ルート営業に向いている人は?10の質問で分かる合う・合わないと、向いていないときの4つの選択肢
ルート営業に向いているのは、同じお客様と長く付き合うことが苦にならず、小さな変化に気づいて動ける人です。合わないと感じても、営業そのものが合わないとは限らず、50歳でルート営業から移り2年目に年収520万円から650万円になった人もいます。10の質問で、合わないのが仕事なのか会社なのかを先に分けましょう。
ルート営業の求人を見て「新規開拓がないなら自分にもできそう」と思った人。今まさにルート営業をしていて、「自分は向いていないのでは」と感じている人。同じ「向いている人」を調べていても、知りたいことは少し違うはずです。
この記事では、ルート営業に合う人・合わない人を、自分で当てはめられる10の質問にしました。合わないと感じたときに取れる4つの選択肢も、年収の動き方と気をつけることで比べています。現場の話は採用の現場で見てきたことだけ、数字は厚生労働省の調査だけを使いました。
ルート営業だけの年収や離職率は、国の統計に区分がないので扱いません。今の職場で成果を上げるテクニックも、この記事では書きません。きつさの中身と年収の伸び方は「ルート営業はきつい?」にまとめています。
ルート営業に向いているのは、どんな人?
同じお客様と長く付き合うことが苦にならず、小さな変化に気づいて動ける人です。決まった日数で担当先を回り切る段取りが組めれば、話がうまくなくても務まります。
新しいお客様を探す営業と、求められることはどう違う?
新規開拓の営業では、知らない相手に声をかけ、断られても次に進む力が中心になります。ルート営業で問われるのは、すでにある取引を切らさない力です。
| 比べること | ルート営業 | 新しいお客様を探す営業 |
|---|---|---|
| 相手 | すでに取引のある担当先 | まだ取引のない会社や人 |
| 目的 | 取引を続けてもらい、少しずつ広げる | 最初の契約を取る |
| 評価のされ方 | 取引が切れないこと、注文が増えること | 新しく取れた件数や金額 |
| 求められる力 | 約束を守り続ける力、変化に気づく力、段取り | 断られても次に進む力、初対面で話を聞いてもらう力 |
※表は編集部の整理です。評価のされ方は会社によって違います。
聞き上手・気配り・記憶力は、なければだめ?
よく言われるのは、聞き上手・気配り・記憶力です。どれも初めから揃っている必要はありません。担当先の困りごとや注文の癖は、メモや顧客の記録で補えます。大事なのは、聞いたことを次の訪問で活かそうとする姿勢の方です。
合う人に共通していることは?
よく言われる特徴を、ルート営業でよくある場面に当てはめると、次の表のように分かれます。
| 場面 | 合う人の受け止め方 | 合わないと感じやすい人の受け止め方 |
|---|---|---|
| 同じ担当先に毎月顔を出す | 顔なじみになって話しやすい | 毎回同じで飽きてくる |
| 急な注文や頼まれごと | 期日を守れば信頼が増える | 自分の予定が崩れるのがつらい |
| 注文が少し減った | 何があったのか聞きにいく | 数字の上下として流してしまう |
| 何十社もの担当先を回る | 道順と日程を組むのが苦にならない | 段取りを考えるだけで疲れる |
| 給料の上がり方 | 数年かけて上がれば納得できる | 頑張りがすぐ出ないのが不満 |
※表は編集部の整理です。
話すのが得意でなくても、務まる?
務まります。ルート営業は、初対面の相手を口説くより、同じ相手との約束を守り続ける場面の方が長い仕事です。面談で監修者が見ているのも、話のうまさだけではありません。話し方・志向性・過去の経験の3つを合わせて、合う仕事かどうかを見ています。
なお、女性が評価されやすい営業として監修者が挙げたのは、「細やかさや丁寧さが必要な営業」でした。
自分は合う?10の質問で確かめるには
次の10問に「はい」か「いいえ」で答えてください。今ルート営業をしている人は今の仕事を思い浮かべて、これから目指す人は今の仕事で近い場面を思い浮かべて答えます。
- 同じ人と何年も付き合うのは、気が楽な方だ
- 頼まれた期日は、多少無理をしても守りたい
- 相手のちょっとした変化(元気がない、注文が減った)に気づく方だ
- 1日の予定を自分で組み立てるのが苦にならない
- 車での移動や外回りが続いても平気だ
- 毎日違うことがしたい、とは思わない
- 成果がすぐ給料に出なくても、数年で上がれば納得できる
- 断られることより、頼まれごとを断る方がつらい
- 人と会って話すこと自体は嫌ではない
- 家で一人でする仕事より、外に出る仕事がいい
※質問は編集部の整理です。質問9・10は、監修者が営業そのものに向いていないと話す3つの条件(人との関わりが嫌・家で仕事をしたい・ゆったりしたい)から作りました。
答えはどう読む?
まず質問9と10を見てください。どちらかが「いいえ」なら、ルート営業というより営業そのものが合わない可能性があります。営業全体の見分け方は「営業に向いてる人・向いていない人の違いは?」で詳しく扱っています。
9と10が「はい」なら、残りの8問を見ます。1〜6に「はい」が多い人は、ルート営業の毎日に合いやすい人です。7に「いいえ」が付いた人は、仕事の形より給料の決まり方に不満を感じやすいタイプと読めます。
質問8は、新しいお客様を探す営業との分かれ目です。「はい」なら、断られ続けるより、既存の相手の頼みに応える方が気持ちが楽なタイプで、ルート営業に向きやすいと読めます。「いいえ」なら、新しい相手に提案していく営業の方が合うかもしれません。
※目安(編集部): 9・10が「はい」で、1〜6と8のうち「いいえ」が3つ以上なら、ルート営業の仕事の形そのものが合いにくい可能性があります。「いいえ」が7だけなら、会社や給料の形を変えることで解決する可能性があります。
「合わない」と出たのは、仕事?それとも会社?
「いいえ」が付いた質問が、仕事の中身(1〜6と8)なのか、給料の決まり方(7)なのかで分けてみてください。給料の決まり方や担当の量は、会社が変われば変わることがあります。仕事の中身そのものが苦しいなら、会社を変えても同じつらさが続くかもしれません。
合わないと感じやすいのは、どんな人?
物足りなさを感じやすいのは、頑張りをすぐ給料に反映させたい人と、変化の多い毎日を求める人です。ただ、どちらも営業という仕事を降りる理由になるとは限りません。
頑張りを給料に反映させたい人は?
担当先と給料の形が決まっているルート営業では、成果が月ごとの給料に出にくい会社があります。「頑張っても変わらない」が一番の不満なら、合わないのはルート営業の働き方の方です。成果が給料に出る営業の仕組みは「歩合制・インセンティブの営業はきつい?」で確かめてください。
変化や新しいことが好きな人は?
同じ得意先を同じ順番で回る毎日を、退屈に感じやすいタイプです。新しい相手に提案していく営業の方が、手応えを持ちやすいかもしれません。法人向けの営業に合う人の特徴は「法人営業に向いている人の特徴は?」にあります。
営業そのものが合わないのは、どんな人?
監修者は、人との関わりが嫌な人、家で仕事をしたい人、ゆったりしたい人を挙げています。反対に、数字を追うのが苦手なことは、決め手になりません。数字の追い方は会社によって違うので、合うところを選べばやっていける、という見方です。
合わないと感じて動いた人は、どうなった?
ルート営業や営業の仕事から、別の会社へ移って年収を上げた人がいます。次の2人は、採用の現場で見てきた例です。
年収520万円 → 2年目に650万円。
年収450万円 → 4年目に900万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
50代でも、ルート営業から動ける?
動けます。採用の現場で見てきた50代の実例の年収は、ほかの年代と特に変わりません。ただ50代は特に、決まる人に営業経験がある人が多くなります。ルート営業を続けてきた年数も、もちろん営業経験です。
年収は、移ってすぐ上がる?
すぐとは限りません。上の2人は、2年目に650万円、4年目に900万円になっています。監修者によると、成果が出るまでの期間は「早いところは3か月くらい」で、職種によってかなり左右されます。稼げる仕事の大変さは、すぐに稼げるわけではないという「時間軸の問題」だそうです。
向いていないと感じたら、どんな選択肢がある?
選択肢は4つです。どれを選ぶかは、10の質問で「合わない」と出たのが仕事か会社かで決まります。
| 選択肢 | 10問で「いいえ」が付いた所 | 合う人 | 年収の動き方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|---|
| 今の会社で担当や部署を変えてもらう | ほとんど付かない | 不満が担当の量や相手に限られる人 | 会社次第 | 本当に良くなるなら残る。3年後にまた辞めたくなるなら辞める |
| 同じルート営業で会社を変える | 7だけ | 仕事は合うが、給料や会社に不満がある人 | 同じ職種なら固定給で上がることがある | 条件だけで選ぶと、同じ理由で辞めやすい |
| 成果が給料に出やすい営業に移る | 7に加えて、6か8 | 頑張りを給料に反映させたい人 | 1年目は下がることもある。インセンティブで上がる人は多い | 成果が出るまでの期間を耐えられるか |
| 営業以外の仕事を考える | 9か10 | 人と関わること自体がつらい人 | 仕事によって違う | 営業の経験をどう活かすか言葉にしておく |
※「いいえ」の付き方は編集部の目安です。年収の動き方は監修者の話(固定給が決まっている状態だと1年目は下がることが多い、インセンティブで上がる人は多い、固定給で上がるのは同じ職種に行くとき)をもとにした編集部の整理です。
今の会社で担当を変えてもらうのは、ありか?
ありです。「辞めたい」と言っていたのに残った人は、会社の人としっかり話している、と監修者は言います。判断の基準は、本当に良くなるなら残る、3年後にまた辞めたくなるなら辞める、です。
同じルート営業のまま、会社を変えるなら?
仕事の中身は合っていて、給料や会社に不満があるなら、この道です。現場の見方では「固定給で上がるのは、同じ職種に行くとき」。ただし、合わない会社を繰り返す人は「条件で見て選ぶ」ことが原因になっています。
成果が給料に出やすい営業に移るなら?
最初につまずくのは、成果が出るまで耐えられるかどうかです。辞める人は「成果が出ないことを怖がりすぎている」と監修者は見ています。安いものを大量に売る仕事より、1件が高いものの方が成果が出るまでに時間はかかるものの、楽だったりするそうです。
営業以外を考えるなら?
人と関わること自体がつらいなら、営業以外を考えてかまいません。その場合も、担当先と長く付き合ってきた経験は、次の面接で話せる材料になります。面接での話し方は「35歳以上・40代の面接で落ちるのはなぜ?」を読んでください。
「仕事が合わない」で辞める人は、どのくらいいる?
国の調査で見ると、仕事の中身に関わる2つの理由は、男性の35〜59歳でどちらもどの年代も1割に届きません。
一番の理由に「仕事が合わない」を選んだ人は?
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」では、男性の「仕事の内容に興味を持てなかった」は1.9〜7.1%、「能力・個性・資格を生かせなかった」は3.6〜7.9%でした。比べると、「給料等収入が少なかった」は9.0〜14.3%です。理由を1つだけ選ぶ聞き方なので、複数の理由が重なっていた人も1つに絞って答えています。
女性の数字は、どうなっている?
同じ調査の女性では、「仕事の内容に興味を持てなかった」は35〜54歳で3.0〜3.8%、「能力・個性・資格を生かせなかった」は4.7〜5.4%でした。男女とも、仕事の中身だけを一番の理由にして移る人は少数です。
「合わない」の中身は、どう分ける?
「向いていない」と感じたときは、紙に3つの欄を作って書き出してみてください。仕事の中身、給料、人間関係や会社の3つです。監修者は面談で求職者に「バイアスで判断していないか」を考えてもらうと話しています。思い込みで「営業は向いていない」と決める前に、どの欄に不満が集まるかを確かめておきましょう。
未経験・35歳からルート営業を目指すなら?
35歳を過ぎてからでも目指せます。若い方が求められやすいのは事実ですが、35歳以上はこれまでの社会人経験と信頼しやすさで評価される、と監修者は話しています。若いと不安に思われる営業もあるそうです。
接客や販売の経験は、活きる?
活きます。接客・サービス業の出身者の強みは第一印象の良さで、パチンコ店・ホテル・エステなどで身についたホスピタリティは「信頼形成に重要」です。苦労しやすいのは、契約を取ることと新しい知識を覚えることです。
最初に迷いやすいのは、どこ?
飲食やアパレルの出身者が営業に移って最初につまずくのは、営業のやり方と接客の違いに迷うこと。最初の3か月は、商品の知識を学び、先輩のやり方を吸収する期間と考えてください。40代で未経験から営業に移るときの進め方は「40代・未経験からの転職は厳しい?」にまとめました。
次の会社を選ぶとき、何を見て決める?
条件より先に、自分の話し方・志向性・過去の経験に合うかを見てください。監修者が面談で見ているのも、この3つです。
給料や休みの条件だけで選ぶと、どうなる?
合わなくて辞めた人は、次も合わない会社を選んでしまうことがあります。条件で見て選ぶからです。20年1社で続けていた人が、転職して退職を繰り返すことも少なくないそうです。入社前に聞いていた話と違って失敗する例は「40代の転職で失敗しないために」で扱っています。
面接で「ルート営業に向いている」と、どう伝える?
10の質問で「はい」が付いた項目を、実際の場面に置き換えて話します。たとえば「相手の変化に気づける」なら、気づいてどう動き、相手がどう変わったかまで話してください。経験をどう活かすかは「抽象化して、具体に落とす」と答えるのがコツです。
まとめ
ルート営業に向いているのは、同じお客様と長く付き合うことが苦にならず、小さな変化に気づいて動ける人です。合わないと感じても、それが仕事の中身なのか、給料や会社なのかで、取るべき選択肢は変わります。50歳でルート営業から移り、2年目に年収を130万円上げた人もいました。
監修者は「挑戦できるのは今しかない」と話しています。若い方が求められやすいのも事実です。だからこそ「数年後、本当に後悔しないか」を、今のうちに考えておく意味があります。
数字の追い方は会社によって違うので、仕事の中身が合っているなら、合う会社を選べばやっていけます。辞めるかどうかはまだ決めなくていいので、自分に合う選択肢があるかだけ、先に確かめておきましょう。
「ルート営業」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
ルート営業に向いている人はどんな人ですか?
同じお客様と長く付き合うことが苦にならない人、注文の減り方や担当者の様子など小さな変化に気づいて動ける人、決まった日数で担当先を回り切る段取りが組める人です。話がうまいことより、約束を守り続けられることが土台になります。
ルート営業に向いていないのはどんな人ですか?
頑張った分をすぐ給料に反映させたい人、毎日違うことをしたい人は、物足りなさを感じやすいかもしれません。また監修者は、人との関わりが嫌な人、家で仕事をしたい人、ゆったりしたい人は営業そのものに向いていないと話しています。
ルート営業が向いていないと感じたら、辞めるべきですか?
先に、合わないのが仕事なのか今の会社なのかを分けてください。担当や部署を変えてもらう、同じルート営業で会社を変える、成果が給料に出やすい営業に移る、営業以外を考える、の4つの選択肢があります。今の会社でこの先給料の上がり幅がないなら、動いた方がいいと監修者は話しています。
ルート営業は未経験・35歳からでもできますか?
目指せます。監修者によると、35歳以上はこれまでの社会人経験と信頼しやすさが評価されます。接客の仕事で身についた第一印象の良さやホスピタリティも、お客様との信頼づくりに活きます。ただし、営業のやり方と接客の違いに最初は迷うこともあります。
ルート営業から別の営業に移ると、年収は上がりますか?
上がった人はいます。採用の現場で見てきた例では、50歳でルート営業から移った方が、年収520万円から2年目に650万円になりました。ただし個人の実績です。未経験の営業に移ると1年目の年収は下がることもありますが、初年度しっかりやれば前の年収を超えられる会社も多い、と監修者は話しています。
仕事が合わないという理由で辞める人は多いですか?
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」で、前の会社を辞めた一番の理由を男性の35〜59歳で見ると、「仕事の内容に興味を持てなかった」は1.9〜7.1%、「能力・個性・資格を生かせなかった」は3.6〜7.9%でした。「給料等収入が少なかった」は9.0〜14.3%です。理由は1つだけ選ぶ聞き方です。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
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執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。