50代の人生やり直しは資格が先?仕事が先?採用と年収にどこまで関係するか国の調査で比べる
50代のやり直しは、仕事を先に決めて、その仕事に必要な資格だけを取る順番がおすすめです。厚生労働省の調査では、転職者の給料や役職を決めるとき会社が一番重視したのは経験・能力・知識(53.7%)で、免許・資格は10.7%でした。社労士は労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事したか指定講習を修了して登録する必要があり、介護福祉士(実務経験ルート)やケアマネジャーは受験の前に何年かの実務が要るなど、使えるまでに時間がかかる資格もあります。
50代になって、このままの人生でいいのかと考える時間が増えた方もいると思います。役職定年制がある企業では、役職を外れる年齢は55歳が最も多くなっています(人事院・令和5年。年収の動きは50代の転職と年収)。50〜54歳で転職した人の69.8%は、転職前に特に準備活動をしていませんでした(厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」)。
やり直すなら、まず資格を取るべきか。この記事では、資格が採用と年収にどこまで関係するかを国の調査で確かめ、「資格を先に取る」と「仕事を先に決めて、要る資格だけ取る」の2つの順番を、50代に残された年数と費用で比べます。
50代のやり直しは、資格が先?仕事が先?
仕事を先に決めて、その仕事で必須の資格だけを取る順番がおすすめです。転職者の給料や役職を決めるとき、会社が一番重視したのは経験(53.7%)で、資格は10.7%でした(下のグラフ)。資格の中には、登録の前や受験の前に何年かの実務が要るものもあります。
採用の現場では、資格を持たないまま不動産営業の会社に入り、働きながら宅建を取った人もいます。下の2人は、資格なしで営業に入り、入社後に宅建を取って年収を上げた50代です。
年収420万円 → 2年目に620万円。
年収480万円 → 3年目に700万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
選考の結果を分けているのは、資格の有無より転職理由の中身です。
資格を取れば、50代でも人生はやり直せる?
転職者の給料や役職を決めるとき、免許・資格を考えた事業所は37.3%、一番重視したのは10.7%でした。採用理由を聞いた表4の選択肢には、資格の項目がありません(厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」)。
「50代で取ってよかった資格」のランキングを、ここで出さない理由は?
取ってよかった資格を50代に聞いた公的な調査は見つからなかったため、使えるまでの年数と国の補助で比べます。勉強時間・受験料・体力の負担、独学か通信講座か、副業、独立開業した後の年収、診断士・行政書士・FPなどは扱いません。
資格は、採用と給料の決め方にどこまで関係する?
まず採用の理由です。厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」で、転職者を採った事業所に理由を聞くと、「経験を活かし即戦力になるから」はどの職種でも上位2つに入っていました。営業を含む販売の仕事では58.8%で、最も高い理由です。
給料や役職を決めるときに考えた要素(いくつでも)と、一番重視した要素(1つだけ)は、下のグラフのとおりです。
給料や役職を決めるとき、会社は資格をどのくらい見ている?
「一番重視した」で比べると、資格は経験・能力・知識の5分の1ほどです(全年齢の数字)。
資格を取るメリットは?
資格を取るメリットは次の4つです。
- 資格が要る仕事の入口になる:電気工事やタクシーは、入社後に企業内訓練や養成訓練で取る道もあります
- 宅建士は会社に必要な資格:事務所には業務に従事する者5人に1人以上の専任設置が要り、取ると有利とされています
- 簿記は経理事務で役に立つ:経理事務は資格なしで入れますが、簿記は取得していると仕事の役に立つとされています
- 講座代の一部が戻る:教育訓練給付は、講座の種類によって費用の20%・40%・50%などが支給されます
50代で転職すると、年収は上がる?下がる?
調査によって結果が分かれます。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」では、転職して賃金が増えた人は50〜54歳で39.0%、減った人は28.2%でした。55〜59歳では増えた人27.4%、減った人36.6%です。
同じ厚生労働省の「令和2年 転職者実態調査」では、50〜54歳で賃金が減った人が53.2%と、増えた人(27.0%)を上回っていました。調べた年も対象も違う調査なので、どちらか一方だけで判断しないでください。
採用の現場では、今の会社でこれから上がり幅が無い人は、動いた方がいいと見ています。5年単位で考えると、給料の合計が大きく上がる例は十分にあります。
資格がないとできない仕事と、なくても就ける仕事の違いは?
資格がないと働けない仕事、会社に置く人数が決まっている仕事、資格がなくても入れる仕事の3つに分かれます(編集部の整理)。
- 資格がないと働けない・登録が要る:電気工事(電気工事士)、タクシー(普通第二種運転免許)、医薬品販売(登録販売者)、社会保険労務士(登録が要る)、看護師(保健師助産師看護師法)
- 会社に置く人数が決まっている:宅建士(事務所の業務に従事する者5人に1人以上)
- 資格がなくても入れる:施設介護員(介護福祉士)、経理事務(簿記)、医療事務
「資格が先」と「仕事が先」を比べると?
| 比べること | 資格を先に取る | 仕事を先に決めて、要る資格だけ取る |
|---|---|---|
| 最初にやること | 資格の一覧から選んで勉強を始める | 就きたい仕事を決め、資格が要るか調べる |
| 取った資格が使えるか | 選んだ仕事で使わないこともある | 要るか役に立つと分かった資格だけを取る |
| 仕事に就くまでの年数 | 勉強の期間+転職活動。登録の前に実務が要る資格もある(早見表) | 転職活動から始められる |
| お金 | 講座代がかかる(教育訓練給付の対象なら一部が戻る) | 会社の訓練で取る道もある(タクシー・電気工事士) |
| 向いている人 | 目指す仕事が決まっていて、その資格が仕事に要る人 | やり直したい方向はあるが、仕事はまだ決めきれていない人 |
※編集部の整理です。
資格名から引くと、必須の仕事と使えるまでの条件は?
宅建のように受験資格に制限がない資格と、受験の前に実務が要る資格(介護福祉士・ケアマネジャー)に分かれます。合格率は宅建18.7%、社労士5.5%でした(令和7年度)。
| 資格 | 仕事(業務)に資格が要るか | 使えるまでの条件 | 関係する職業の年収 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 宅地建物取引士 | 住宅・不動産営業:全員には要らない(5人に1人以上の専任設置) | 合格後、実務経験か、同等以上の能力があると認められて登録 | 660.7万円 | 2.72倍 |
| 社会保険労務士 | 社労士として働くには登録が要る | 合格者のうち、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事したか、指定講習を修了した人が登録できる | 1,134.6万円※ | 0.85倍 |
| 登録販売者 | 医薬品販売:要る | 合格後24か月(月80時間以上)の実務で正式に。その間も研修中として勤務できる | 384.8万円 | 3.28倍 |
| 電気工事士 | 電気工事:要る | 入社後に企業内で訓練して取る道もある | 628.1万円 | 3.84倍 |
| 普通第二種運転免許 | タクシー:要る | 第一種免許の人を採用して二種の養成訓練をする会社もある | 450.8万円 | 6.91倍 |
| 簿記 | 経理事務:要らない | 条件なし。中途は決算などの経験が求められる傾向 | 512.2万円 | 0.55倍 |
| 介護福祉士 | 施設介護員:要らない | 実務経験ルートでは、受験の前に介護の業務3年以上と実務者研修の修了 | 388万円 | 2.96倍 |
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | 要る | 受験に原則5年以上かつ900日以上の実務(法定資格に基づく対人援助業務など) | 441.3万円 | 6.13倍 |
| 医療事務の資格(民間) | 医療事務:要らない | 条件なし。関連資格は民間 | 528.7万円※ | 1.32倍 |
| 看護師 | 法律で要る | 国家試験に合格して免許を受ける | ― | ― |
出典:条件は宅地建物取引業法第18条、社会福祉振興・試験センター「実務経験ルート」、東京都福祉局「令和8年度介護支援専門員実務研修受講試験」、保健師助産師看護師法、厚生労働省 job tag の「就業するには?」。年収は job tag(令和7年賃金構造基本統計調査を加工。雇われて働く人の統計で、区分はその職業だけとは限りません)、有効求人倍率はハローワーク求人統計(令和7年度)。「―」はこの記事で公式の数字や根拠を確かめていないものです。※社労士・医療事務の年収は job tag が示す統計区分の値で、その資格を持つ人の年収ではありません(社労士の独立開業の人は含みません)。
宅地建物取引士は、50代にどう役立つ?
住宅・不動産営業は入職に資格が必須ではなく、job tag では、宅建士を取ると有利とされています。契約前の重要事項の説明は宅建士が行います(宅地建物取引業法第35条)。上の2人のように、資格なしで営業に入り、入社後に宅建に合格した50代もいます。入職に必須ではないので、入社してから取る順番も選べます。
社会保険労務士は、50代から目指せる?
実務がない人の登録の道は、指定講習の修了です。令和7年度の合格者の58.4%は会社員(男女計)でした。job tag では、働く人の多くは独立開業とされていて、表の年収は雇われて働く人の統計です。
登録販売者と電気工事士は、入社後に取れる?
登録販売者は資格取得後24か月(月80時間以上)の実務で正式になり、その間も研修中として働けます。入職後に資格取得を支援する場合が多いのは、新卒を採るときの説明です。中途採用もあるので、取り方は応募先に確かめてください。電気工事士は、養成施設などで資格を取ってから入職するか、入社後に企業内の養成施設で訓練を受けて取ります。
年金を受け取るまでに、資格は使えるようになる?
年金は原則65歳から受け取ります。始める年齢ごとに、資格を使えるようになる年齢を計算しました。
| 例 | 要る実務や講習 | 使えるようになる年齢の目安 |
|---|---|---|
| 50歳で社労士に合格 | 労働社会保険諸法令の事務2年以上(会社の人事・総務などでその事務をした場合)か、指定講習の修了 | 事務の経験があれば合格後に登録。なければ講習の修了後 |
| 50歳で登録販売者に合格 | 24か月(月80時間以上)。その間も研修中として勤務 | 52歳ごろに正式な登録販売者(job tag の説明どおりの場合) |
| 50歳で介護の仕事を始める | 介護の業務3年以上+実務者研修(実務経験ルート) | 53歳以降に介護福祉士を受験 |
| その後、介護福祉士として働く | 原則5年以上かつ900日以上 | 58歳以降にケアマネジャーを受験 |
※公式の条件をもとに編集部が計算した目安です。年金は原則65歳から(日本年金機構)。65歳までの雇用確保措置は常時雇用労働者21人以上の企業の99.9%が実施済み(厚生労働省「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」)。
表の2行目のとおり52歳で正式な登録販売者になれば、年金を受け取る65歳まで13年あります。動くのは在職中が基本です。資格の勉強も、仕事を続けながら進める順番を考えてください。
長く働ける資格・仕事は?
この記事で調べた職業のうち、平均年齢が50代以上なのは次の6つです。マンション管理員は資格が要らず、定年退職者等が再就職先として選択するケースが大半で、求人の年齢設定は60歳代のものが多くなっています(有効求人倍率0.66倍。関連資格にマンション管理士・管理業務主任者は挙がっていません)。
| 職業 | 平均年齢 | 年収 |
|---|---|---|
| マンション管理員 | 57.6歳 | 370.1万円 |
| タクシー運転手 | 56.8歳 | 450.8万円 |
| 雑踏・交通誘導警備員 | 56.6歳 | 335.3万円 |
| 施設警備員 | 53.8歳 | 379.9万円 |
| ケアマネジャー | 53.1歳 | 441.3万円 |
| ビル清掃 | 52.1歳 | 297.4万円 |
出典:厚生労働省 job tag(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)。平均年齢は今働いている人の平均で、長く働けるかまでは分かりません。
雑踏・交通誘導警備員の有効求人倍率は47.97倍です。どれも、電気工事士41.6歳・登録販売者43.6歳・社労士39.4歳より8歳以上高い数字です。会社の制度では、常時雇用労働者21人以上の企業のうち65歳以上を定年にしている企業が34.9%、70歳までの就業確保措置を実施している企業が34.8%でした(令和7年 高年齢者雇用状況等報告)。
50代はどちらを選ぶ?資格と仕事を選ぶ順番は?
入社後に取れる道があり、求人倍率が2倍を超える資格は?
早見表のうち、条件に当てはまるのは次の4つです(順位ではありません)。
- 普通第二種運転免許:タクシー6.91倍。一種で採用して養成する会社がある
- 電気工事士:3.84倍。企業内訓練で取る道がある
- 登録販売者:3.28倍。合格後の実務の間も研修中として勤務できる
- 宅建士:住宅・不動産営業2.72倍。受験資格に制限がなく、入社後に取った人もいる
資格を先に取っていい50代は?
目指す仕事がもう決まっていて、その仕事に資格が要る人です。電気工事の仕事に就きたいなら電気工事士、タクシーなら普通第二種運転免許が要ります。先に自分で取る前に、応募先に取り方を聞いてみてください。
仕事を先に決めた方がいい50代は?
どの仕事にするかまだ決めていない人と、これまでの経験を活かしたい人です。50代で転職した人が今の勤め先を選んだ一番の理由は、「自分の技能・能力が活かせる」が50〜54歳で21.0%、55〜59歳で31.0%でした(厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」表21-2)。同じ調査で50〜54歳の転職活動の方法は、ハローワーク等の公的機関が45.1%で最も多く、求人サイト・求人情報誌などが37.0%でした(表17・男女計)。
前の章のとおり、営業を含む販売の仕事では「経験を活かし即戦力になるから」が採用理由の最多でした。50代で決まる人には営業経験がある人が多く、53歳で営業経験のある方の転職が決まった例もあります。経験が活きる仕事の1つが、住宅・不動産営業のように入職に資格が必須でない営業です。保険営業は、保険業法で募集人の登録が要ります。
35歳以上が評価されるのは、これまでの社会人経験と信頼しやすさです。未経験から営業に移った最初の年は、前より年収が下がる人もいます。それでも、初年度にしっかり取り組めば前の年収を上回れる会社も多くあります。
資格と仕事は、どの順番で選ぶ?
講座に申し込む前のチェックリストを兼ねて、選ぶ順番を並べました。
- やり直したい理由を書き出す:給料を上げたいのか、働き方を変えたいのか、長く働きたいのかを分けます
- 候補の仕事を、職業名で3つに絞る
- job tag で、その仕事に資格が要るかを確かめる:「就業するには?」の欄を読みます
- 要るなら、入社後に取れるかを応募先か求人票で確かめる
- 登録の前や受験の前に、実務の年数が要らないかを確かめる
- 要らないなら、転職理由と職務経歴書の準備から始める
- 取りたい資格があれば、対象講座は「教育訓練講座検索システム」で探し、教育訓練給付を受けられる条件はハローワークで確かめる
資格の勉強より先に準備することは?
資格の勉強より先に、転職理由とこれまでの経験の伝え方を準備しましょう。転職理由を聞くとき、企業は「この人はうちで活躍するか」を一番知りたいと考えています。「家族のために選択肢を増やしたい」「稼ぎたい」と話した人は、選考に通っています。反対に落ちやすいのは、「楽をして給料を上げたい」という理由や、どこの会社にでも使える理由です。
面接で詰まりやすい「これまでの経験をどう活かすか」の答え方は35歳以上の面接、資格のない人が書類で伝えることは資格なし・経歴に自信がない人の転職で扱っています。
資格ごとの求人と、勉強の費用は?
資格を取っても、仕事に就けないことはある?
求人の数が求職者より少ない仕事もあります。有効求人倍率(ハローワークの求人と求職者の比)は、社会保険労務士0.85倍、マンション管理員0.66倍、経理事務0.55倍でした。反対に高いのは、タクシー運転手・ケアマネジャー・電気工事士などです。倍率はハローワークに出された求人だけの数字なので、ほかの探し方の求人は入っていません。
50代で難関資格に受かる人はいる?
います。社会保険労務士試験の令和7年度の合格者2,376人のうち、50歳代は18.9%でした。
資格の勉強代は、国の制度で補える?
1つ目は、雇用保険の教育訓練給付です。対象の講座を修了すると、払った費用の一部が戻ります。
| 種類 | 支給される額 |
|---|---|
| 一般教育訓練 | 費用の20%(上限10万円)を修了後に支給 |
| 特定一般教育訓練 | 費用の40%(上限20万円)を修了後に支給。資格を取って1年以内に雇用保険の被保険者として雇われると50%(上限25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 費用の50%(年間上限40万円)を受講中6か月ごとに支給。資格取得と1年以内の就職で70%(年間上限56万円)、さらに賃金が5%以上上がると80%(年間上限64万円) |
出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」。対象講座は「教育訓練講座検索システム」で探せます。受けられる条件(雇用保険に入っていた期間など)はハローワークで確かめてください。
安定した就労経験が少ない人・雇用保険がない人が使える制度は?
- 中高年層(ミドルシニア)専門窓口:これまで安定した就労経験が少ない方(正社員の経験が少ない、非正規が多い、短期の仕事を繰り返しているなど)向けのハローワークの窓口です。おおむね35〜59歳で、正社員での就職を希望する人が対象です。令和7年度中に21,034人がこの窓口を使って正社員で就職しています
- 求職者支援制度:雇用保険を受けられない人などが、月10万円の給付金を受けながら無料の職業訓練を受けられる制度です。本人収入が月8万円以下、世帯収入が月30万円以下、世帯の金融資産が300万円以下などの要件があります
50代女性・男性は、どんな仕事から考える?
50代女性は、資格をどう考える?
資格名で引くと、資格なしで入れるのは医療事務・施設介護員・経理事務で、登録販売者だけが仕事に資格が要ります。
| 資格 | 資格なしで入れるか | 入社後に取れるか | 平均年齢 | 求人倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 登録販売者 | 要る(研修中として勤務可) | 取得支援の会社が多い(新卒の説明) | 43.6歳 | 3.28倍 |
| 医療事務の資格 | 入れる | ― | 44.0歳 | 1.32倍 |
| 介護福祉士 | 入れる(施設介護員) | 実務3年以上で受験 | 45.3歳 | 2.96倍 |
| 簿記 | 入れる(経理事務) | ― | 44.0歳 | 0.55倍 |
出典:厚生労働省 job tag。性別を問わない数字です。
営業のなかでも、女性が評価されやすいのは、細やかさや丁寧さが必要な営業です。
年収380万円 → 転職後に600万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。資格を取ったかどうかは聞いていません。
ひとり親の方には、資格を取るため養成機関で学ぶ間に月額10万円(住民税課税世帯は月額70,500円)が出る、こども家庭庁の高等職業訓練促進給付金があります。詳しい条件は40代から稼げる仕事で扱っています。
50代男性は、資格をどう考える?
選び方は、入社後に取れる仕事、資格なしで入れて平均年齢が50代以上の仕事、営業経験を活かせる仕事の3つです。
| 資格 | 資格なしで入れるか | 入社後に取れるか | 平均年齢 | 求人倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 宅建士 | 入れる(住宅・不動産営業) | 入社後に合格した人もいる | 42.4歳 | 2.72倍 |
| 電気工事士 | 要る | 企業内訓練で取る道あり | 41.6歳 | 3.84倍 |
| 普通第二種運転免許 | 要る(タクシー) | 一種で採用し養成する会社あり | 56.8歳 | 6.91倍 |
| ―(施設警備員) | 入れる | 入職後に新任教育 | 53.8歳 | 3.59倍 |
出典:厚生労働省 job tag。性別を問わない数字です。宅建の入社後合格は採用の現場の例です。
資格の勉強が終わるまで、待った方がいい?
待たなくて構いません。資格の勉強と並行して、今の経験で選べる仕事があるかを先に確かめてください。家族に反対されて動かなかった人が、その後も挑戦できないまま年齢を重ね、難しくなっていく例も見てきました。
50〜54歳で転職した人は、転職前に何をしていた?
厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」では、50〜54歳で転職した人のうち、転職前に準備活動をした人は27.1%、特に何もしていない人は69.8%でした。全年齢で見ると、準備をした人のうち「今の会社で役立つ資格・免許を取得」した人は13.9%です。
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」個人調査 表18
動かなかった人は、あとでどう感じている?
動かなかったことを後悔している人からは、「あの時やっていれば、これくらいの年収になっていたのかもしれない」という言葉を聞きます。
面談で考えてほしいと伝えているのは、「数年後、本当に後悔しないか」と「思い込みで判断していないか」の2つです。「資格がないと無理」は、思い込みかもしれません。50代の転職全体の数字は50歳・50代の転職で見られます。今の仕事を辞めるかどうかで迷っている方は50代で仕事を辞めたいときを、すでに仕事を離れている方は50代で無職になったときを読んでみてください。
物理的に難しい事情がなければ、頑張りたい気持ちがあることを一番大事にしてください。
まとめ
資格の中には、仕事で使えるまでに何年かの実務が要るものもあります。50代のやり直しでは、就きたい仕事が決まってから、その仕事に要る資格を選ぶ順番をおすすめします。
後悔しないために、今の経験で選べる仕事があるかだけは、先に確かめておきましょう。
あなたに合った仕事なら、資格がなくても50代から働き方は変えられます。合う仕事は、資格の数ではなく、話し方・志向性・これまでの経験から見極めます。
「50代 人生 やり直し」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
50代から資格を取って、人生をやり直せますか?
資格だけでやり直しが決まるわけではありません。厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」で、転職者の給料や役職を決めるときに免許・資格を考えた事業所は37.3%で、一番重視したのは10.7%でした。50代は、先にやり直したい仕事を決め、その仕事で必須の資格だけを取る順番がおすすめです。
50代が資格を取るなら、何から調べればいいですか?
資格の一覧からではなく、就きたい仕事から調べます。厚生労働省の職業情報サイト「job tag」で職業名を開き、「就業するには?」の欄を読むと、入職に資格が必須かどうかが書いてあります。
50代女性が人生をやり直すとき、資格は必要ですか?
選ぶ仕事によります。job tag では、医療事務と施設介護員は入職に資格は必要とされない一方、医薬品販売(登録販売者)は資格が必要とされています。看護師の業務は、資格がないと行えません。ひとり親の方は、資格を取るために養成機関で学ぶ間、こども家庭庁の高等職業訓練促進給付金を受けられる場合があります。
50代で難関資格(社労士など)を目指すのは遅いですか?
遅いとは言い切れません。社会保険労務士試験(令和7年度)の合格者の18.9%は50歳代でした。社労士として登録するには、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事したか、指定講習を修了している必要があります。
資格の勉強費用に、国の補助はありますか?
雇用保険の教育訓練給付があります。厚生労働省によると、一般教育訓練は費用の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)、専門実践教育訓練は50%(年間上限40万円)が支給されます。雇用保険を受けられない人などで、本人収入・世帯収入などの要件を満たす人は、無料の職業訓練を受けながら月10万円の給付金を受けられる求職者支援制度も使えます。
50代で資格がないと、転職は難しいですか?
資格がなくても応募できる仕事はあります。施設警備員・マンション管理員・経理事務などは、入職に資格が要りません。採用の現場では、51歳と52歳の方が資格なしで営業に入り、入社後に宅建を取って年収を上げた例があります(年収は目安で、個人の実績です)。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
- 厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)
- 人事院「令和5年 民間企業の勤務条件制度等調査結果の概要」
- 厚生労働省「第57回社会保険労務士試験の合格者発表」
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況」
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
- e-Gov法令検索「保険業法」
- e-Gov法令検索「保健師助産師看護師法」
- 社会福祉振興・試験センター「実務経験ルート」
- 東京都福祉局「令和8年度介護支援専門員実務研修受講試験」
- 厚生労働省「教育訓練給付制度」
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
- 厚生労働省「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」
- こども家庭庁「高等職業訓練促進給付金のご案内」
- 厚生労働省「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果」
- 日本年金機構「老齢年金の受給開始年齢」
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
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執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。