選択肢を増やしたい」があります。
判定表2行目の「一言にできる」は、この一言のことです。落ちやすいのは「楽をして給料を上げたい」「なんか飽きた」です。
30代後半で転職して、年収を上げた人はいる?
います。30代後半で、営業以外の仕事に移って年収を上げた人も「いくらでもいる」と渡辺は言います。
採用の現場で見てきた30代後半の方には、年収600万円前後から転職して、1年目に500万円へ下がり、4年目に800万円になった人がいました。1年目に下がっても、数年で前の年収を大きく超えた例です。ほかの4人は400万〜500万円から移り、35歳の転職成功例にも例をまとめています。
1年目に500万円 → 4年目に800万円。
年収500万円 → 3年目に750万円。
年収450万円 → 3年目に700万円。
年収420万円 → 4年目に750万円。
年収400万円 → 4年目に700万円。
※採用の現場で見てきた例です。2〜5枚目の4人の年収は、転職して3〜4年目のものです。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
30代後半は、選考で何を見られる?
渡辺によると、35歳以上が評価される点は、これまでの社会人経験と信頼しやすさです。若いと不安に思われる営業もあります。求人の年齢制限は原則禁止で、例外の一つが「期間の定めのない労働契約の対象として、長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を募集・採用する場合」です(ハローワーク)。
面接で詰まりやすい「これまでの経験をどう活かすか」には、抽象化して具体に落として答えます。エピソードと職務経歴書は準備で変えられるので、手順は35歳以上の面接を、30代後半の転職全体は35歳の転職は厳しい?を見てください。
今の会社に残ったら、この先いくらになる?
男性の月給(所定内)を勤め先の規模別に見ると、35〜39歳から55〜59歳までの伸びは大企業で約1.27倍、小企業で約1.13倍でした。自分の会社への当てはめ方は編集部の目安です。
大企業・中企業・小企業で、上がり方は違う?
違います。小企業の男性は、55〜59歳が36.6万円で、50〜54歳の37.1万円とほぼ同じです。
女性は、35〜39歳から55〜59歳までで、大企業31.7→33.6万円、中企業28.8→30.0万円、小企業26.9→27.7万円と、どの規模でも男性より伸びが小さくなっています。
| 男性・年齢 | 大企業 | 中企業 | 小企業 |
|---|---|---|---|
| 35〜39歳 | 100 | 100 | 100 |
| 40〜44歳 | 110.7 | 110.1 | 105.8 |
| 50〜54歳 | 121.7 | 122.9 | 114.2 |
| 55〜59歳 | 127.0 | 123.1 | 112.8 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」第4表の男性の所定内給与額(月額)をもとに、35〜39歳を100として編集部が計算。賞与と残業代を含みません。
自分の会社の上がり幅は、どう確かめる?
統計より確かな手がかりは、自分の会社で5年後・10年後の役職にいる人の年収。その額が今の600万円とあまり変わらないなら、上がり幅は小さいと見ます。上の等級に上がる基準、会社の業績、役職定年の有無までの確かめ方は、給料が上がらないのはなぜ?の5つの質問を使ってください。
35〜39歳で転職すると、年収は上がる?下がる?
令和6年の雇用動向調査では、35〜39歳で転職した人は、賃金が増えた人が45.5%、減った人が24.3%でした。前の年(令和5年)は増加38.0%・減少29.9%で、令和6年は増えた人が7.5ポイント多い年でした。調査が違う令和2年の転職者実態調査では、35〜39歳は増加40.6%・減少37.7%で、差は小さくなります。
| 年齢 | 増えた | うち1割以上 | 変わらない | 減った | うち1割以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30〜34歳 | 46.1% | 36.0% | 29.1% | 24.2% | 16.3% |
| 35〜39歳 | 45.5% | 35.3% | 28.0% | 24.3% | 16.3% |
| 40〜44歳 | 45.9% | 33.2% | 23.7% | 29.0% | 21.2% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表6(転職入職者のうち前職が雇用者の人。前の会社と比べた賃金の変化)。年収帯ごとの数字はありません。
下がった人は、どのくらい下がった?
令和6年の35〜39歳で賃金が減った24.3%のうち、3分の2ほどは1割以上の減少でした(表の右端)。600万円なら、1割は60万円です。
動く場合、600万円からさらに上げるには?
渡辺によると、35歳前後で転職した人の1年目は、固定給が確定している状態だと下がることが多い。ただ、インセンティブで上がる人は多く、確定して上がるのは同じ職種に行くときです。未経験で営業に移った場合も、初年度しっかりやれば前の年収を超えられる会社も多いと言います(年収帯を限った話ではありません)。
編集部の整理では、600万円から上げる道は、同じ職種に移って固定給で上げるか、インセンティブのある仕事で成果の分を上乗せするかの2つ。1年目に下がっても、その後上がったという例もあります(前の章の1枚目の実例)。
会社が転職者の給料や役職を決めるときに考えた要素(複数回答)は、「これまでの経験・能力・知識」が74.7%、「前職の賃金」は25.3%。最も重視した要素では、経験・能力・知識が53.7%、前職の賃金は6.8%でした。
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」事業所調査 表6・図1(転職者がいる事業所・全年齢)
違う職種に移ると、最初の数年はいくら?
上の実例の施工管理・電気工事士に近い区分と、営業の区分を選びました。残業代を含まない計算で、経験1〜4年は455万〜568万円と、どれも600万円を下回ります。
| 統計の区分 | 経験1〜4年の年収 | (参考)35〜39歳の平均 | (参考)35〜39歳の平均勤続 |
|---|---|---|---|
| その他の営業職業従事者 | 568万円 | 646.8万円 | 9.6年 |
| 電気工事従事者 | 455万円 | 727.6万円 | 13.5年 |
| 建築技術者 | 461万円 | 710.1万円 | 10.4年 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第14表(経験年数別・年齢計・男女計。所定内給与×12+年間賞与)と職種(小分類)×年齢階級(35〜39歳・男女計。きまって支給する給与×12+年間賞与)。計算は編集部。経験1〜4年は全年齢の平均で20代も含み、参考の列は表の勤続年数の人を含む平均です。差を「上がる額」とは読まないでください。
渡辺は「5年単位で考えたら、給料の合計が格段に上がるケースは十分にある」と話していました。
5年の合計で比べると、どうなる?
この章の試算と、そこから読める手順は編集部のものです。
下の表では、年収600万円の35歳が残る場合と動く場合を比べました。1年目に1割下がっても、表の例のように2年目以降に上がれば、残るより多くなります。上がり方が小さければ、逆になります。
| 年目 | 残る・毎年2%上がる | 残る・上がらない | 動く・2年目から上がる | 動く・540万円のまま |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 600万円 | 600万円 | 540万円 | 540万円 |
| 2年目 | 612万円 | 600万円 | 620万円 | 540万円 |
| 3年目 | 624万円 | 600万円 | 700万円 | 540万円 |
| 4年目 | 637万円 | 600万円 | 720万円 | 540万円 |
| 5年目 | 649万円 | 600万円 | 750万円 | 540万円 |
| 5年の合計 | 3,122万円 | 3,000万円 | 3,330万円 | 2,700万円 |
| 超えるのに要る平均(2%) | − | − | 約646万円 | 約646万円 |
| 超えるのに要る平均(4.4%) | − | − | 約684万円 | 約684万円 |
※試算の例で、実在の人の数字ではありません。「毎年2%」は第4表の中企業の男性で、35〜39歳と40〜44歳という年齢ごとの平均の差(約10%)を5年に分けて置いた仮の数字です。手順3で出す自分の昇給率に置き換えてください。1年目540万円は1割減です。下の2行は、各残り方を超えるのに要る2〜5年目の平均((残る合計−540万円)÷4)。税金・社会保険料は含めていません。
1年目に60万円下がっても、取り戻せる?
表の「2年目から上がる」は、3年目までの合計が1,860万円で、「残る・毎年2%」の1,836万円より24万円多い額です。表の例では、5年の差は約208万円です。
表は実例から作ったものではありません。実例の4年目800万円は、試算より高い個人の実績にあたります。
ただ、残った場合の昇給を、2025年の賃金の改定率の平均(4.4%・100人以上の企業)で毎年上がると置くと、合計は約3,276万円(600→626→654→683→713万円)。動く場合との差は約54万円まで縮まります。昇給が大きい会社にいるなら、動く理由は小さくなります。
取り戻せるかを分けるのは、移った先で2年目以降に上がる仕組みがあるかどうか。入社前に、固定の分の金額と、成果がどう給料に入るかを確かめておいてください。
動いて失敗するのは、どんな人?
表の右端のように、移った先で上がらなければ、合計は2,700万円。残った場合より300万〜420万円ほど少なくなります。
現場の話では、合わなくて辞めた人は、条件で見て選ぶから、次も合わない会社を選んでしまいます。1社に20年いた人でも、転職後に退職を繰り返すことは少なくありません。
避ける手順は、転職したい理由を先に一言にしてから、その理由がかなう会社かで選ぶことです。条件は、その後に比べます。
1年目に下がることを、家族にはどう話す?
渡辺の見てきた範囲では、家族を説得できた人は事前から相談していました。反対で動かなかった人は、その後も挑戦できず、年齢を重ねて難しくなっていったと言います。上の表に自分の数字を入れて、1年目の額と合計を家族と一緒に見てください。
引き止めで「給料を上げる」と言われたら?
上がる額を5年で比べてください。600万円が630万円になってその後上がらなければ、5年で3,150万円。試算表の「2年目から上がる」3,330万円より180万円少なく、「540万円のまま」2,700万円より450万円多い額です。
渡辺の基準は、本当に良くなるなら残り、3年後にまた辞めたくなりそうなら辞める、です。上げると言われて「それで数年やってみて…」と思う程度なら、辞めた方が良いかもしれません。
残るなら、不満を伝えて会社と話し合ってから決めてください。「辞めたい」と言っていたのに残った人に多いのは、会社としっかり話していることでした。断り方は退職の伝え方へ。
年収600万円の35歳が、今週やることは?
残るにしても動くにしても、判断の材料をそろえるのが先です。次の順に書き出してみてください。
- 転職したい理由を一言で書く。書けなければ、今は残る側と考える(編集部の目安)
- 今の会社で、数年先の役職にいる人の年収を調べる
- ここ3年の自分の昇給の額を書き出し、毎年何%上がったかを計算する
- 上の試算表に、自分の数字を入れて合計を出す
- 1年目に下がっても暮らしが回るかを、家族と話す
- 今の会社にいるまま、移り先の候補で2年目以降の給料の上がり方を確かめる
在職中に動く?辞めてから動く?
基本は在職中の方が良い、と渡辺は話します。なお、令和2年の転職者実態調査では、35〜39歳の転職者は、前の会社を辞めてから次に入るまでの空白が「なし」31.5%、「1か月未満」29.7%で、合わせて61.2%でした。
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」個人調査 表20
600万円の人は、今の給料を受け取りながら、外の選択肢と並べてください。
迷ったときは35歳で仕事を辞めたいときと37歳・スキルなしの転職へ。
まとめ
判断の材料は「今週やること」の1と4でそろいます。理由が言葉にならず試算でも残る方が多ければ今は残り、そうでなければ外の選択肢を確かめる時期です。
合う仕事を選べば、30代後半からでも大丈夫です。30代後半で仕事を変えて年収を上げた人は珍しくない、と渡辺は言います。会社が転職者の給料を決めるとき最も重視したのも、年齢(11.9%)ではなく経験・能力・知識(53.7%)でした(全年齢の事業所調査)。
渡辺が面談で考えてほしいと伝えているのは、「自分が数年後、本当に後悔しないかどうか」「バイアスで判断していないか」の2つです。迷ったまま動けずにいるのは今を守りたい人で、動かなかったことを後悔している人からは「あの時やっていれば、これくらいの年収になっていたのかもしれない」という言葉が出るそうです。残ると決めるのも、ひとつの答え。ただ後悔しないために、自分の経歴で5年後にどんな選択肢があるかは、30代のうちに確かめておいてください。
「35歳 年収600万」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
35歳で年収600万円は、転職すべきですか?
転職したい理由と、今の会社の上がり幅で決まります。すでに十分な年収があって、なんとなく転職したいなら、固定給が下がってまで移らない方がいい、というのが監修者の渡辺の考えです。自分がどちら側かは、記事の中の判定表(7項目)と、5年分の給料を比べる試算表で確かめられます。
36歳で年収600万円は、高い方ですか?
高い方です。総務省「令和4年 就業構造基本調査」で、36歳を含む35〜39歳の雇われて働く人のうち、主な仕事の年収が600万円以上の人は男性28.8%、女性5.6%でした(編集部の計算)。国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の35〜39歳の平均給与は、男性573.8万円、女性351.3万円です。
35〜39歳で転職すると、年収は下がりますか?
下がる人もいますが、上がる人の方が多くいます。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」では、35〜39歳で転職した人のうち賃金が増えた人は45.5%(1割以上増えた人は35.3%)、減った人は24.3%でした。年収帯ごとの数字はないので、600万円の人に限った割合ではありません。
年収600万円の30代後半が転職すると、1年目はどうなりますか?
35歳前後で転職した人の1年目は、固定給が確定している状態だと下がることが多い、というのが採用の現場の実感です。ただ、インセンティブで上がる人は多くいます。固定給のまま上がるのは、同じ職種に移るときです。
引き止めで「給料を上げる」と言われたら、残るべきですか?
本当に良くなるなら残り、3年後にまた辞めたくなりそうなら辞める、という判断の仕方があります。引き止めに応じると、その後の選択肢がなくなることも覚えておいてください。
35歳を過ぎると、応募できない求人はありますか?
上限の年齢を決めた求人が出ることはあります。募集・採用での年齢制限は法律で禁止されていますが、例外として「期間の定めのない労働契約の対象として、長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を募集・採用する場合」は上限の年齢を決めることが認められています(ハローワーク「年齢制限該当事由について」)。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」第10表(年齢階層別の平均給与)
- 総務省統計局「令和4年 就業構造基本調査」第45表(男女、年齢、雇用形態、所得別の雇用者)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」第4表(企業規模・性・年齢階級別賃金)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)×年齢階級
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第14表(経験年数別)
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」3 転職入職者の状況(表6)
- 厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」(個人調査 表13・表16・表20、事業所調査 表6・図1)
- 厚生労働省「令和7年 賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」(第2表・第3表)
- 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026」第9-3-1表(総務省「家計調査」2024年)
- ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
プロフィール ›
執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。