45歳で無職からの再就職は間に合う?空白期間・年齢・動き始めの時期で見る
基本手当を受けた45〜59歳は、受給期間中に46.5%、受給終了後に32.6%(合わせて79.1%)で再就職先が見つかっています(平成25年度・受給者限定の調査)。空白の長さによる差は、公的な数字がありません。応募が受給期間の前半に多かった人は見つからなかった人が10.4%、終了後に多かった人は22.1%でした。
45歳で無職になると、「あと何年働くつもりなのか」と、年齢で先に線を引かれた気分になります。辞めた理由は、会社の都合だった人もいれば、体調や家族の事情で止まっていた人もいます。理由はそれぞれ違うのに、世の中は「45歳・無職」の一言で片づけたがるものです。
楽な話ではありません。この記事にも、厳しい数字は出てきます。線を引く前に、国の数字がどこに線を引いているのかを確かめます。年齢・空白期間・動き始めの時期の3つの数字から、45歳で無職の人の位置を見ていく流れです。
45歳で無職からの再就職は、もう間に合わない?
間に合わないとは言えません。雇用保険の基本手当を受けた45〜59歳は、合わせて79.1%(受給期間中と受給終了後の合計、編集部で計算)で再就職先が見つかっています。平成25年度に基本手当を受けた人への古い調査で、基本手当を受けた人に限った数字です。
見つからなかった人も16.2%います。補足として、転職した45〜49歳のうち賃金が減った人は23.8%で、35〜64歳の6区分で最も少なくなっています。こちらは転職できた人の数字で、いま無職の人が決まる確率ではありません(令和6年の雇用動向調査)。
「間に合う」は、何で見る?
この記事では、次の3つの数字で見ます。どれも、就職できるかどうかの判定ではありません。
- 年齢: 45〜49歳の区分で、転職した人の賃金はどうなっているか
- 空白期間: 辞めてから次の会社に入るまで、入社した人は何か月だったか
- 動き始めの時期: 雇用保険を受けた人の調査で、応募が多かった時期によって結果がどう違うか(年齢を問わない全体の数字)
年齢は自分では変えられません。空白をこれ以上伸ばさないことと、動き始める時期は、今日から選べます。見る中心はそちらです。
45歳で仕事を探している人は、何人いる?
総務省「労働力調査」の2025年平均では、45〜54歳の完全失業率は2.0%でした。35〜44歳は2.3%です。仕事を探しているのに就けていない人(失業者)は、45〜54歳で35万人いました。
仕事に就きたいと思いながら、探す活動はしていない人も、45〜54歳で36万人います(男性7万人・女性29万人)。探している人も探していない人も、45〜54歳には数十万人単位でいます。
無職になった直後、生活と手続きはどうなる?
まず、会社から届く離職票を持って、ハローワークで求職の申込みをするところから始まります。申込みから7日間は基本手当が出ない待期で、その後に受給説明会と失業の認定へ進む流れです。
健康保険は、協会けんぽの任意継続・国民健康保険・家族の扶養の3つから選びます。任意継続は退職日の翌日から20日以内の手続きで、保険料は退職前の2倍(上限あり)です。国民年金は、厚生年金から第1号被保険者への切り替えが必要で、保険料の納付が始まります。
生活費の目安や、手続きの期限をまとめた表は、40代で無職になったら、もう仕事は見つからない?にあります。
年齢は、再就職でどこまで不利になる?
45〜49歳は、転職した人の賃金の結果が、40代前半と同じくらいか、それより良い年代です。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」で、転職して賃金が増えた人・減った人を年齢別に並べました。
| 年齢 | 増えた | 変わらない | 減った |
|---|---|---|---|
| 40〜44歳 | 45.9% | 23.7% | 29.0% |
| 45〜49歳 | 46.4% | 26.9% | 23.8% |
| 50〜54歳 | 39.0% | 31.7% | 28.2% |
| 55〜59歳 | 27.4% | 33.6% | 36.6% |
出典:厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」表6(前職の賃金と比べた変動。前職が雇用者だった転職入職者)。50〜54歳は「増えた」が39.0%に下がり、「減った」は28.2%(40〜44歳は29.0%)で大きな差はありません
46歳・47歳・48歳・49歳でも、同じ?
国の統計は5歳刻みなので、46〜49歳は45歳と同じ「45〜49歳」の区分です。数字が変わるのは、50〜54歳の区分に入ってからです。
50〜54歳になると、賃金が増えた人は39.0%に下がります(令和6年の雇用動向調査)。別の調査「令和2年 転職者実態調査」でも、50〜54歳は賃金が減った人が53.2%と半分を超えています。2つの調査は対象の年も数え方も違うので、数字は並べて比べず、方向を見てください。
転職で年収が上がった45歳前後の例は?(無職期間は不明)
います。45歳前後で次の仕事に移り、年収が上がった3人の例です。この3人の無職期間は不明で、無職からの再就職の例とは書きません。
年収480万円 → 3年目に800万円。
年収400万円 → 2年目に550万円。
年収380万円 → 3年目に580万円。
※採用の現場で見てきた例です。年収は目安で、転職後の年数は人によって違います。個人の実績であり、全員が同じようになるわけではありません。
カードの職種は前職です。上がり幅は150万円から320万円で、年収が上がった時期は2年目と3年目に分かれました。
年齢を理由に断られるのは、違法ではない?
労働者の募集・採用で、年齢制限を設けることは、法律で禁止されています(平成19年10月1日施行)。例外は、長期勤続によるキャリア形成のために若い人を募集する場合など、決められた事由に限られます。
労働力調査では、45〜54歳の失業者35万人が仕事につけない理由は、「希望する種類・内容の仕事がない」が9万人、「勤務時間・休日などが希望とあわない」が5万人、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が4万人でした。年齢の理由より、希望する仕事がないという回答の方が多くなっています。
これは求職者本人の回答です。法律が禁じているのは、募集・採用での年齢制限で、別の話です。内訳は40代で無職の記事にまとめています。
無職の期間は、どこまで空くと厳しくなる?
公的な統計にあるのは、辞めてから入社するまで「10か月以上」の区分までです。1年以上や2年以上の数字はありません。次の会社に入った45〜49歳では、離職期間なしが30.0%、1か月未満が30.6%で、1か月以上空いて入社した人は34.7%、およそ3人に1人です(1〜2か月未満11.5%、2〜4か月未満9.9%、4か月以上13.3%)。
次の会社に入った45〜49歳は、何か月で決まっている?
前の会社を辞めてから現在の勤め先に就職するまでの期間を、40〜44歳と並べました。
1年、2年と空いたら、どうなる?
公的な数字がないため、ここは採用の現場で聞いた話になります。無職の期間があって転職が決まった40〜50代はいますが、無職の期間が2年とか空くと厳しくなることも多い、というのが現場の実感です。
厳しくなる理由まで、数字では確かめられません。
無職の期間は、面接でどう話す?
話し方の型は、50代で無職、人生終わり?と35歳で無職はもう手遅れ?に整理してあります。この記事では、2文の型を書きます(編集部の提案です)。
1文目は、辞めた理由を、事実を短く。2文目は、これからしたいことを、応募先の仕事に結びつけて。空白があるときは、この2文を先に決めておきます。
面接で見る点として、渡辺は「一番大事なのは、頑張りたい気持ちがあること」と話しています。物理的にNGでなければ、その前向きな気持ちを褒める、というのが採用の現場の考え方です。
空白の理由と、これから何をしたいか。この2文を先に書いておくと、面接で短く話せます(今週やることの2番です)。
応募の時期で、再就職の結果は変わる?
雇用保険の受給者を調べた国のアンケートに、年齢別と時期別の数字があります。平成25年度に基本手当の受給資格を決定された人が対象で、基本手当を受けた人に限った結果です。年齢別では、45〜59歳が35〜44歳と同じくらいの水準にあります。
| 年齢 | 受給期間中に見つかった | 受給終了後に見つかった | 見つからなかった |
|---|---|---|---|
| 35〜44歳 | 47.6% | 29.6% | 20.0% |
| 45〜59歳 | 46.5% | 32.6% | 16.2% |
| 60〜64歳 | 26.8% | 27.4% | 41.4% |
出典:厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会(第117回)資料4(平成28年10月17日。無回答等は表から割愛)
60歳を過ぎた区分では、数字が大きく変わっています。
応募が多かった時期別では、どう違う?
同じ調査には、応募が最も多かった時期別の結果もあり、年齢を問わない全体の数字です。
| 応募が最も多かった時期 | 受給期間中に見つかった | 受給終了後に見つかった | 見つからなかった |
|---|---|---|---|
| 所定給付日数の前半 | 75.1% | 13.5% | 10.4% |
| 所定給付日数の後半 | 42.7% | 43.8% | 11.7% |
| 基本手当の受給終了後 | 1.5% | 75.6% | 22.1% |
| 企業へ応募しなかった | 11.7% | 19.9% | 65.6% |
出典:厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会(第117回)資料4(平成28年10月17日。年齢を問わない全体)
応募が前半に多かった人で、見つからなかった人は10.4%でした。応募が受給終了後に多かった人では、22.1%です。
意欲が高い人ほど早く動く面もあり、動けば決まると言い切れる数字ではありません。そのうえで資料には、早期から就職活動を行うことが再就職割合を大きく左右する、と書かれています。
45歳から変わる制度は、ある?
会社都合などで辞めた場合の失業手当(基本手当)は、45歳から日数が増えます。被保険者期間が5年以上10年未満なら、35〜44歳は180日、45〜59歳は240日です。10年以上20年未満では240日と270日になります。
自己都合の場合は、年齢に関係なく日数は同じです。手続きの期限や日数の確かめ方は、40代で無職になったら、もう仕事は見つからない?にまとめました。
公的な支援は、45歳で何が使える?
使える窓口は3つあります。
- ハローワークの「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」: 窓口の対象の条件は、概ね35〜59歳・正社員での就職を希望する・これまで安定した就労経験が少ない、の3つ。令和7年度中に21,034人が、この窓口で正社員で就職
- 求職者支援制度: 月10万円の給付金を受けながら、無料の職業訓練を受けられる。雇用保険を受給できない人などが対象で、収入などの要件がある
- ハロートレーニング: 無料の公的職業訓練(テキスト代は自己負担)。まずは近くのハローワークで相談
自分が当てはまるかや、申込みの流れは、どれもハローワークで確かめられます。
自分は、どの位置にいる?判定表で確かめる
次の一歩の目安は、空白の長さと動き始めの時期です。数字がある範囲は数字で、ない範囲は現場の話で書いています。次の一歩の列は、編集部の提案です。
| 今の状態 | 入社できた45〜49歳の分布(離職期間なしを含む) | 次の一歩 |
|---|---|---|
| 辞めて1か月未満 | 1か月未満で入社した人は30.6%(別に離職期間なしが30.0%) | 職務経歴書を書き、応募を始める |
| 1か月から4か月 | 1〜2か月未満が11.5%、2〜4か月未満が9.9% | ハローワークで求職の申込みをし、応募の数を増やす |
| 4か月以上 | 4か月以上で入社した人は合計13.3%(8か月以上は5.0%) | ハローワークで相談し、応募先の幅を見直す |
| 1年以上 | 入社した人の数字はない。現場の話では、2年空くと厳しくなることも多い | 空白の理由を整理し、第三者に話して反応を見る |
出典:厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」個人調査 表20(1か月以上・4か月以上・8か月以上は区分を合算して編集部で計算)。1年以上の行は採用の現場の話です
この表は入社できた人の分布で、いま無職の人が決まる確率ではありません。今の位置を確かめて、次の一歩を決めるための物差しです。
今週やることは?
今週のうちに、次の5つを上から進めてください。
- 前の会社を辞めた日から、今日までの月数を数える
- 辞めた理由と、次にやりたいことを、それぞれ2文で書く
- ハローワークに行き、求職の申込みをする(雇用保険の受給中なら、失業の認定日を確かめる)
- ミドルシニア専門窓口の対象の条件(概ね35〜59歳・正社員希望・安定した就労経験が少ない)に当てはまるか、ハローワークに問い合わせる
- 職務経歴書の下書きを作り、1社に応募する
ひとりで動くのがつらいときは、先に話す相手を作ってください。
求人数、書類の通過率、1年以上空いた人が決まる割合は、確かな一次情報がないため、この記事では扱っていません。
状況別に、次に読む記事は?
- 45歳の転職全般の数字は45歳の転職の現実
- リストラや早期退職で辞めた場合は45歳でリストラ・早期退職を言われたら?
- 職歴に自信がないときは資格なし・経歴に自信がない35歳以上の転職
- 面接で聞かれることは35歳以上・40代の面接で落ちるのはなぜ?
- 自分に合う仕事は1分診断
まとめ
楽ではありません。ただ、入社した45〜49歳の約3人に1人は、1か月以上空いて入社しています。基本手当を受けた45〜59歳では、合わせて79.1%が再就職先を見つけました(受給者限定)。
数年後に後悔しないために、いまの自分に選択肢があるかを確かめておく価値があります。合う仕事を探す人には、応募先が見つかる余地があります。上の数字が、その根拠です。
空白が長い方ほど、先に話す相手を作ってください。相談では、空白の理由の話し方から一緒に整理します。
「45歳 無職」が自分の場合どうなのか、話して確かめたい方へ
よくある質問
45歳で無職からの再就職は間に合いますか?
間に合わないとは言えません。厚生労働省の雇用保険受給者アンケートでは、基本手当を受けた45〜59歳の79.1%が、受給期間中か受給終了後に再就職先を見つけています(受給者限定の調査)。
45歳で無職の期間は、どのくらいまでなら大丈夫ですか?
線は引けません。言えるのは、入社した45〜49歳の約3人に1人は1か月以上空いて入社していて、8か月以上は5.0%という分布までです(厚生労働省「令和2年 転職者実態調査」)。言えないのは1年以上空いた人の数字で、公的な統計にありません。現場では、2年空くと厳しくなることも多いと聞いています。
45歳の無職で、応募の時期によって再就職は変わりますか?
同じアンケートでは、応募が受給期間の前半に多かった人で見つからなかった人は10.4%、受給終了後に多かった人は22.1%でした。意欲の高い人が早く動く面もあり、動けば決まると言い切れる数字ではありません。年齢を問わない全体の数字です。
45歳で無職だと、失業手当は何日もらえますか?
会社都合などで辞めた場合は、被保険者期間が10年以上20年未満なら、35〜44歳は240日、45〜59歳は270日です。自己都合の場合は年齢に関係なく、10年未満90日、10〜20年120日、20年以上150日です(ハローワーク「基本手当の所定給付日数」)。
45歳でミドルシニア専門窓口は使えますか?
ハローワークの「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」の対象の条件は、概ね35〜59歳、正社員での就職を希望する、これまで安定した就労経験が少ない、の3つです(厚生労働省)。令和7年度中に21,034人がこの窓口で正社員で就職しています。当てはまるかは、利用したいハローワークに問い合わせてください。
年齢を理由に応募を断られるのは、違法ではないのですか?
労働者の募集・採用で年齢制限を設けることは、法律で禁止されています(平成19年10月1日施行)。ただし、長期勤続によるキャリア形成のために若い人を募集する場合など、例外事由があります(ハローワークインターネットサービス)。
- 給料が上がらず、このままでいいか迷っている方
- 未経験の仕事に移りたいが、35歳以降で大丈夫か不安な方
- 転職エージェントで紹介できる求人がないと言われた方
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」転職入職者の状況(表6)
- 厚生労働省「令和2年 転職者実態調査の概況」(個人調査 表13・表20)
- 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 厚生労働省 職業安定分科会雇用保険部会(第117回)資料4「雇用保険受給者の実態に関するアンケート調査について」(平成28年10月17日)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「退職後の健康保険加入のご案内」
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
- ハローワークインターネットサービス「年齢制限該当事由について」
- 厚生労働省「中高年層(ミドルシニア)専門窓口」
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
- 厚生労働省「ハロートレーニング」(公的職業訓練)
人材紹介の仕事に約5年携わり、人材紹介会社で事業部の責任者も務める。これまで数千人以上の求職者と面談。営業職への転職支援を得意とする。印象に残っているのは、営業未経験だった40代の方が転職し、3年目以降に年収2000万円を超えたこと(個人の実績で、全員が同じようになるわけではありません)。「年齢に関係なく、キャリアは変えることができる。」
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執筆:35歳からの稼げる転職 編集部。採用の現場で見てきた実例と、公的な統計をもとに書いています。